講義内容詳細:法学(日本国憲法を含む)/法学(日本国憲法を含む)A

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年度/Academic Year 2018
授業科目名/Course Title (Japanese) 法学(日本国憲法を含む)/法学(日本国憲法を含む)A
英文科目名/Course Title (English) Law (including the Constitution of Japan)/Law (Japanese Constitution Contained) A/Law (Japanese Constitution Contained)
学期/Semester 通年/前期 単位/Credits 4/2
教員名/Instructor (Japanese) 高橋 徹
英文氏名/Instructor (English) TAKAHASHI, Tooru

講義概要/Course description
 あなたは法学と聞いてどんなイメージを抱きますか?「法律知ってると得だよね..」法学の素養がないと生き残れない現代社会、こんな印象でしょうか。「でも、なんだか難しそう..」そんな風に考えた人は、法学を六法全書の暗記科目だと思ってはいませんか。法律に関する知識が豊富になるのは結構なことですが、知識だけで解決ができる問題は、実はʻごく僅かʼしかありません。法学を学ぶ上で大切なこと、それは「法的なものの見方」ができるかどうかにあるとされています。この講義では憲法・民法・刑法などの法学分野の実践的な学習を通じて「法的な思考」とは何かについて考えていきます。
 本授業は法学A〜Bに渡って4部構成となっていて、前期・法学Aの【導入編】ではまず法的思考をあなた自身で体験してみます。法的思考が何となく分かってきたら次は【基礎編】です。法的思考を身につけながらテーマ毎に法分野の基本的な考え方を習得しましょう。あなたの予想していた法の世界とは違う発見があるかも知れません。この後に続く後期法学Bではあなたが法的思考を試し実践していく【応用編】【実践編】に取り組みます。一転してかなり重いテーマに踏み込んでいきますが、果たして法的思考は法や裁判に活かされているのか、法学Aと連続して履修の上、ぜひあなたの手で最終結論を出してみてください。

達成目標/Course objectives
本授業のテーマは日本国憲法を含む法学です。法の主役は国民であり、あなたが現実に社会生活上のトラブルに直面した時「自ら問題点を発見・分析し自分自身の意見がしっかり表明できるか」が何よりも大切です。この講義では毎回受講者であるあなたが実際に様々な事案を解決していく中で「法的な思考」を実践してもらう参加型授業です。かねてから社会問題に興味がある人も、残念ながら今までは社会の出来事に関心が持てなかった人も、この授業に取り組む中で自分の意外な見識と実力を再発見してもらえることでしょう。前期は典型的な法学的課題の解決術を学び、後期は「こんなところでも?」という応用的な場面に挑みます。基礎から応用までどのような場面でも存分に法的思考を発揮できるようになること、これこそが本講義の達成目標です。

履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特になし。法学B履修者にも役立つ内容となっています。
なお、金曜3限「現代社会の諸問題」は本講義のスピンオフとして触れられなかったテーマを掘り下げています。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 【オリエンテーション】身近な家族問題から(1)法律知識がなくてもわかる「法的思考」
事前学習/Preparation 基本編、本日スタート!法的知識は後回し。夫婦が思わぬことから仲たがい、法律抜きでどんな解決が望ましいのか考えてみよう。
事後学習/Reviewing 法律抜きで結構、結局どんな解決が望ましい?あなたの考え、本当にそれで良かった?来週までに考えてみよう。ついでに「法的思考」の意味についてもあなた自身の頭の中で整理しておこう。
2
授業計画/Class 【導入編】身近な家族問題から(2)この問題、法律ではどう解決するのか?
事前学習/Preparation 前回取り上げた夫婦の事例、法律上どんな問題がありどう解決すべきか考えてみよう。
事後学習/Reviewing 本編第1回の授業を終えて法律ではどんな問題がありどんな解決がされていたか振り返ろう。
3
授業計画/Class 【導入編】あなたが法律に関わる方法 ~ひとつの実例
事前学習/Preparation 法にかかわる仕事にはどんなものがあるか。思いつく限り考えてこよう。
事後学習/Reviewing とかく他人任せになりがちな法の世界。あなたにできることはないか考えてみよう。
4
授業計画/Class 【導入編】法の中の法「憲法」はなんのため 憲法の基本原則と憲法の性質
事前学習/Preparation 最近話題に上ることの多い「憲法」。初心に立ち返り憲法は何のためにあるか考えてみよう。
事後学習/Reviewing 憲法は何のためにあるのか授業を振り返りつつ、憲法の役割について整理してみよう。
5
授業計画/Class 【基礎編】憲法を知る(1)どうして憲法に人権があるの…
事前学習/Preparation 今日のテーマは「人権」。人権こそ何のためにあるのか、今一度考えてきて欲しい。
事後学習/Reviewing 人権は何のためにあるのか授業を振り返りつつ、人権の役割について整理してみよう。
6
授業計画/Class 【基礎編】憲法を知る(2)憲法訴訟はいつ開かれる?
事前学習/Preparation 法を実現するのが訴訟だ。憲法も同じはず。憲法は訴訟でどう活かされるのか考えよう。
事後学習/Reviewing イメージしにくい憲法訴訟。授業を振り返りしっかりイメージが湧くようにしよう。
7
授業計画/Class 【基礎編】憲法を知る(3)憲法は使いこなさなければ意味がない
事前学習/Preparation 前回まで憲法を使いこなす視点で観察してきた。今日は実践編、裁判官になったつもりで事例を解決してもらうので前3回の学習をしっかり復習してこよう。
事後学習/Reviewing 今日の裁判官実演教室、自分の考えをしっかりまとめられたかもう一度振り返ってみよう。
8
授業計画/Class 【基礎編】犯罪を犯した者は(1)意外と当たり前じゃない刑法
事前学習/Preparation 犯罪の法はみんなの関心が高い。実際に犯罪にはどんな種類があるか、思い出してみよう。
事後学習/Reviewing 今日取り上げた事例を振り返り、どうしてそういう考え方になるのか整理しておこう。
9
授業計画/Class 【基礎編】犯罪を犯した者は(2)厄介なのは刑法理論
事前学習/Preparation 刑法理論は意外と厄介だ。前回の復習をしつつ、刑法の特徴と使命について考えてみよう。
事後学習/Reviewing さあ、刑法は何のためにあるのか。刑法の特徴とその使命についてまとめてみよう。
10
授業計画/Class 【基礎編】どうする金銭トラブル(1)民法を知らなかったばかりに
事前学習/Preparation あなたの知っている暮らしのトラブル事例、そして法律知識をできるだけ多く挙げてみよう。
事後学習/Reviewing 今日取り上げた知識、もう大丈夫?どうしてそういう結論になるのか考えておこう。
11
授業計画/Class 【基礎編】どうする金銭トラブル(2)民法、知識習得の秘訣
事前学習/Preparation 資格試験を受ける人も頭を悩ます法律知識。効果的に身に付ける方法はあるだろうか。
事後学習/Reviewing 民法の基本原則をしっかり復習しておこう。具体的な事例がどの原則に結びつくか考えよう。
12
授業計画/Class 【基礎編】どうする金銭トラブル(3)あなたのトラブル、民法で解決
事前学習/Preparation 今日は裁判官実演教室・民法編。基本原則を始めここまでの知識を十分に復習してこよう。
事後学習/Reviewing 文章の書き方はそれで良かったか、自分の考えをしっかりまとめられたか、復習しよう。
13
授業計画/Class 【基礎編】法学の本当の基礎(1)法律を作ってみる
事前学習/Preparation 法律を作ったことのある人はいないはず。立法時どんな注意を払うべきか考えておこう。
事後学習/Reviewing 議論にはうまく参加できたか、法律の文章はうまく作れたか、よく振り返っておこう。
14
授業計画/Class 【基礎編】法学の本当の基礎(2)法の仕組み、法の解釈
事前学習/Preparation 法律に求められるものは何か、法律を効果的にする方法はあるのか、考えてこよう。
事後学習/Reviewing 実際に法律を作る作業に取り組んでみて、気付いたことを整理してみよう。
15
授業計画/Class 【最終回】法的思考は身に付いたか 応用編への架け橋
事前学習/Preparation 半年間を振り返り、何をやってきたか思い出そう。法的思考とは何だったのか考えよう。
事後学習/Reviewing さて、法的思考は身に付いたか?後期に向けてもう一度基礎を固め応用編に備えよう!
授業方法/Method of instruction
説明を聞いて理解するだけの講義形式とは違います。授業中随時あなたに問題を投げ掛けていきます。挙手で発言も良いのですが、発言者以外の人にとってはついつい他人事になりがち。しかしこの授業では全ての受講生が自分の考えは自分のペーパーに書きます。実技や討論に参加した上でペーパーにまとめることもあります。後期に向かい徐々に深い考慮が要求される課題を増やしていきます。法的思考は講師が身に付けるものではなくあなた自身が身に付けるもの。法律を題材に思考に次ぐ思考の連続となるので覚悟してください。
成績評価方法/Evaluation
1 100% 1.平常レポート(67%) この講義に単なる出席票はありません。授業で取り上げたテーマに基づいて全ての回で豊富な課題が用意されており、あなたの書き上げた内容によって点数が加算されていく仕組みです。ハイレベルな履修者が多くなってきたため、好成績を収めるには授業への強い参加意欲が必要となることを了解の上で履修してください。
2.特別課題(33%) 上記に加え、以下を適宜組み合わせて成績評価の対象とします。
1)学期末レポート 各学期末にレポートを課します。自分で調べ考える力を問います。
2)特別レポート 裁判傍聴を始めとする課外活動や講演会が開催された場合など報告書を随時募集します。
3)期末試験 履修者の習熟度や参加意欲に応じ、必要が生じた場合には試験を実施することがあります。
教科書/Textbooks
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1 法学の基本は『六法全書』です。六法だけは必ず入手してもらわなければなりません。六法の選び方など詳細は初回の講義時に説明します。いわゆる「教科書」は特に指定しません。
参考書/Reference books
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1 教科書は指定しませんが、興味が湧いた分野があれば「参考図書」の紹介・相談に応じます。気に入ったものがあれば、ぜひ書店で手に取ってみてください。
メッセージ/Message
通常の講義形式とは異なるところが所々あります。初回のオリエンテーションに参加し授業を体験してから履修を決めてください。履修登録した時点で授業方法に了解しているものとして授業を進めます。