講義内容詳細:スペイン語圏の社会と文化B

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年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) スペイン語圏の社会と文化B
英文科目名/Course Title (English) Society and Culture of Spanish-Speaking People B
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 岡本 年正
英文氏名/Instructor (English) OKAMOTO, Toshimasa

講義概要/Course description
本授業では、スペイン語圏、特にラテンアメリカの歴史、社会、文化を概観し、現代のラテンアメリカ世界がいかに形成されそして現状があるのか、また今後どこへ向かっていくのかを考察します。
現代のラテンアメリカでは、多くの国がスペインによる植民地期を経験した結果、スペイン語を公用語として用いています。とはいえ当然ながら、それらの国々の植民地期以前の歴史は長く、植民地期以前の社会や文化の要素、そして言語をとどめながら、現代ラテンアメリカ世界を形成してきました。そのため、ラテンアメリカと一言で言っても、それぞれの地域(国家)が、それぞれに変容し、多様な世界が生まれています。また、ラテンアメリカはスペインやスペインを通して様々な影響を受ける一方で、スペインを通じていわゆる「旧世界」とつながり、「旧世界」に影響をもたらしました。この結果としての歴史における相互交流は対等なものではなく、常にアンバランスな権力関係の下でなされてきました。この状況は、現代ラテンアメリカ世界にも少なからず影を落としています。本講義では、この相互交流の結果としての現代の事象を具体的な事例をあげ分析を行うことで、ラテンアメリカ世界に対する考察を行っていきます。
達成目標/Course objectives
ラテンアメリカに関する基本的な知識の習得や、歴史的な交流のプロセスの理解を通し、ラテンアメリカの現状について世界との関わりで考察する分析視点を得る。ラテンアメリカの多様性を理解し、それを一例として、多様な現代世界そのものに対する洞察を得る。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロダクション、履修者のスペイン語圏ラテンアメリカへの関心の確認
事前学習/Preparation スペイン語圏ラテンアメリカへの関心をまとめておく。
事後学習/Reviewing 履修者全体の関心をまとめ、いくつかの項目に関して調べる。
2
授業計画/Class スペイン語圏の地理
事前学習/Preparation スペインとラテンアメリカの国々の位置関係や国名そのものを調べる。
事後学習/Reviewing スペインとラテンアメリカの国々の地理的特徴をまとめる。
3
授業計画/Class 先コロンブス期①:中米地域
事前学習/Preparation 中米地域の先コロンブス期の文明・文化について調べる。
事後学習/Reviewing 中米地域の先コロンブス期の文明・文化の特徴をまとめる。
4
授業計画/Class 先コロンブス期②:南米地域
事前学習/Preparation 南米地域の先コロンブス期の文明・文化について調べる。
事後学習/Reviewing 南米地域の先コロンブス期の文明・文化の特徴をまとめる。
5
授業計画/Class アステカとインカ
事前学習/Preparation アステカとインカとは何かを調べる。
事後学習/Reviewing アステカとインカの特徴をまとめる。
6
授業計画/Class 「1492年」論
事前学習/Preparation 1492年とはいかなる年かを調べる。
事後学習/Reviewing 1492年を軸にスペインとラテンアメリカの間で起きたことをまとめる。
7
授業計画/Class 植民地期のラテンアメリカ
事前学習/Preparation 植民地期にラテンアメリカで起きたことを調べる。
事後学習/Reviewing 植民地期にラテンアメリカとスペインの間で起きたことをまとめ、植民地期とはいかなる意味を持つかを再び考える。
8
授業計画/Class ラテンアメリカ諸国の独立
事前学習/Preparation ラテンアメリカの独立した国々の年代や独立の主体を調べる。
事後学習/Reviewing ラテンアメリカの独立に向かう流れをまとめ、その主体とおいていかれている者たちについて考察する。
9
授業計画/Class 独立後のラテンアメリカ世界
事前学習/Preparation 独立後のラテンアメリカの概要を年表等を用いておさえておく。
事後学習/Reviewing 独立後のラテンアメリカの流れをまとめ、現代の状況に繋がる視点を得る。
10
授業計画/Class ラテンアメリカとアメリカ合衆国
事前学習/Preparation ラテンアメリカの国々とアメリカ合衆国との関係について調べる。
事後学習/Reviewing ラテンアメリカの国々とアメリカ合衆国の現代における関係をまとめ、今後について考察する。
11
授業計画/Class ラテンアメリカと日本
事前学習/Preparation ラテンアメリカと日本の関係について歴史的事実を調べる。
事後学習/Reviewing ラテンアメリカと日本の関係についてまとめ、今後の展開を考察する。
12
授業計画/Class 現代社会におけるラテンアメリカ先住民
事前学習/Preparation ラテンアメリカにおける先住民と呼ばれる人々について調べる。
事後学習/Reviewing ラテンアメリカにおける先住民の現代における立ち位置について考察する。
13
授業計画/Class ラテンアメリカ世界の諸問題:貧困・麻薬・汚職
事前学習/Preparation ラテンアメリカ世界の問題とは何かを調べる。
事後学習/Reviewing ラテンアメリカ世界の諸問題のうち関心を持ったものについて、詳しく調べて見解をまとめる。
14
授業計画/Class 現代世界におけるラテンアメリカ
事前学習/Preparation 現代におけるラテンアメリカの事象についてニュース等を調べる。
事後学習/Reviewing 現代世界におけるラテンアメリカの在り方をより考察する。
15
授業計画/Class 総論
事前学習/Preparation これまでの講義で学習したことを復習し、疑問点や関心を持った点を出す。
事後学習/Reviewing 関心を持った事柄をより調べて深め、それに対する考察をする。
授業方法/Method of instruction
授業では、基本的にはZoomを用いてオンタイムで、本来の授業時間に講義を行います。Zoomの詳細は、Course Powerを通じて、初回授業前までにお伝えします。
講義中心の授業です。スライドを共有しながら講義を進める予定です。映像資料の共有は難しいため、授業外で観てもらうこともあります。
各授業ではリアクションペーパーを提出してもらい(その方法はCourse Powerでお伝えします)、次回の授業の冒頭で、コメントに答える形で前回の内容を復習しつつ深めていきます。
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 70% 期末レポートを課題として提出してもらいます。
2 平常点 In-class Points 30% リアクションペーパーの提出と内容、授業への参加状況。
教科書/Textbooks
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1 教科書は指定しません。
参考書/Reference books
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1 参考文献は、各回に適宜示します。
メッセージ/Message
スペイン語圏に関心のある方だけでなく、文化・文明の衝突や交流に関心のある方、「第三世界」の状況に関心のある方等、歓迎します。講義の中心はラテンアメリカの事象ですが、そこから得られる分析視点を用いて、自らの関心事に敷衍するよう努力してください。思考の練習をする場だと考えてもらえるとよいです。
その他/Others
授業回数の3分の1を超えて欠席した場合(リアクションペーパーの提出がないということです)、期末レポートを提出しなった場合は評価しません。リアクションペーパーを白紙で出した場合は授業に参加していなかったとみなし、欠席扱いにする場合がりますので、積極的にコメントや質問を記述してください。
キーワード/Keywords
ラテンアメリカ     植民地     相互交流     権力関係