講義内容詳細:教育の社会学

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 教育の社会学
英文科目名/Course Title (English) Sociology of Education
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 辰巳 哲子
英文氏名/Instructor (English) TATSUMI Satoko

講義概要/Course description
講義概要

この授業は、教育社会学の中で取り上げられてきた主なテーマについて取り上げる。教育の当たり前を問い直し受講者自身の経験だけではなく、具体的なエビデンスを基に、自分の問いを深め、考える授業とする。学習者の授業への主体的な参加が求められる。
*社会哲学や学説史そのものを扱うことはない。


達成目標/Course objectives
教育社会学で扱われてきたテーマのうち、関心のある領域・テーマについて、エビデンスに基づいて、自分なりの視点でレポートがまとめられるようになることを目指す。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
事前履修は設定しない
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 教育社会学の分野でこれまでに扱われてきたテーマについて、教科書に沿って外観する。(学校の役割、社会変化が教育に及ぼす影響、学力格差の実態、学校から職業への移行、貧困、ジェンダー、キャリア教育など)を紹介し、テーマの決定をおこなう。受講希望者のオンライン環境の確認、評価方法や授業の進行についての説明をする。
事前学習/Preparation 事前アンケート(オンライン環境、授業で取り扱ってほしいテーマや履修の理由)を入力してください。
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて、200文字でまとめて、提出のこと。
2
授業計画/Class 教育領域で生じている社会問題について、(1)教育システムと外部環境との間の問題、(2)教育組織内部の問題、(3)教育システムと経済システムの間の問題をとりあげる
事前学習/Preparation 教育領域で生じていると考える問題について1人1つずつ考えて、掲示板に記入のこと
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて200文字でまとめて提出のこと
3
授業計画/Class 学校の社会的機能
社会において果たしている学校教育の役割について①社会化②能力証明・資格付与③選抜・配分④正統化をとりあげる
事前学習/Preparation 学校が果たしている役割について考える
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて200文字でまとめて提出のこと
4
授業計画/Class 高学歴社会における教育格差
学校教育の拡大と教育の役割の変化をあつかう
事前学習/Preparation 教科書の第3章 「高学歴社会における教育機会と費用負担」を一読のこと
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて200文字でまとめて提出のこと
5
授業計画/Class 学力の獲得は平等なのか
1990年以降の格差社会論について、学力・努力の格差拡大、アスピレーションの格差拡大、希望の二極化をとりあげる
事前学習/Preparation 教科書の第1章「学力の獲得は平等なのか」を一読しておくこと
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて200文字でまとめて提出のこと
6
授業計画/Class 学歴社会
主に学歴の効用について、高学歴化社会の問題状況、不本意就学の影響、大学中退についてとりあげる
事前学習/Preparation 高校時代に自分が学校で受けた進路指導について、覚えていることを掲示板に1人1つずつ記入すること。
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて200文字でまとめて提出のこと
7
授業計画/Class 近代化とメリトクラシー
能力主義とは何か、日本の能力主義の変化や現在、教育現場で求められている能力について取り上げる。社会への移行に際して求められている能力について、議論する
事前学習/Preparation 社会で求められているスキルについて1人1つずつ考え、掲示板に記入のこと
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて200文字でまとめて提出のこと
8
授業計画/Class 学校から社会への移行~キャリア教育
キャリア教育が始まった背景を50年前の米国の歴史から紐解く。キャリア教育が求められる背景と、実際に行われている内容、その課題を扱う
事前学習/Preparation 教科書の第10章 「教育から職業への移行と就職活動」を一読のこと
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて200文字にまとめて提出のこと
9
授業計画/Class 社会人の学びなおし
人口減少社会において、我が国では産業構造の変化に伴った労働移動施策を視野にいれた社会人の再教育を検討している。社会人の学びなおしの現状と我が国の生涯学習施策について学ぶ
事前学習/Preparation 社会人の「学び」とはどのようなものか、身近で働いている人に、日常的にどのようなことを学んでいるかを聞き、一人1つずつ掲示板に記入のこと
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて200文字でまとめて提出のこと
10
授業計画/Class ジェンダー
教育と職業における男女の格差の実態、現状をとりあげる。進路選択のジェンダー構造、キャリアパスの違いを扱う
事前学習/Preparation 教科書の第2章「高等教育への進学とジェンダー」を一読のこと
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて200文字にまとめ、提出する
11
授業計画/Class 子どもの貧困
貧困世帯の子どもの学習についてとりあげる
発表準備について解説
事前学習/Preparation 教科書の第5章「貧困世帯の子どもたち」を一読のこと
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて200文字でまとめて提出のこと
12
授業計画/Class 教育とテクノロジー
学び方そのものが変化してきてる中、多様な学校の設立のきざし、未来の学校の役割を考える
事前学習/Preparation 「自分なりの学び方」をコースパワーに提出
事後学習/Reviewing 授業の中で学んだことについて200文字でまとめて提出のこと
13
授業計画/Class 我が国の抱える教育課題について、テーマを決め、発表する(1)オンラインを予定


事前学習/Preparation これまでの授業テーマ、または、教育分野において自分が興味を持ったテーマ・課題について、発表用資料を作成のこと
事後学習/Reviewing レポート準備をおこなう
14
授業計画/Class 我が国の抱える教育課題について、テーマを決め、発表する(2)オンラインを予定
人数によってフィードバックの時間にあてます。
事前学習/Preparation レポートのテーマを決め、問題・リサーチクエスチョン・方法・結論・インプリケーションの流れにまとめる
事後学習/Reviewing レポート準備
15
授業計画/Class 学習者の理解状況に応じて振り返り、最終レポートに向けたまとめと質疑応答をおこなう
事前学習/Preparation レポート準備
事後学習/Reviewing 各自が決定したテーマに沿って、レポート執筆を進めること
授業方法/Method of instruction
本講義は対面授業(ハイブリッド型ブレンド形式)です。授業の目的や進行にあわせて対面授業日とオンライン授業日を組み合わせて実施をします。
授業形式によらず、すべての回でアクティブな学習が求められます。自分の頭で考え、自分の考えたことをレポートで発表する機会を設けています。自ら積極的に情報を収集した上で、授業の中で扱う各課題について、自分の考えを深めてください。
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 60% 教育社会学の分野で扱われているテーマから、自分で問いを立て、エビデンスと共に論述する。レポートの構造や書き方は授業中に解説する(図表を除いてA4で3ページ程度)
2 その他 Others 30% レポートと同じテーマについての発表。教育社会学の分野で扱われているテーマから、自分で問いを立て、エビデンスとともに発表する。発表の仕方は授業中に解説する(パワーポイントで6ページ程度)
3 平常点 In-class Points 10% 授業終了後に設定している、200文字の課題。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
1 片山悠樹 [ほか] 編 半径5メートルからの教育社会学 大月出版 2017.9 9784272412389 2200円+税
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 小泉令三, 古川雅文, 西山久子編著 キーワードキャリア教育 北大路書房 2016.4 9784762829369 2300円+税 蔵書情報 / Library information
メッセージ/Message
高校までの学習とは異なり、大学以降の学習は、正解のない世界の中で、これまでのエビデンスを踏まえながら、自分の考えを紡ぎだすことが必要です。
特に教育については、すべての人が経験したことがあるだけに、「社会科学」としてではなく、「経験」として語ってしまう人が多いようです。この授業では、教育社会学の研究成果を紹介しながら、現実社会で起こっている課題について皆で考えてみたいと思います。

やむなく授業を欠席する場合は、コースパワー上の資料に目をとおした後で次の授業に出席してください。
その他/Others
文部科学省や経済産業省の審議会の委員などを務めており、各自治体との共同研究や海外調査機関との共同研究、企業での講演などを行っています。以上の経験からリアルな場で起こっている課題について関連する講義の中で話しています。
キーワード/Keywords
教育社会学     キャリア教育     能力     貧困     実務経験