講義内容詳細:東洋史演習A(1)/東洋史演習(1)

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年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) 東洋史演習A(1)/東洋史演習(1)
英文科目名/Course Title (English) Seminar in Oriental History A (1)/Seminar in Oriental History (1)
学期/Semester 前期/通年 単位/Credits 2/4
教員名/Instructor (Japanese) 青木 敦
英文氏名/Instructor (English) AOKI, Atsushi

講義概要/Course description
・4年生は卒論、3年生は卒論に向けた2万字レポート(2021年2月初旬提出)を作成すべく、自らの課題を設定し、日常的に漢文読解訓練を行う。漢文は、日本語古文文法で下しをする。
また、前提として、簡単に、史料学/学問文章構成/編集方法の基礎事項を理解する。それでないと、レポートや卒論を書けないので。

※漢文訓読について
また日本には古代から、日本語に合わせた訓読法がある。「父母已亡、児女分産、男合得女之半」を「父母すでに亡く、児・女、産を分かつに、男、まさに女の半ばを得べし」と読む。この演習では、この日本語の古典語による、訓読=書き下しを読めるようにする。これは、卒論を進める上で、できたほうがいい。

(a) 3年生は次の甲あるいは乙をやる。

甲:まずどの時代と地域・分野をやるか取りあえず決める。つまり、
[地域と時代]:中国(先秦、秦漢、魏晋南北朝、隋唐、宋元、明清)・朝鮮(古代、李朝)・台湾・東南アジア・内陸アジア
[分野:官制]、法制、財政、政治、社会、経済、文化
の中から各自暫定的に自己の分野(もちろん複数でいい)を決める。しかるのち、『回顧と展望』の当該部分を10〜20年分読み、面白そうなやつを集め、3年前期に課題設定し発表する。その上で、面談などしつつ、自分の解題を設定し、いくつか研究発表をする。

乙:60編ほどの課題論文の中から、幾つか自分に合ったものを選び、研究発表する。また、これと平衡して、漢文訓読を行う。実際、2019年度基礎演習で行ったものを、もう少し徹底(調べごとなど)させた形である。
とにかく3年は、前期が終わる夏休み明けに2万字レポートの課題設定なので、それに向けてがんばる。

(b) 4年は2020年2月提出レポートに基づき(基づかずにダイナミックにトピックをかえても可)、卒論題目届けを決定。以後、只管(ひたすら)卒論に向けて研鑽。開催可能なら夏の集中ゼミでの成果発表、11月下旬(予定)の他ゼミとの卒論合同発表会、そして卒論提出である。

(c) 3,4年共通漢文テキストは教員から指定。

*遠隔授業の場合は、基本、担当者がレジメを用意し、オンラインで配り、解説。基本、Webexなどを通じて担当者が発表、を基礎とするが、状況に応じて臨機応変にやる。ゼミのグループLINEは常にチェック。

達成目標/Course objectives
本ゼミの目標は3つである。
①卒論を突破する。
②就活に勝つ。

3年は、4年次になったら順調に卒論に入れるように準備する。4年は、就活時期が過ぎ卒論に集中できるようになったら一気に突っ込めるように就活と並行して材料を溜めておく。

履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
日本語古典・古典文法の基礎。原則、3年次に青木の基礎演習を取っていた者。

基本、Webexを使う方向ですが、実際に開始してLINEの類似の機能も、実験します。臨機応変にやります。ゼミなので、全員顔出しでお願いします(家にいるからといって、画面に出られないような寝間着などの姿でいないこと。授業なんだし)。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 授業体勢の構築/事項説明試験
事前学習/Preparation Webex、LINEのグループでの動画配信など、準備する。極力、PCを使う(発表はスマホだとやりにくい)。
事後学習/Reviewing 復習する。
2
授業計画/Class 授業体勢の構築/「回顧と展望」の探し方。主として3年次向け。この回で時代・分野別の論文の探し方を理解し、連休明けまでに、史学雑誌「回顧と展望」十年分くらいを読んで、文献をコピーしておく。
事前学習/Preparation 所収雑誌などをCiNiiなどで見ておく。
事後学習/Reviewing やりなおし
3
授業計画/Class 「明清代の武挙についてー宗族内における武挙合格者の立場を中心に」 
「倭冠の活動と王直について」 
「『捜紳記』をはじめとする志怪小説と史実について」
「天智四年の遣唐使について」
の再検討
事前学習/Preparation 担当者は読み直してくる。
事後学習/Reviewing 復習する。
4
授業計画/Class 「雍正年間における諸改革について」
「前漢刺史の統属関係をめぐって」 
「媽祖信仰の起源についてー人神説と自然神説をめぐって」
の再検討
事前学習/Preparation 担当者は、自分で読み直してくる。
事後学習/Reviewing 復習する。
5
授業計画/Class 3年生各自が、どの分野でどのような文献を見つけたか、発表。
その際、読んだ文献のコピーを事前に配る。

事前学習/Preparation 反省
事後学習/Reviewing 反省
6
授業計画/Class 4年生、卒論題目の決定。
事前学習/Preparation 「宋代法制史料」などを中心に準備する。
事後学習/Reviewing 復習する。
7
授業計画/Class 担当者A:東アジアの地方行政制度
担当者B:回顧と展望(以下の授業でも2番目の担当者は同様)
事前学習/Preparation Aは省、府、州、県などについて、調べレポートを書く。
Bは回顧と展望から自己の課題について、文献を集めて発表する。
事後学習/Reviewing わかんなかったところをやり直す。
8
授業計画/Class 担当者C:世界の裁判制度
担当者D:回顧と展望
事前学習/Preparation C:知県、判語、判牘、胥吏、訟師についてレポート。

事後学習/Reviewing よくわかんなかったらやり直す。
9
授業計画/Class E:東アジアの法典
A:回顧と展望
事前学習/Preparation E:唐律および宋以前の律、律令格式、敕、明清の律・条例、慶元条法事類、元典章、問刑条例などについてレポート。
事後学習/Reviewing 反省。
10
授業計画/Class B:金末の政治
C:回顧と展望

事前学習/Preparation 金末の政治について、文献を探す。飯山など。
事後学習/Reviewing 復習する
11
授業計画/Class E:回顧と展望
予備:宋代の学校 or 宋元代の泉州の地位と東シナ海貿易


事前学習/Preparation 予備がいる場合は梅村 or 泉州について土肥祐子「南宋中期以降における泉州の海外貿易」『お茶の水史学』を参照し、真徳秀の『真文忠公集』『宋会要』の関連個所を読む。
事後学習/Reviewing 復習する。
12
授業計画/Class 三年生「女子分法論争史」
事前学習/Preparation どういう論争なのか分かりやすく説明する。
事後学習/Reviewing 復習する。
13
授業計画/Class 三年生「前近代東アジアの農村金融」
事前学習/Preparation 宋代を中心に、抵当などについて調べる。法律が中心となる。
事後学習/Reviewing 復習する。
14
授業計画/Class 三年生「13−15世紀華北の地方行政と出土官印」
事前学習/Preparation 考古関係文献を収集し、文字文献を補強する。
事後学習/Reviewing 復習する。
15
授業計画/Class 判語と裁判
事前学習/Preparation 下書き
事後学習/Reviewing やりなおし
授業方法/Method of instruction
通常のゼミ形式
事項レポートを書くときに使うのは、アジ歴、弘文堂、大漢和、平凡社大百科事典、中国歴史大辞典がマスト。漢文を調べるときは角川新字源と大漢和、あとレジメに載せる必要はないが理解のためにGoogleで””付き検索、中央研究院の漢籍電子文献(http://hanji.sinica.edu.tw/)。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 読み、試験、出席率(オンライン/対面)などを勘案して、おおよそA:70%、B:20%、C:10%とする。
参考書/Reference books
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1 大澤正昭著 主張する「愚民」たち 角川書店 1996.9 404822011X 1700円 よまんでもいい 蔵書情報 / Library information
2 青木敦 宋代民事法の世界 慶應義塾大学出版会 2014 よんどけ
メッセージ/Message
なんとか、月曜11時にオンラインで顔合わせしましょう。
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