講義内容詳細:キリスト教教育特講

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年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) キリスト教教育特講
英文科目名/Course Title (English) Advanced Studies in Christian Education
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 水口 洋
英文氏名/Instructor (English) MIZUGUCHI, Hiroshi

講義概要/Course description
キリスト教教育・キリスト教保育を担うために必要なキリスト教人間観について考える。担い手である保育者自身が、その生涯の発達における成熟に向けての自分の課題に向き合うことで、教育現場に出た時に起こる様々な実際的な問題への対応や捉え方を気づけるようになることを目指す。
達成目標/Course objectives
人生の中で必要な価値観と生き方〜キリスト教人間観を探る。
1.   受講者がキリスト教人間観への関心を示し、キリスト教教育の意義を認識できるようにします。
2.   人生の様々なステージにおける課題を学び、子供たちを取り巻く家族環境を理解し、親とともに子どもの成長をサポートしていくよ   うな道筋を学んでいきます。
3.   受講者自身の教育観・人間観・宗教観を構築し、成熟した人格の形成教師として志を高めることを目指します。
4.   キリスト教教育の担い手となる準備をします。 
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
探究心のある学生、キリスト教保育やキリスト教教育の現場へ出て行こうという志を持った学生、キリスト教系の諸団体児童福祉やNPO法人、あるいは自分自身の「生き方」を探求したいと思っている学生なども歓迎します。聖書やキリスト教に関する知識や信仰の有無はまったく問いませんが、受講する学生には生き方に関する問題意識を持ち、授業への積極的な参加を求めます。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 1. オリエンテーション〜キリスト教人間観とキリスト教教育の視点を考える
    オリエンテーション、授業の進め方、
    関わりの世界の相互性、大事なことは人から人に伝えられる、求められる人間性、
2
授業計画/Class 2.人生の四季を考える
     葉っぱのフレディを読む、人間の生涯における段階と課題、
     自己実現とは何か、マイナス経験が人を作る、人と関わることを通して、
3
授業計画/Class 3.乳児期はすべての土台
     誕生の不思議、愛着の双方向性、基本的信頼感の形成、
     人としての育ち、名前の不思議、関わりこそがすべて、
4
授業計画/Class 4.愛されて育つ心〜幼児教育の重大さ
   広がる世界と身につく自信、遊びがもたらすもの、戻れる安全基地、
   親の役割・社会の責任、宗教心への目覚めのために、
5
授業計画/Class 5.人生のスタート ~小学生とプレ思春期  
     体験の重要性、五感を働かせる、勤勉性とその承認、
     親をオヤッと思う時、メタ認知がもたらすもの、10歳の傷、
6
授業計画/Class 6.思春期・青年期の課題 〜自分探しを通じて
     孤独の持つ意義、葛藤と暗中模索の中で、自分の鏡となる友達、
     アイデンティティの確立、出会いの必然性、曲がり角の危機、
7
授業計画/Class 7.大人として生きる
     自由と生きがい、職業を持つこと(女性と職業)、聖書の語る結婚、
     運命を引き受ける、自立と依存の人間関係、
8
授業計画/Class 8.親になること、親であること
     立場の逆転、子育ての壁(現代の課題)、育ちあいと発見、
     親であることの悲しみと特権、育児を通しての育自、親への支援とは、
9
授業計画/Class 9.本当の自分に向かって 〜成熟を目指して
     自分の色に色づく、真の自己実現のために、未完成の自分を見つめて、
     価値の転換を巡って、生の冒険、
10
授業計画/Class 10.老いの苦しみ、老いの発見 
     老いとは何か、老いの苦しみ、老いの意味、
     老いと向き合う、いのちの伝達、手渡される価値観(高齢者からこどもへ)
11
授業計画/Class 11.死を考えることの意義 〜デス・エデュケーション ①
     死が遠ざかった時代、メメント・モリ、自死と突然死、
     子どもに死を教える、二人称の死を思う、
12
授業計画/Class 12.永遠のいのちを考える 〜デス・エデュケーション ②
     死の受容と看取り、安楽死とホスピスケア、死の告知
     死後の世界をどう見るか、魂の安らぎのために(宗教の持つ力)、
13
授業計画/Class 13.  演習と発表 ①
       個人課題と個人発表 ①
14
授業計画/Class 14.演習と発表 ②
     個人課題と個人発表 ②
15
授業計画/Class 15.まとめ~再び人生の四季を巡って 
        人生を作るもの、豊かな人生に必要なもの、
        キリスト教教育の核心、教育の持つ可能性、人と関わる生き方、
授業方法/Method of instruction
担当者が基本的事項を講義し、そのテーマを巡って対話を積み重ねていく形式をとります。受講者の発表の機会も設けます。
この授業は、Webexによるオンライン授業とします。
成績評価方法/Evaluation
1 100% 総合評価とします。
1.    平常点   授業における主体的な参加の有無。  20%
2.    小レポート 毎回の授業ごとの小レポート。      30%
3.    プレゼンテーション発表 (授業内で指示します) 20%
4.      最終レポート                                          30%
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
価格
Price
コメント
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1 水口 洋 人生の季節の中で いのちのことば社 2010年 1500円 授業時に指示します。
参考書/Reference books
 コメント
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1 毎回指示します。
メッセージ/Message
 キリスト教幼稚園教師は結局、その人間性が最も大きな影響力を与えることになる仕事です。問われるのは、保育の技術や知識である以上に、保育者自身が自分の生き方について真剣であるかどうか、ものに感動したり、共感したりする心が人格の中でどのように育っているかどうかです。学校での学びを修了する前にこれからの生き方の軸を明確にし、学び続けるためのヒントを提供したいと思っています。事前事後学習として、授業のテーマについて自ら調べ準備し、次回までに疑問点をなくすこと。