講義内容詳細:博物館展示論

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年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) 博物館展示論
英文科目名/Course Title (English) Theory for Exhibiton of Museum materials
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 板谷 敏弘
英文氏名/Instructor (English) ITAYA, Toshihiro

講義概要/Course description
博物館や美術館の展示について、その目的や役割を理解しつつ、企画立案から展示の制作、展示室の運営、評価、改善までを時系的に、実地の経験をもとに具体的に講義します。講義そのものはwebexでのリアルタイムとし、必要な教材はCourse Powerにて提示いたします。講義開始はセッティングの関係で、毎回9時10分ごろからとなります。
達成目標/Course objectives
博物館・美術館における展示とはなにか。何のために展示をするのか。学芸員にとって、展示(展覧会)とは何かということを、企画展の開催過程を通じて学んでいただきます。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 博物館展示論ガイダンス
展示とはなにか、展示論とはなにかという、そもそもの話しからします。また、この講義の進め方、評定の仕方についてもお話しします。 
事前学習/Preparation 前期の博物館資料保存論を履修された方は、パラパラでもいいので、前期のレジュメや小テスト解説などに目を通しておいてください。資料の劣化を防ぐことがいかに難しいか、なのになんで展示ということをするのか、考えてみましょう。
事後学習/Reviewing 展示論の入口として大切なところなので、講義内容をよく整理理解しておいてください。
2
授業計画/Class 博物館と美術館
日本の「博物館法」では、一律「博物館」とされていますが、私の経験上「博物館」と「美術館」は全く別物です。一般的な「展示論」ではあまり語られることがないのですが、あえてお話しします。
事前学習/Preparation 前回の「展示とは」を復習しておいてください。
事後学習/Reviewing 話しだけではピンとこないかもしれません。今度みなさんが博物館か美術館に行ったときに、今日の話を思い起こしてください。
3
授業計画/Class 常設展示とは
展示のなかで常設展示についてのお話しをします。常設展示は、学芸員としての基礎を養うとても重要な仕事です。
事前学習/Preparation みなさん自身が常設展示と言われて思い描く博物館や美術館を念頭において聞いてください。
事後学習/Reviewing レジュメをよく見直しておいてください。
4
授業計画/Class 常設展示に関わる演習問題
この後の講義は企画展中心になりますが、常設展示の意味や意義を忘れないよう、演習問題で一緒に学習しましょう。
事前学習/Preparation 前回のレジュメを良く読んでおいてください。
事後学習/Reviewing 常設展示については、ここまでなので、これまでのことを復習してください。
5
授業計画/Class 企画展とは
学芸員の仕事としては「華」といってもいいかもしれない企画展。そもそも企画展とは、というお話しと企画展の出発点になる「企画書」についてお話しします。
事前学習/Preparation みなさん自身が学芸員であるとしたら、是非やってみたい企画展を考えておいてください。これはみなさんに「企画書」を書いてもらうにあたって、どういう企画展をしてみたいかを聞きますので、必ず準備しておいてください。
事後学習/Reviewing レジュメと提示した資料をよく復習しておいてください。
6
授業計画/Class 企画展 展示計画について
企画展の出発点は「企画書」ですが、それができたあと、具体的にどのように仕事を進めていくのかを順をおってお話しします。最初は展示計画についてです。
事前学習/Preparation それぞれが「企画書」の作成を進めてください。
事後学習/Reviewing 「企画書」の作成を進めてください。
7
授業計画/Class 企画展 印刷物
チラシ、ポスター、カタログなど企画展につきものである各種印刷物に作成についてお話しします。
また、このころに「見学レポート」についてのお話をします。
事前学習/Preparation 前回の復習をしておいてください。
事後学習/Reviewing 「企画書」「見学レポート」の作成を進めてください。
8
授業計画/Class 企画展 収支計画について その1
企画展をひとつの興行と考えた場合、当然支出があれば収入もあります。基本的には赤字にならないように収支計画をたてねばなりません。2回にわたって収支計画のお話をします。
事前学習/Preparation これまでの企画展に関するレジュメを復習しておいてください。
事後学習/Reviewing 「企画書」「見学レポート」の作成を進めてください。
9
授業計画/Class 企画展 収支計画について その2
事前学習/Preparation 前回のレジュメをよく読んでおいてください。
またここでいったん「企画書」の第一段階を提出してもらいます。それ自体を評価することはありませんが、よりよい「企画書」にしていくために、適宜アドバイスできればと思います。
事後学習/Reviewing 「企画書」の作成を進めてください。
10
授業計画/Class 企画展 資料の借用について
企画展については、他館からの資料、作品の借用はほぼマストです。資料を借用するということは、学芸員の仕事の中でも結構重要なことなので、そのお話をします。
事前学習/Preparation 前回提出してもらった「企画書」第一段階について、適宜アドバイスを返しますので、参考にしてください。
事後学習/Reviewing アドバイスやコメントを参考に、「企画書」の作成を進めてください。また「見学レポート」も進めてください。
11
授業計画/Class 企画展 運営と評価について その1
企画展は言うまでもなく、開催してからの運営もとても大事です。企画展についてはさまざまな「評価」の問題もありますので、そのお話をします。
事前学習/Preparation 「企画書」「見学レポート」の作成を進めてください。
事後学習/Reviewing 「企画書」「見学レポート」の作成を進めてください。
12
授業計画/Class 企画展 運営と評価について その2
前回の続きです。
事前学習/Preparation 前回のレジュメをそのまま用意しておいてください。
事後学習/Reviewing 「企画書」「見学レポート」の作成を進めてください。
13
授業計画/Class 企画展について
講義全体の内容は前回までのとおりですが、リアルタイム授業なので、たぶん少し遅れます。調整の時間です。
事前学習/Preparation 前回までのレジュメ等を復習してください。
事後学習/Reviewing 「企画書」「見学レポート」の作成を進めてください。
14
授業計画/Class 企画展について
講義全体の内容は前回までのとおりですが、リアルタイム授業なので、たぶん少し遅れます。調整の時間です。
事前学習/Preparation 前回までのレジュメ等を復習してください。
事後学習/Reviewing 「企画書」「見学レポート」の作成を進めてください。
15
授業計画/Class 期末テスト
これまでの学習の成果を問うテストです。記述式になります。
事前学習/Preparation 「企画書」「見学レポート」ともに、このころ提出していただきますので、準備をお願いします。
事後学習/Reviewing 期末テストについては、解答と解説を掲示しますので、よく復習しておいてください。
授業方法/Method of instruction
webexでのリアルタイム講義です。毎週9時10分ごろ開始します。その時の講義に関するレジュメや資料は、それまでにCourse Powerで提示しますので、できればDL、プリントアウトしてから講義に臨んでください。講義はおよそ60分程度で、残りの時間は質疑あるいは課題取り組み、「企画書」や「見学レポート」作成の時間にあてます。
成績評価方法/Evaluation
1 100% 企画書50点、見学レポート20点、期末テスト30点
参考書/Reference books
 コメント
Comments
 
1 青木豊編『人文系 博物館展示論』(2013 雄山閣)
メッセージ/Message
前期で学んだ、資料保存の観点で言えば、資料を劣化させるリスクを負ってまで行う「展示」にはどんな意味があるのか。常設展と企画展、美術系と歴史系の目的等の違いなども交えながら講義いたします。前期は毎回小テストを行いましたが、後期はリアルタイム講義なので、とにかく毎回の講義をよく聞いていただき、「企画書」や「見学レポート」の作成について、有効に時間を使ってください。個別の質問やご意見は、リアルタイム講義中でもよいし、Course Powerでの質問、意見はいつでも受け付けます。