講義内容詳細:刑事政策

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年度/Academic Year 2019
授業科目名/Course Title (Japanese) 刑事政策
英文科目名/Course Title (English) Penal Policy
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 岡上 雅美
英文氏名/Instructor (English) OKAUE, Masami

講義概要/Course description
 刑事司法の実現過程を知っておくことは、法律実務家の必須の素養である。刑事訴訟法で定める手続の後、殊に有罪判決が出された後に、どのような手続がとられるのかが中心となる。しかしながら、「刑事政策」とは、それ以上の内容をもち、① 日本の犯罪現象(暗数も含む。)とそれへの対応の現状を事実として把握し、② その問題性を発見し、③ どのような政策をとるべきかについて考察するという、刑事司法全体についての洞察、問題発見能力、問題解決能力を必要とする幅広い分野である。刑事政策は、事実学(「~である」)と規範学(「~すべきである」)の双方からなる包括的な対象をもつ。
 本講義では、刑事政策学の基礎の部分を取り扱う。司法試験短答式でしばしば問われるが、刑法解釈学の講義ではあまり深く解説できない刑罰論その他の部分についても講義を行う。
 なお、ここでは少年法は対象とはせず、成人矯正に限定して扱いたいので、少年法については別講義を履修してもらいたい。
達成目標/Course objectives
犯罪の原因について客観的に理解すると共に、犯罪者処遇の実際をくわしく知ることによって、将来、法曹として、どのような働きかけをすることが本人のために、ひいては社会のためになるのかを、自分を見つめつつ深く考えてほしい。
人の心の痛みがわかり、依頼者を幸せに導ける法律家になることを将来的には目指すことを目的とする。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特になし。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 刑事政策の範囲
①  刑事政策の定義 
②  何を学ぶか。刑事政策を学ぶ意義  
③  刑事政策と隣接科学
事前学習/Preparation 上記のテーマについて、質問(とくに刑事政策を学ぶ意義)を考えておくこと。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
2
授業計画/Class 刑罰・刑事政策の歴史――学派の争い――
事前学習/Preparation 学派の争いについて、各自の基本書等で大まかに復習する。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
3
授業計画/Class 刑罰目的について
① 応報刑論
② 消極的一般予防・積極的一般予防論
③ 特別予防、再社会化
事前学習/Preparation 各自の基本書の該当部分を読んでおく。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
4
授業計画/Class 現行法の刑罰と改正論議
事前学習/Preparation 刑法上の規定がどのようになっているのかを読んでおく。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
5
授業計画/Class 死刑、終身刑、無期刑
事前学習/Preparation 質問を考えておくこと。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
6
授業計画/Class 量刑
量刑法の基礎理論
裁判員と量刑
日本で問題となった諸事例
事前学習/Preparation 特に必要としない
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
7
授業計画/Class 現代日本の犯罪状況――統計を読む――
犯罪の処理手続
日本の特徴
事前学習/Preparation 資料を事前に配布するので、それに目を通す。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
8
授業計画/Class 犯罪者処遇の諸問題(1)施設内処遇
事前学習/Preparation 事前に資料を配布する。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
9
授業計画/Class 犯罪者処遇の諸問題(2)社会内処遇
事前学習/Preparation 事前に資料を配布する。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
10
授業計画/Class 交通犯罪と厳罰化
事前学習/Preparation テーマについて、自分の考えをまとめておく。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
11
授業計画/Class 女性犯罪とその特徴(ビデオ閲覧予定)
事前学習/Preparation 事前に資料を配布する。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
12
授業計画/Class 薬物犯罪
事前学習/Preparation 事前に資料を配布する。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
13
授業計画/Class 被害者としての高齢者、加害者としての高齢者
事前学習/Preparation 事前に資料を配布する。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加えること。
14
授業計画/Class 被害者学・修復的司法
事前学習/Preparation 事前に資料を配布する。
事後学習/Reviewing 学んだことの復習。さらに考察を加える。
15
授業計画/Class 期末試験解説
事前学習/Preparation 問題はもってくること。質問を用意しておく。
事後学習/Reviewing 刑事政策についての理解をさらに深める。
授業方法/Method of instruction
授業は、解説、問題提起およびディスカッションで行う。
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 80% 期末試験。
2 平常点 In-class Points 20% 授業で指示した課題や授業中の理解度を総合的に判断する。欠席・遅刻回数は減点対象となる。
教科書/Textbooks
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1 特に指定しない。資料は適宜配布する。
参考書/Reference books
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1 特に指定しない
キーワード/Keywords
犯罪・犯罪者         非行・逸脱     被害者     少年法     刑務所     少年院     犯罪統計     内観     カウンセリング