講義概要/Course description
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他者と共に生きるためには何が必要か?現代アメリカ女性作家キャスリン・ストケットの小説『ヘルプ』(上巻・下巻)を通じて考える。
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達成目標/Course objectives
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①日本の狭い常識を異化・相対化し、自明視してきた価値観や自己像を批判的に見直すための「鏡」として、外国文学の魅力を理解する。 ②真に他者と共生するために、人種民族・国籍・階級・性別等の単一で狭量なカテゴリー帰属を自明視する従来の静的アイデンティティ観を脱し、他者(未知や異質との接触)を成長の糧にできるような、しなやかで耐性に富む動的・重層的なアイデンティティ=生き方を理解する。
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履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
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この授業は、コア入門で得た学びを前提として行われる。
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授業計画/Lecture plan
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1
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授業計画/Class |
イントロ:〈判断〉と〈理解〉~映画鑑賞 |
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2
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授業計画/Class |
『ヘルプ』1~3章、キーワード集Ⅰ&Ⅱの概説(事実≠認識、異化・相対化) |
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3
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授業計画/Class |
4~6章、キーワード集Ⅰより講義と自由討議(同化主義) |
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4
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授業計画/Class |
7~10章、キーワード集Ⅰより講義と自由討議(イデオロギー、ヘゲモニー) |
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5
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授業計画/Class |
11~14章、キーワード集Ⅰより講義と自由討議(腐った弱者、創られた伝統) |
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6
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授業計画/Class |
15~18章、小まとめ(本質主義vs構築主義)、中間レポート概要 |
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7
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授業計画/Class |
社会と時代の背景、キーワード集Ⅱ導入(文化や社会制度内に構造化された差別・抑圧・暴力)、中間レポート提出 |
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8
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授業計画/Class |
19~22章、キーワード集Ⅱより講義と自由討議(複眼思考、周縁から境域への読み替え) |
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9
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授業計画/Class |
23~26章、キーワード集Ⅱより講義と自由討議(批判精神、自己政治化、リテラシー) |
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10
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授業計画/Class |
27~28章、キーワード集Ⅱより講義と自由討議(等価交換から贈与(ギフト)交換へ、ホスピタリティ=歓待の精神とは?) |
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11
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授業計画/Class |
29~33章、キーワード集Ⅱより講義と自由討議(区別≠差別) |
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12
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授業計画/Class |
34章~訳者あとがき、キーワード集Ⅱより講義と自由討議 |
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13
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14
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15
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授業方法/Method of instruction
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・メールリポート講評 ・キーワード解説 ・テキスト読解と自由討議 |
成績評価方法/Evaluation
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1 |
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100%
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中間レポート:30% 期末レポート:30% メールリポート:20% 自由討議参加度:20%
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教科書/Textbooks
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| 著者名 Author | タイトル Title | 出版社 Publisher | コメント Comments |
1 |
キャスリン・ストケット
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『ヘルプ』(上巻・下巻)
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集英社文庫
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他、配布プリント
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参考書/Reference books
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| 著者名 Author | タイトル Title | 出版社 Publisher | コメント Comments | |
1 |
鴻上尚史
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『「空気」と「世間」』
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講談社現代新書
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他、授業で紹介
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メッセージ/Message
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【準備学習(予習復習等)】 1.予習:テキスト(小説)やプリントの指定された箇所を直線(発見や重要箇所)と波線(質問箇所)をつけて事前に読んでおく。 2.復習:コースパワーの本科目内掲示板に、前回までの授業内容に関連する質問・コメント・事例紹介などを200字前後の自由記述でメールリポートする。原則週1回(毎週土曜日の23:59締切)。
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その他/Others
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・毎回出席を取る。欠席が3分の1を超えた学生は成績評価の対象としない。 ・受講者全員がコースパワーの登録を行い、本授業の掲示板内のメールリポートを毎回共有して、授業に臨むこと。
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キーワード/Keywords
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アメリカ研究
アメリカ文学
人種
ジェンダー
階級
共生
批判精神・批判的思考力
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