講義内容詳細:生命科学B

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 生命科学B
英文科目名/Course Title (English) Biological Science B
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 阿部 文快
英文氏名/Instructor (English) ABE Fumiyoshi

講義概要/Course description
生体の構成物質および生体内の化学反応を、遺伝子の本体であるDNAを中心に学ぶ。特に、DNA→RNA→タンパク質というセントラルドグマは、生命科学に関わるいかなる分野においても理解が不可欠である。この講義では単に教科書の説明だけではなく、実際の研究の現場や病気の原因などと結びつけ、セントラルドグマに対し多角的にアプローチする。

達成目標/Course objectives
DNAの複製、RNAへの転写、およびタンパク質への翻訳のメカニズムを分子レベルで理解すること。

履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
4年次の卒業研究配属先として分子遺伝学研究室(阿部文研)を希望する人は、この生命科学Bをしっかり学びつつ、3年次前期の「生命科学実験II」、および3年次後期の「バイオテクノロジー」を履修してください。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 初回オンラインガイダンスと、ヌクレオチド、塩基、糖、DNA、RNA、アミノ酸、タンパク質、脂質など細胞内化学分子の諸性質についての説明。
2
授業計画/Class DNA二重らせん構造の発見、その構造について。また、原核生物と真核生物のゲノムの違いについて。

3
授業計画/Class DNA複製 (I) DNAはどのようにして複製されるのか?半保存的複製、複製フォーク、DNAポリメラーゼなどの働きについて。
4
授業計画/Class DNA複製 (II) 岡崎フラグメント、DNAプライマーゼなどの働きについて。
5
授業計画/Class DNA複製 (III) 複製の精度を保つ仕組み、テロメラーゼなどの働きについて。
6
授業計画/Class DNA修復      変異、複製のエラー修復、DNAの損傷と修復について。
7
授業計画/Class DNA組換え  相同組換え、非相同組換え、部位特異的組換え、動く遺伝子などについて。
8
授業計画/Class DNAからRNAへの転写 (I) DNAの情報はどのようにして転写されるのか?細菌における転写、RNAポリメラーゼ、プロモーター、σ因子、TATAボックス、メッセンジャーRNA(mRNA) などについて。
9
授業計画/Class DNAからRNAへの転写 (II) DNAの情報はどのようにして転写されるのか?真核生物における転写、RNAポリメラーゼ、プロモーターなどについて。
10
授業計画/Class DNAからRNAへの転写 (III) 真核生物におけるmRNAのスプライシングとイントロン、エキソンなどについて。
11
授業計画/Class RNAからタンパク質への翻訳 (I)  mRNAからどのようにしてタンパク質が合成されるのか?コドン、アンチコドン、トランスファーRNA(tRNA)、アミノアシルtRNAなどについて。
12
授業計画/Class RNAからタンパク質への翻訳 (II) リボソームにおけるmRNAの翻訳について。
13
授業計画/Class RNAからタンパク質への翻訳 (III) 翻訳の開始と停止について。
14
授業計画/Class 遺伝子研究技術 遺伝子クローニング、PCRによる遺伝子増幅について。
15
授業計画/Class これまでの講義を総括するとともに、最終レポートの課題内容について説明する。
 
事前学習/Preparation 講義の範囲について、教科書を読んでおく。
事後学習/Reviewing ノートや配布資料を見直して復習する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes本講義は対面授業(ハイブリッド型ブレンド形式)で実施します。初回ガイダンスはオンデマンド形式で行うのでコースパワーで確認してください。また、講義後に課題を出す回があるので、その場合はコースパワーからレポートとして提出してもらいます。

活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 100% 定期試験で80%、講義内ディスカッションにおける発言回数に応じ20%まで加点します。
教科書/Textbooks
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1 「Essential細胞生物学 第5版」 (B. Alberts他著、中村佳子他監訳、南江堂、8,000円+税) を使用する。第3版や第4版でも可。
参考書/Reference books
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1 初学者向けの書籍として「遺伝学」(鷲谷いづみ監修、桂勲編、培風館、2,600円+税)、生命科学分野に進みたい学生には「細胞の分子生物学第6版」(B.Alberts他著、中村佳子他監訳、Newton Press、22,300円+税)を推薦する。
メッセージ/Message
高校で生物を履修していない人は、特に予習・復習を十分に行ってください。4年次の卒業研究配属先として分子遺伝学研究室(阿部文研)を希望する人は、この生命科学Bをしっかり学びつつ、3年次前期の「生命科学実験II」、および3年次後期の「バイオテクノロジー」を履修してください。