講義内容詳細:法曹演習E/法学特別演習(商事法)

戻る
年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) 法曹演習E/法学特別演習(商事法)
英文科目名/Course Title (English) Seminar on the Legal Profession E/Special Seminar (Commercial Law)
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 浜辺 陽一郎
英文氏名/Instructor (English) HAMABE, Youichirou

講義概要/Course description
現実に起きた会社法をめぐる事件を題材にした作品や文献を素材として、、企業社会の実態を知り、それをベースに会社法に関する問題意識を醸成し、現代社会における市場や企業社会における様々な問題に対する見方を養う。具体的には、担当グループごとに準備してきてもらい、担当文献についてその内容をレポートしたうえで問題点を分析・整理したプレゼンテーションしてもらい、それに関する教員の解説を踏まえて議論していく。なお、この講座は、指定時間にリアルタイムでのオンライン授業によって行う。
達成目標/Course objectives
様々な事例を通して企業社会の諸問題を考察し、会社法を学んでいくための問題関心を深めていく。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
入学年度によって履修条件が異なりますので、自身の入学した年度の授業要覧を確認してください。なお、ビジネス法入門、及び商法A(会社法)を履修済みであることが望ましい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 今期とりあげる文献について講義、説明し、その担当者グループを割り当てる。
事前学習/Preparation 特になし。
事後学習/Reviewing 担当した文献から、読みはじめる。
2
授業計画/Class 株主総会をめぐる作品として、城山三郎「総会屋錦城」をとりあげ、総会屋対策に関する規制を学習する。
事前学習/Preparation 上記小説を読む。
事後学習/Reviewing 関連する判例を復習する。
3
授業計画/Class 「金融腐敗=呪縛の検証 会長はなぜ自殺したか」(読売新聞社社会部) 新潮社
を題材に、取締役の義務と責任、会社法上のガバナンス問題を考える。
事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
4
授業計画/Class 河村貢「解任―三越顧問弁護士の証言」(講談社1985年)を読んで、取締役会と代表取締役の関係について学習する。
事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
5
授業計画/Class 今年は、牛島信「株主総会」(幻冬舎)でやります。本来は、松島庸「追われ者」(東洋経済新報社)を読んで、上場企業社長の追放劇や新興企業におけるガバナンスの問題について学びたかったのですが、入手が難しいということで、私が貸すということもやりにくいので、入手しやすい文献に差し替えます。
事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
6
授業計画/Class 井口俊英「告白」(文春文庫)を読んで、大和銀行事件について学ぶ。
事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
7
授業計画/Class 箭内昇「元役員が見た長銀破綻」(文芸春秋)を読んで、長銀の粉飾事件をめぐるガバナンスの問題などについて学ぶ。
事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
8
授業計画/Class 北澤千秋「誰が会社を潰したか 山一首脳の罪と罰」(日経BP者)を読んで、山一證券の自主廃業の事件を巡る諸問題を検討する。
事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
9
授業計画/Class 牛島信「買収者」(幻冬舎)を読んで、敵対的M&Aやファイナンスの問題について学習する。この作品はフィクションであるので、現実にモデルとなった事件は存在しないが、弁護士が描いた会社法の問題や実務的な問題を学ぶことができるので、その関連諸問題を学ぶ。
事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
10
授業計画/Class 有森隆著「社長解任 権力抗争の内幕」(さくら舎)の第1章から第7章を読んで、企業のガバナンスの問題について学習する。
事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
11
授業計画/Class 今沢真著「東芝不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)と、有森隆著「社長解任 権力抗争の内幕」(さくら舎)の第10章などを読んで、東芝事件で何があったのか、ガバナンスの問題や、M&Aをめぐる諸問題について学習する。

事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
12
授業計画/Class 田中慎一「ライブドア監査人の告白」(ダイヤモンド社)やNIkaiou.com編「ライブドアとの闘いの日々」(文苑堂)などを読んで、ライブドア事件について学ぶ。
事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
13
授業計画/Class 山口義正著「サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件」(講談社)を読んで、取締役と監査役、M&Aを使った粉飾決算の問題について学習する。
事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
14
授業計画/Class 日本経済新聞社編「UFJ三菱東京統合ースーパーメガバンク誕生の舞台裏」(日本経済新聞社)を読んで、M&Aに関する諸問題について学習する。
事前学習/Preparation 上記文献を読んでくる。
事後学習/Reviewing 関連判例を学習する。
15
授業計画/Class 今期において学習したものに関して、どういったことを学んだかを振り返って、座談会を行う。
事前学習/Preparation 今期取り扱った文献全体を概観してくる。
事後学習/Reviewing 今季学習した判例を復習する。
授業方法/Method of instruction
担当グループごとに準備してきてもらい、担当文献についてその内容をレポートしたうえで問題点を分析・整理したプレゼンテーションしてもらい、それについて教員が解説し、疑問点を解消しながら議論を展開していく。なお、担当でない参加学生は、必ずしもすべての文献を読む必要はない。


成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 平常点で評価する。
教科書/Textbooks
 
1
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
 
1 岩原紳作ら編 会社法判例百選(第3版) 有斐閣 2016年
メッセージ/Message
企業社会の現実、実態を知ることから始めて、会社法がどのように使われているかといった社会の実相を学びながら、どのようにキャリアを作っていくかを考えましょう。