講義内容詳細:GIS入門

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年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) GIS入門
英文科目名/Course Title (English) Introduction to Geographical Information System
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 三條 和博
英文氏名/Instructor (English) SANJO, Kazuhiro

講義概要/Course description
【注意してください! この授業科目はオンライン授業ではありません。青山キャンパスの教室にて対面授業をおこないます。】

 コンピュータ上でデジタルマップや統計データを用いて現実世界を空間的に分析するツールが地理情報システム(GIS)です。GISを用いれば、商業の立地、公共施設の配置、都市環境の水準、人口や農業の分布など、さまざまな対象について高度な空間分析が容易におこなえます。この授業ではGISの基本操作を習得するとともに、空間分析の方法について具体的に学びます。はじめにGISの基本的な概念としくみを説明します。その後、世界で最も広く用いられているGISソフトウェアである「ArcGIS」を使い、地域の空間的特徴を分析する方法について具体的課題を通じて実習していきます。
 実習で使うデータは、インターネット上にフリーで提供されているESRIジャパン社の全国市区町村界データ、国土交通省の国土数値情報ダウンロードサービスによるデータ、統計局ホームページ/政府統計の総合窓口(e-Stat)の国勢調査と経済センサスの小地域統計データ、インターネットタウンページのデータなどです。実習においては受講生自身がこれらを収集し、加工して使用していきます。
達成目標/Course objectives
 この授業ではまずGISの概要と応用事例について学び、どのような利用がなされ、またどのような可能性を有しているかを理解したうえで実習に入ります。実習では基本操作をマスターすることを最初の達成目標とします。次に、公共施設の配置分析および商業の分析などの実習を通じて空間分析の手法について具体的に学びます。ここでは、人口密度の算出と空間表示、最近隣測度の計算、空間検索、バッファ分析、重ね合わせ分析等をArcGIS上で実習し、得られた分析結果について各自で考察できることを達成目標とします。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
【重要】
この授業では、GISソフトとして、ESRIジャパン社の「ArcGIS」(ArcMap)を使用します。授業教室である1131教室(経済学部地理情報システム室)の学生用PCには、あらかじめこのソフトがインストールされています。
青山学院大学情報メディアセンターでは、学生が自分のノートPCでもこのソフトが使用できるように、ソフトの貸し出しをおこなっています。
新型コロナウイルス感染症の状況によっては、授業期間の途中でこの授業を対面授業からオンライン授業に切り替える可能性があります。その場合に備えて、受講を希望する学生は「ArcGIS」(ArcMap)が正常に動作するノートPCを各自で用意し、あらかじめこのソフトをインストールしておいてください。ソフトの借り方やインストールの方法については、各自で情報メディアセンターに確認してください。

また履修にあたっては、Excel、Word、Internet Explorerの基本的な操作方法をマスターしておいてください。

以上を、この授業科目を履修するための条件とします。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class GISの概要と応用事例(GISとGPSの基本原理、社会基盤情報としての可能性)
事前学習/Preparation GISに関する自己の知見について整理しておく。
事後学習/Reviewing 現代社会におけるGISの意義についてまとめておく。
2
授業計画/Class 地図上でのコンビニ配置分析(ボロノイ分割)
事前学習/Preparation 商圏分析の方法について調べておく。
事後学習/Reviewing ボロノイ分割の原理と手法について復習しておく。
3
授業計画/Class GISデータの収集と加工1(インターネットを用いたデータ収集)
事前学習/Preparation 前回授業におけるボロノイ分割の作業を完了させておく。
事後学習/Reviewing ウェブサイトからのGIS用データ収集の技法について復習しておく。
4
授業計画/Class GISデータの収集と加工2(Excelを用いたデータの加工)
事前学習/Preparation 前回授業におけるGISデータの収集を完了させておく。
事後学習/Reviewing Excelを用いたGISデータの加工の技法について復習しておく。
5
授業計画/Class ArcGISの基本操作1(デジタル地図の変換と地図表示、レイヤの編集)
事前学習/Preparation 前回授業における、Excelを用いたGISデータ加工の工程を完了させておく。
事後学習/Reviewing ArcGISを用いた地図の変換と表示、レイヤの編集について、その操作方法を復習しておく。
6
授業計画/Class ArcGISの基本操作2(属性テーブル、属性検索、XYデータ追加)
事前学習/Preparation 前回授業における、ArcGISを用いた地図の変換と表示、およびレイヤの編集の各作業工程を完了させておく。
事後学習/Reviewing ArcGISにおける属性テーブルの表示、属性検索、XYデータ追加の各操作方法について復習しておく。
7
授業計画/Class ArcGISの基本操作3(テーブル結合、フィールド演算)
事前学習/Preparation 前回授業における、属性検索およびXYデータ追加の各処理工程を完了させておく。
事後学習/Reviewing ArcGISにおけるテーブル結合およびフィールド演算の操作手法を復習しておく。
8
授業計画/Class ArcGISの基本操作4(シンボルの表示と変更、マップのレイアウトと出力)
事前学習/Preparation 前回授業における、テーブル結合およびフィールド演算の各処理工程を完了させておく。
事後学習/Reviewing ArcGISにおけるシンボルの表示と変更、およびマップのレイアウトと出力の各操作手法を復習しておく。
9
授業計画/Class ArcGISの基本操作5(ArcToolbox:ディゾルブ、アペンド、バッファ、クリップ、インターセクト)
事前学習/Preparation 前回授業における、シンボルの表示と変更、マップのレイアウトと出力の各処理工程を完了させておく。
事後学習/Reviewing ArcGISのArcToolboxにおけるディゾルブ、アペンド、バッファ、クリップ、インターセクトの各操作手法を復習しておく。
10
授業計画/Class 商業の分析1(GISデータの収集と加工)
事前学習/Preparation 第3回・第4回の授業内容をよく復習しておく。
事後学習/Reviewing 授業で扱ったコンビニエンスストアのデータ収集と加工について、作業を完了しておく。
11
授業計画/Class 商業の分析2(デジタル地図および収集データの表示、ディゾルブ、アペンド)
事前学習/Preparation 第5回~第9回の授業内容をよく復習しておく。
事後学習/Reviewing コンビニエンスストアの収集データの表示、地図のディゾルブ・アペンドについて、各処理作業を完了しておく。
12
授業計画/Class 商業の分析3(人口密度、最近隣測度の計算)
事前学習/Preparation 前回までの処理作業が完了していることを、細部にわたって確認しておく。
事後学習/Reviewing 商業の分析の作業を完了させるとともに、人口密度の算出、最近隣測度の計算の各技法について復習しておく。
13
授業計画/Class 個別課題による空間分析1
事前学習/Preparation ArcGIS上で目的に応じた操作ができるよう、これまでの授業内容全体を復習しておく。また、個別課題での分析テーマおよびその手法について、各自で実行計画を立案しておく。
事後学習/Reviewing 計画に基づき、可能な限り個別課題の作業を進めておく。
14
授業計画/Class 個別課題による空間分析2
事前学習/Preparation 個別課題の作業を進めていく中で、問題点等を整理しておく。
事後学習/Reviewing 個別課題遂行上の問題点を可能な限り授業内で解決し、その後の作業をさらに進めておく。
15
授業計画/Class 個別課題による空間分析3
事前学習/Preparation 個別課題をレポート形式で仕上げるのに必要な準備を整えておく。
事後学習/Reviewing ArcGISの操作を学んだうえでの、GISの可能性と意義についての再確認をしておく。
授業方法/Method of instruction
この授業は実習形式で、すべて経済学部地理情報システム室(1131教室)で実施します。
授業で使用する資料については、そのつど配布します。
成績評価方法/Evaluation
1 100% 授業時の課題に対する提出物の内容で評価します。課題には、テーマごとの課題と、個別課題で作成してもらうレポートがあります。課題の評価の比重は、テーマごとの課題が約4割、個別課題のレポートが約6割です。
参考書/Reference books
 著者名
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タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
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1 ESRI ジャパン ArcGIS Pro 逆引きガイド ESRI ジャパン株式会社 ESRI ジャパン株式会社 のウェブサイトから無償でダウンロードできます。
2 ESRI ジャパン ArcGIS for Desktop 逆引きガイド ESRI ジャパン株式会社 2018
3 高橋重雄 [ほか] 編 事例で学ぶGISと地域分析 古今書院 2005.3 9784772215794 3150円 蔵書情報 / Library information
その他/Others
実習形式の授業ですので、授業参加態度を重視します。遅刻や欠席をすることがないよう十分注意してください。
出席回数が全授業回数の6割に満たない場合は提出課題の評価内容にかかわらず不合格とします。
授業計画はあくまで予定ですので、状況に応じて変更することがあります。 
キーワード/Keywords
レイヤの作成・表示・編集、地図測地系・座標系の変換、属性表の結合、主題図の作成(図形表現図や階級区分図など)、バッファの生成、重ね合わせ分析、道路ネットワーク分析、3次元表現と分析、GPSデータの取得とレイヤ作成