講義内容詳細:政治過程論B

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 政治過程論B
英文科目名/Course Title (English) Theory of Political Process B
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 松田 憲忠
英文氏名/Instructor (English) MATSUDA Noritada

講義概要/Course description
「政治過程論」では,政治過程を「入力過程」(有権者が自らのニーズを政府に伝えるプロセス),「出力過程」(政府が有権者から伝えられたニーズに応えて政策を形成するプロセス),「フィードバック」(政府による政策を受けて有権者の新たなニーズが作り出されるプロセス)という3つの要素に分けて,それぞれのプロセスでどのような行動やインターアクションが繰り広げられているのか/繰り広げられるべきなのかについて考察します。あわせて,こうした政治過程というプロセスは,有権者の日常生活においてどのような位置にあるのかという点にも目を向けます。

「政治過程論Bは,まず政策が形成される「出力過程」,特に政策決定過程を取り上げます。まず,それらのアクターによるインターアクションが繰り広げられる政策決定過程を取り上げます。政策決定についての様々な捉え方ないしモデルを紹介するとともに,今日の日本の政策決定にも論及します。また,「民主的」な政策決定と「効率的」な政策決定について,日本の国会における与野党関係に言及しながら,考究します。最後に,政策が決定されるシステム(公共システム)の特徴を描出します。一般の有権者にとっては,自らのニーズの充足にあたって公共システムを利用することは日常的に行われることではなく,多くの場合は市場システム等の他の手段でニーズの充足を図ります。そこで,公共システムは市場システムと如何に異なるものなのか,公共システムにおける政治や政策についての議論は如何に行われるのか/行われるべきなのか,といった問題について検討します。
達成目標/Course objectives
「政治過程」は,政治制度の下で繰り広げられる様々なアクターによるインターアクションのプロセスを表す概念です.本講義は,受講生が,政治過程をジャーナリスティック・感覚的にではなく理論的・実証的に理解し,政治過程に対する社会科学的な視点を習得することを目指します.
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
※「政治学原論A・B」を履修済みもしくは履修中であることを強く推奨いたします.「政治学原論」で扱われるデモクラシー(民主主義)や政治制度についての知識を踏まえたうえで本講義を履修すると,政治におけるインターアクションを制約するルール(制度)の重要性について理解し易くなると同時に,デモクラシーの観点から政治過程を規範的に考察する視点や姿勢が醸成されることでしょう.

※「公共政策特論A・B」を履修済もしくは履修中であることが望ましいです.「公共政策特論」で扱われる多様な政策領域の特性や政策研究の進め方についての知識を踏まえたうえで本講義を履修すると,現実の政治と政策との関係性についての理解が深まります.

(注) 入学年度によって履修条件が異なりますので,ご自身の入学した年度の授業要覧を確認してください.
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 政策分析と政策決定 (オンライン(オンデマンド型)授業)
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
2
授業計画/Class 政策決定のモデル①: 意思決定としての政策決定Ⅰ(規範的モデル)
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
3
授業計画/Class 政策決定のモデル②:意思決定としての政策決定Ⅱ(実証的モデル)
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
4
授業計画/Class 政策決定のモデル③: 政策過程における政策決定
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
5
授業計画/Class 政策決定のモデル④: アウトプットとしての公共政策
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
6
授業計画/Class 政策決定のモデル⑤: 「鉄の三角形」と日本の政治
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
7
授業計画/Class 政策決定のモデル⑥: 「鉄の三角形」からの展開
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
8
授業計画/Class 政策決定のモデル⑦: システム論モデルとフィードバック
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
9
授業計画/Class 政策決定における代表性と効率性①: 与野党関係と「ヴィスコシティ論」
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
10
授業計画/Class 政策決定における代表性と効率性②:与野党対立と「国対政治」
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
11
授業計画/Class 公共システムと市場システム①: 市場の失敗Ⅰ(費用逓減産業,レモン市場,外部性)
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
12
授業計画/Class 公共システムと市場システム②: 市場の失敗Ⅱ(公共財,パレート効率性と分配の不公正)
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
13
授業計画/Class 公益と政策①: 政策と価値体系
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
14
授業計画/Class 公益と政策②: 政策と議論
事前学習/Preparation 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート該当箇所の確認と,参考文献(第一回講義での配布資料に記載)の確認
15
授業計画/Class 総括
事前学習/Preparation 講義ノート全体の確認
事後学習/Reviewing 講義ノート全体の確認
授業方法/Method of instruction
※ CoursePowerにアップロードされる『講義ノート』が手元にあることを前提に,授業は進められます。詳細は第1回授業で説明いたします.

※ 『講義ノート』以外に授業で使用する資料は,CoursePowerに事前にアップロードする予定です。授業に参加する前に確認し,入手しておいてください.


※ 授業は「対面(通常型)」で行われます(初回のみオンライン(オンデマンド型)授業となります).
成績評価方法/Evaluation
1 100% 授業時間に,3~5回程度の小テスト(ミニレポート)を実施し,それらのスコアを総合して,成績評価を行います.実施する日程は,授業の進捗状況等によって決まります(事前にスケジューリングすることはいたしません).したがいまして,授業の説明内容やコースパワーからの情報を常にフォローすることが望ましいです(も​し​や​む​を​得​な​い​事​情​で​小​テ​ス​ト​実​施​の​授​業​を​欠​席​し​て​し​ま​っ​た​場​合​は​,​公​的​証​明​書​(​に​準​ず​る​書​類​)​を​提​出​し​て​く​だ​さ​い​).
小テスト(ミニレポート)では,本講義で提供された知識の習得,社会科学的思考の実践,社会問題や政治状況等についての日常的な観察といった多様な側面からの評価が行われます.
教科書/Textbooks
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1 『講義ノート』
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
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1 松田憲忠・岡田浩 よくわかる政治過程論 ミネルヴァ書房 2018
2 松田憲忠・三田妃路佳 対立軸でみる公共政策入門 法律文化社 2019
3 その他については,第1回授業で紹介いたします.
その他/Others
※ 授業には,『講義ノート』の該当箇所を持参してください.
※ 受講生の人数や理解度等に応じて,上記計画や成績評価方法等は変更される可能性があります.