講義内容詳細:初級簿記Ⅱ/簿記論ⅠB

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 初級簿記Ⅱ/簿記論ⅠB
英文科目名/Course Title (English) Elementary Bookkeeping Ⅱ/Bookkeeping ⅠB
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 上枝 正幸
英文氏名/Instructor (English) UEEDA Masayuki

講義概要/Course description
 本講義では、前期から引き続き、初学者を対象にして、企業が日常的に実施する取引の処理・記録、決算事務、財務報告書類の作成にいたるまでの複式簿記の一連の仕組み―簿記一巡の手続という―を講義し、かつ反復的に問題演習することによって修得することを目的とする。
 仕入・売上、収益・費用、借方・貸方、さらに減価償却・手形・資本などの言葉の一部ないしすべては、これまでの生活において見聞の経験があると思われる。これらはすべて簿記・会計の用語であり、企業活動に関係する人々が日常的に用いているものである。こうしたことからは、簿記・会計が実はある意味ですでに一般の人々にとって非常に身近なものであることが実感できよう。簿記・会計を学習する目的は、企業活動を系統立った情報として整理・報告するために会計学の基礎を学ぶためでもあるし、あるいは検定等の資格を獲得することも含まれるかもしれない。しかしながら、それだけではなく、簿記・会計は、企業の諸活動自体を内外から理解するために重要な役割を果たしていることについて、本講義を通じて理解してもらいたいと考えている。後者は簿記・会計を大学で専攻しない経営学部生以外の受講生にとっても有益な視点となろう。
 簿記の取得においては、継続的な積み上げ型の学習方法が有効かつ不可欠である。欠席した場合、受講生自身でその講義回の内容をフォローしなければ、次回以降の受講時には理解できなくなり、遅れを取り戻すのが困難になることが予想される。さらに、本講は、より上級のレベルの会計関連科目の履修の土台として位置づけられる。したがって、欠席・遅刻をしない覚悟で受講してもらいたい。
達成目標/Course objectives
  簿記・会計の基本原理を学ぶ(初学者対象)
 1年間の講義終了時には、企業が定期的に公表する財務諸表のうち「貸借対照表(財政状態を表示)」および「損益計算書(経営成績を表示)」について、どのような原理に基づいて作成されているかを正しく理解してもらうことが授業の到達目標となる。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
初級簿記Ⅰ/簿記論ⅠA
* 教科書(講義内容)が前期の続きからとなるため、後期から初めて履修することはすすめません。
 (特段の理由がある場合は、履修前に教員まで連絡いただけると幸いです。)
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 後期の講義の概要の説明【オンライン(オンディマンド型)】
第8章 その他の債権と債務①―貸付金・借入金,未収金・未払金の意義および処理法
事前学習/Preparation 教科書(117-127頁,貸付金・借入金,未収金・未払金)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題8-1」を解く。
2
授業計画/Class 第8章 その他の債権と債務②―立替金・預り金、仮払金・仮受金,商品券・他店商品券などの処理方法(ポイント:企業側から見る)
事前学習/Preparation 教科書(128-126頁,立替金・預り金、仮払金・仮受金,商品券・他店商品券など)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題8-2」から「練習問題8-7」を解く。
3
授業計画/Class 第9章 受取手形と支払手形①―手形の振出し・受入れ・引受,手形代金の取立て・支払など手形を用いる取引の説明、また基本的な処理方法の説明
事前学習/Preparation 教科書(138-143頁,手形の基本事項)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題9-1」と「練習問題9-2」を解く。
4
授業計画/Class 第9章 受取手形と支払手形②―手形の裏書譲渡と割引の意義と処理法,受取手形記入帳と支払手形記入帳の作成,手形貸付金と手形借入金の処理方法
事前学習/Preparation 教科書(143-148頁,裏書・割引、関連帳簿、手形による金銭貸借)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題9-3」と「練習問題9-4」を解く。
5
授業計画/Class 第10章 固定資産①―固定資産とは,有形固定資産とは,取得・売却の簿記上の処理
事前学習/Preparation 教科書(149-154頁,固定資産の概要、基本的な処理)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題10-1」と「練習問題10-2」を解く。
6
授業計画/Class 第10章 固定資産②―減価償却の意義と処理法
事前学習/Preparation 教科書(154-164頁)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題10-3」から「練習問題10-7」までを解く。
7
授業計画/Class 第11章 貸倒損失と貸倒引当金―貸倒れとは何か,その会計処理方法,貸倒引当金の実務
事前学習/Preparation 教科書(165-170頁,貸倒れに関する処理)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題11-1」を解く。
8
授業計画/Class 第12章 資本金と引出金―貸借対照表の「純資産の部」の概要,資本金とは何か,資本金・引出金が増減する原因とその簿記・会計処理
事前学習/Preparation 教科書(171-179頁,資本金と引出金)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題12-1」から「練習問題12-3」までを解く。
9
授業計画/Class 第13章 収益と費用①―収益と費用の種類,収益と費用の見越しと繰延べの必要性と簿記上の処理
事前学習/Preparation 教科書(180-187頁,収益と費用の概要、見越しと繰延べ)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題13-1(③・④)」を解く。
10
授業計画/Class 第13章 収益と費用②―消耗品費の処理
事前学習/Preparation 教科書(187-190頁,消耗品費の処理)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題14-1(➀・②)」を解く。
11
授業計画/Class 第14章 税金―租税公課、法人税等、消費税
事前学習/Preparation 教科書(191-199頁、各種の税金の処理)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題14-1」から「練習問題14-3」を解く。
12
授業計画/Class 第15章 伝票―伝票会計の概要,起票方法・伝票から帳簿への記入,一部振替取引の処理
事前学習/Preparation 教科書(200-217頁,伝票)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題15-1」および「練習問題15-2」を解く。
13
授業計画/Class 第16章 財務諸表①―決算と決算手続,試算表の作成
事前学習/Preparation 教科書(218-223頁,決算手続の概要と試算表の作成)を読む
事後学習/Reviewing 教員オリジナルの練習問題を解く。
14
授業計画/Class 第16章 財務諸表②―棚卸表の作成と決算整理事項,(8桁)精算表の作成
事前学習/Preparation 教科書(224-231頁,棚卸表と精算表)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題16-1」を解く。
15
授業計画/Class 第16章 財務諸表③―財務諸表の作成,通年の講義のまとめ
事前学習/Preparation 教科書(231-239頁,財務諸表の作成)を読んでおく。
事後学習/Reviewing 「練習問題16-2」を解く,1年間の簿記学習の総まとめをする。
授業方法/Method of instruction
対面授業(通常型)(初回を除く)
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 30% 講義内容に関する練習問題(「CoursePower」の利用を想定)への解答による。
2 試験 Exam 70%
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
1 渡部裕亘・片山覚・北村敬子編著 『検定簿記講義3級商業簿記(2021年度版)』 中央経済社 2021
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
 
1 渡部裕亘・片山覚・北村敬子編著 『検定簿記ワークブック3級商業簿記』 中央経済社 2021
メッセージ/Message
10年度目の開講となる(2011年4月から)。教員にとって、他学部(経営学部以外)の学生さんに講義する機会は初めてで、新鮮かつ有意義な刺激を受けてきている。
今年度も、幅広い学部からの受講生を得られることを期待している。会計専門職の入り口として、あるいは教養の一つとして「簿記」を学習してみませんか。