講義内容詳細:ヒューマン・ライツの現場B/憲法特殊講義

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年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) ヒューマン・ライツの現場B/憲法特殊講義
英文科目名/Course Title (English) Human Rights B/Selected Topics in Constitutional Law
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 申 惠手/野中 章弘
英文氏名/Instructor (English) SHIN Hae Bong/NONAKA, Akihiro

講義概要/Course description
人権について学ぶというと、従来の法学部教育では、憲法や法律の規定とその解釈(学説・判例)から入るのが通例だった。それも必要なことだが、そのような方法だけでは、人権の理念や規定が現実にどのような意義をもっているのかが実感しにくい。この授業は、「ヒューマン・ライツの現場A」と並び、ドキュメンタリー映像やゲストスピーカーのお話を通して様々な人権問題の現状をまず知ることから始めようとする試みである。その上で、それらの問題に対して法はどのような役割を果たしうるのかを考えていく。これは、既存の法規定を現実にどのように適用できるのかを考える側面(解釈論)と、既存の法規定が不十分な場合に、どのような法規定が求められているのかを考える側面(立法論)の両方に関連しており、後者も非常に大切である。
なお、扱うテーマや順番はあくまで予定であり、変更がありうる。
達成目標/Course objectives
授業では、ドキュメンタリー映像やゲストスピーカーのお話にふれた上で、補足説明も交えて理解を深めることで、自分がいかにそれらの問題について知らなかったか、あるいは知ろうとしなかったかをまず自覚するはずである。そのようにして実際の人権問題に向き合っていく中で、それらが、自分と同じくかけがえのない人生を生きている人たちの問題だということや、自分も決して無関係ではないことを認識すること、そのような意味での想像力(人権感覚)を養うことがまず一つの目標である。また、それぞれの人権問題に対して、法がどのように関わっているか、法の役割について考えを致し、法律や条例などを作る政治的プロセスをも視野に入れて、法学部でこれから学んでいく上での確かな目的意識を持つことも、重要な目標である。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション
事前学習/Preparation 普段から新聞を複数読み、社会で起きていることについて関心をもつようにする
事後学習/Reviewing オリエンテーションで提示された課題図書リストの中から1冊選んで読み始める
2
授業計画/Class 基地・軍隊と人権(1)【オンデマンドによる映像視聴】
事前学習/Preparation 第1回に同じ
事後学習/Reviewing リアクションペーパーを書いて期日までに提出する
3
授業計画/Class 基地・軍隊と人権(2)コメント・補足【リアルタイム型授業】
事前学習/Preparation 前回授業で興味や疑問をもった点について調べてみる
事後学習/Reviewing ミニレポートを書いて期日までに提出する
4
授業計画/Class 基地・軍隊とミリタリズム(3)【オンデマンドによる映像視聴】
事前学習/Preparation 前回授業で興味や疑問をもった点について調べてみる
事後学習/Reviewing リアクションペーパーを書いて期日までに提出する
5
授業計画/Class 基地・軍隊とミリタリズム(4)コメント・補足【リアルタイム型授業】
事前学習/Preparation 前回授業で興味や疑問をもった点について調べてみる
事後学習/Reviewing ミニレポートを書いて期日までに提出する
6
授業計画/Class 労働者の人権(1)過労死【オンデマンド又はリアルタイムによるゲストスピーカー講話。方式については決まり次第授業で周知する】
事前学習/Preparation 第1回に同じ
事後学習/Reviewing リアクションペーパーを書いて期日までに提出する
7
授業計画/Class 労働者の人権(2)コメント・補足【リアルタイム型授業】
事前学習/Preparation 前回授業で興味や疑問をもった点について調べてみる
事後学習/Reviewing ミニレポートを書いて期日までに提出する
8
授業計画/Class 労働者の人権(3)【オンデマンドによる映像視聴】
事前学習/Preparation 前回授業で興味や疑問をもった点について調べてみる
事後学習/Reviewing リアクションペーパーを書いて期日までに提出する
9
授業計画/Class 労働者の人権(4)コメント・補足【リアルタイム型授業】
事前学習/Preparation 前回授業で興味や疑問をもった点について調べてみる
事後学習/Reviewing ミニレポートを書いて期日までに提出する
10
授業計画/Class 性暴力と法(1)【オンデマンドによる映像視聴】
事前学習/Preparation 第1回に同じ
事後学習/Reviewing リアクションペーパーを書いて期日までに提出する
11
授業計画/Class 性暴力と法(2)コメント・補足【リアルタイム型授業】
事前学習/Preparation 前回授業で興味や疑問をもった点について調べてみる
事後学習/Reviewing 小レポートを書いて期日までに提出する
12
授業計画/Class 原発・原発事故と人間(1)【オンデマンドによる映像視聴】
事前学習/Preparation 第1回に同じ
事後学習/Reviewing リアクションペーパーを書いて期日までに提出する
13
授業計画/Class 原発・原発事故と人間(2)コメント・補足【リアルタイム型授業】
事前学習/Preparation 前回授業で興味や疑問をもった点について調べてみる
事後学習/Reviewing ミニレポートを書いて期日までに提出する
14
授業計画/Class 原発・原発事故と人間(3)【オンデマンドによる映像視聴】
事前学習/Preparation 前回授業で興味や疑問をもった点について調べてみる
事後学習/Reviewing リアクションペーパーを書き、期日までに提出する
15
授業計画/Class 全体のまとめ
事前学習/Preparation 最終週が課題図書レポート提出最終日なので、出してない人は準備をする
事後学習/Reviewing この授業で学んだ視点を、今後の勉強の中で意識して活かしていく
授業方法/Method of instruction
担当者のうち1名は国際人権法を専門とする教員(申)、1名は世界各地の戦場を含む現場の取材を続けてきたジャーナリスト(野中)である。毎回、この2名が共に授業を担当する。
授業は、一つのテーマにつき、1回目はドキュメンタリー映像視聴(又はゲストスピーカーのお話)➔2回目は教員からのコメントや文献による補足という流れで、原則として2回の授業をあてる形で進行させる(関連のテーマで2回ずつ、計4回の授業をあてる場合もある)。

1回目の授業では、映像の場合は、リアルタイムで視聴すると各自の通信環境により問題が生じうるため、CoursePower上に掲載されているリンクから、オンデマンド方式で各自、授業週の間(その週の月曜~土曜)に視聴する。視聴後には、映像を視聴した感想や自分が考えたことについてのリアクションペーパーを、CoursePowerの「レポート」機能を用いて、直接入力方式で提出する(その週の土曜まで)。
ゲストスピーカーのお話の場合は、ゲストの都合にもより、オンデマンド方式とするかリアルタイム方式とするか、事前に授業で周知する。

2回目の授業では、リアクションペーパーで出された内容を担当教員が紹介して教員からのコメントを述べるとともに、新聞記事などの補足資料で解説を行う。2回目のコメント・補足解説の授業はWebexを用いたリアルタイム方式で行い、毎回共通のリンクをCoursePower上に掲載しておくので各自アクセスする。授業中には、随時、チャット機能を使って受講生からの意見や質問にも応答する。2回目の授業の終了後は、授業を通じて考えたことについてのミニレポートを、CoursePowerの「レポート」機能を用いて、直接入力方式で提出する(その週の土曜まで)。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 80% リアクションペーパー及びミニレポートの形で提出された文章から、テーマに対して本人が真摯に向き合ったことがどれだけ示されているかによって評価する。リアクションペーパーは、映像視聴又はお話を聞いた後の感想・考えを記したものでよいが、2回目の授業後のミニレポートは、授業で用いた参考資料も読み、さらに自分の考えを深めた上でのものであることが期待されている。
2 レポート Report 20% 授業でカバーできる人権問題には限りがあること、及び授業で観る映像資料等だけでは問題の背景や現状について知り考えるには不十分であることに鑑み、オリエンテーション時に配布する「参考文献リスト」の中から1冊を選び、それを読んだ上で自分の考えをまとめたものをレポートとして提出することを課す(枚数等の詳細についてはオリエンテーション時に説明する)。提出締め切りは最終授業週の土曜である。このレポートも成績評価の対象とし、上記の平常点を合わせた成績で総合的に評価を行う。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 教科書は特に使用しない。
その他/Others
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