講義内容詳細:立法学/立法学入門

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年度/Academic Year 2019
授業科目名/Course Title (Japanese) 立法学/立法学入門
英文科目名/Course Title (English) Legislative Process/Introduction to Legislative Process
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 武蔵 誠憲
英文氏名/Instructor (English) MUSASHI, Shigenori

講義概要/Course description
 国民生活や経済社会情勢の変化に対応して、毎年、多くの法律が制定改廃され、法制度は常に変化し続けています。立法学は、こうした立法の積み重ねから生まれた研究分野です。まだまだ発展途上の学問であり、様々なアプローチがあり得るところではありますが、おおむね、①立法過程(立法動機の把握→立法事実の認識→法政策の形成→条文化といった立案過程と、国会への提出→審議→成立といった制定過程)、②立法内容(どのような目的でどのような法手段を採用し、これをどのような構成の法制度として法に盛り込むか)、③立法技術(立法内容を法律案の形に構成し、条文化していくための約束事やテクニック)の3分野から構成されると理解されます。
 この講義では、①~③の入門的な事項について、議員立法の立案の実務に携わってきた私自身の経験を踏まえ、具体的な事例を挙げつつ、概説します。法律案の立案に関する内容が中心となりますが、可能な範囲で、条例、地方公共団体の規則等についても言及します。また、立法に対する皆さんの興味や関心を高めるきっかけとなるように、講義の際に、立法や国会に関して新聞等で報道されている話題があればできるだけ取り上げ、より深掘りした理解に資するよう、背景、実情、課題等を概説するようにします。
達成目標/Course objectives
 法学部の学生の皆さんにとって、立法学を学ぶ意味は、主に次の3点にあると考えます。講義を通じて、これらの達成を目指します。
1 法令をより正確に読み解くことができるようになる。
 条文を起案する上で必要となる法令用語等の知識は、当然のことながら、法令を読み解く上でも大いに役立ちます。そうした知識を身につけることで、複雑に見える条文に出会ったときにも、我田引水のような読み方をすることなく、より正確に内容を把握することができるようになります。
2 ルール・メイキングやドラフティングの能力を養う。
 現実に起きている問題のポイントを的確に捉え、多角的に検討を加えて最適なルールを導き、それを正確に、わかりやすく文章化することは、社会の様々な場面において必要とされる能力です。また、そのルールを採用した理由等について説得力のある説明ができることも重要です。立法学を学ぶことで、そうした能力を養うことができます。
3 政治・行政の動きや政策に対する理解と関心を深める。
 立法過程や立法内容について学ぶことにより、国会や立法に対する新聞報道等をより深く理解することができるようになり、政治・行政の動きをより敏感に捉えることができるようになります。政策に対する理解と関心も深まります。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロダクション(立法及び立法学について)
事前学習/Preparation 教科書の序章及び第一章を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
2
授業計画/Class 法令の構造
事前学習/Preparation 教科書の第二章第三節及び第五章第二節を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
3
授業計画/Class 新規制定法の内容①(本則規定を中心に)
事前学習/Preparation 教科書の第五章第三節を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
4
授業計画/Class 新規制定法の内容②(附則規定を中心に)
事前学習/Preparation 教科書の第五章第四節を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
5
授業計画/Class 法令用語その他立法技術の形式的基礎
事前学習/Preparation 教科書の第五章第一節及び第七節を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
6
授業計画/Class 法令の形式と効力
事前学習/Preparation 教科書の第二章第一節及び第二節を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
7
授業計画/Class 実体的な内容①(事業規制、行為規制、資格付与)
事前学習/Preparation 教科書の第四章第三節(111~115ページ)及び第五章第三節(170~172ページ)を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
8
授業計画/Class 実体的な内容②(財源確保、助成、組織)
事前学習/Preparation 教科書の第四章第三節(115~124ページ)及び第五章第三節(172~173ページ)を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
9
授業計画/Class 実体的な内容③(行政計画、基本法、罰則)等
事前学習/Preparation 教科書の第四章第三節(124~129ページ)・第四節・第五節及び第五章第三節(174~175ページ)・第四節を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
10
授業計画/Class 法令の改正・廃止及び修正案
事前学習/Preparation 教科書の第二章第三節(54~57ページ)及び第五章第五節・第六節を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
11
授業計画/Class 法政策の形成(理論)
事前学習/Preparation 教科書の第三章第一節・第二節及び第四章第一節・第二節を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
12
授業計画/Class 法政策の形成(ケーススタディ)
事前学習/Preparation 教科書の第三章第四節を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
13
授業計画/Class 立法過程①(立案の過程―内閣提出法律案・議員提出法律案の作成・提出)
事前学習/Preparation 教科書の第三章第三節~第六節を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
14
授業計画/Class 立法過程②(制定過程―国会の審議)
事前学習/Preparation 教科書の第六章を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
15
授業計画/Class 立法過程③(制定過程―両議院関係・公布と施行)
事前学習/Preparation 教科書の第七章及び第八章を見てくること。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料の内容について復習すること。
授業方法/Method of instruction
・教科書のほか、教科書を補足するためのレジュメその他の配布資料を適宜使用します。
・講義内容への理解度を確認するため、授業時間内で時々小テストを行います。
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 90% 最終レポートの提出は必須です。
2 平常点 In-class Points 10% 授業で扱ってほしい時事的なテーマを提案するなど積極的に授業に参加する姿勢も評価します。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
1 大島稔彦著 立法学 第一法規 2013.4 9784474028920 3000円 (税別)
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 長野秀幸著 基礎からわかる法令用語 学陽書房 2015.4 9784313161535 1500円(税別)
メッセージ/Message
質問や相談等については、教室において授業前後の時間を利用してください。
その他/Others
15回の講義のうち欠席が3分の1を超えた場合は、成績評価の対象としません。
キーワード/Keywords
立法学     立法過程     立法内容     立法技術     法令用語