講義内容詳細:ヒューマン・ライツの現場A/地域社会と法Ⅱ

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年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) ヒューマン・ライツの現場A/地域社会と法Ⅱ
英文科目名/Course Title (English) Human Rights A/Community and Law Ⅱ
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 大石 泰彦/野中 章弘
英文氏名/Instructor (English) OISHI, Yasuhiko/NONAKA, Akihiro

講義概要/Course description
1)「ヒューマン・ライツ」を学ぶことは、これまで学生諸君がなじんできた「勉強」とは全く異なっている。それは、単語や用語を暗記したり、参考書や問題集を一冊あげたりするようなものではない。頭でっかちにならず、まずは「現場」を見つめること、そして、それを他人事として簡単に割り切ったり、安易に理論化したりしないことが必要になる。
2)ここで展開されるのは、高校までのいわゆる「人権学習」「平和学習」の延長線上にある啓発的な授業ではない。そこには簡単な「答え」はない(「答え」は大学4年間の学びの中で探究してほしい)。そんな学びに関心を持つ学生諸君の受講を期待する。
達成目標/Course objectives
法学部はもちろん「法」を学ぶ場所であるが、そこは同時に「ヒューマン・ライツ」を学ぶ場所でもある。両者は表裏一体のものである。この講義の目標は、法学部4年間のヒューマン・ライツ学習の基盤を形成することである。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
「ヒューマン・ライツコース」に所属する学生は、必ずこの授業を履修しなければならない。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス
事前学習/Preparation 配信されたプリントを読んでおく
事後学習/Reviewing ガイダンスの内容を確認しておく(特に「授業の進行」と「感想・意見・質問」の作成・提出の仕方に留意する)
2
授業計画/Class 孤立に向き合う(映像視聴)
事前学習/Preparation 「孤独死(孤立死)」について調べる
事後学習/Reviewing 映像に対する感想・意見・質問を提出する
3
授業計画/Class 孤立に向き合う(レクチャー&質疑応答)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、考える
事後学習/Reviewing レクチャーに対する感想・意見・質問を提出する
4
授業計画/Class 孤立に向き合う(ディスカッション)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、ディスカッションに備える
事後学習/Reviewing 「孤独死(孤立死)」に社会はどう向き合うべきか、もう一度考えてみる
5
授業計画/Class 戦争を知っているか(映像視聴)
事前学習/Preparation 「イラク戦争」について調べる
事後学習/Reviewing 映像に対する感想・意見・質問を提出する
6
授業計画/Class 戦争を知っているか(レクチャー&質疑応答)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、考える
事後学習/Reviewing レクチャーに対する感想・意見・質問を提出する
7
授業計画/Class 戦争を知っているか(ディスカッション)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、ディスカッションに備える
事後学習/Reviewing 世界が、日本が、私たちが「戦争」にどう向き合うべきか、もう一度考えてみる
8
授業計画/Class 汚された大地に立つ(映像視聴)
事前学習/Preparation 「ベトナム戦争」「枯葉剤」について調べる
事後学習/Reviewing 映像に対する感想・意見・質問を提出する
9
授業計画/Class 汚された大地に立つ(レクチャー&質疑応答)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、考える
事後学習/Reviewing レクチャーに対する感想・意見・質問を提出する
10
授業計画/Class 汚された大地に立つ(ディスカッション)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、ディスカッションに備える
事後学習/Reviewing 私たちの環境と生命の破壊が何によってもたらされているか、そして、私たちはそれにどう向き合うべきか、もう一度考えてみる
11
授業計画/Class 人間の誇りをかけて(映像視聴)
事前学習/Preparation 「シリア」「IS」について調べる
事後学習/Reviewing 映像に対する感想・意見・質問を提出する
12
授業計画/Class 人間の誇りをかけて(レクチャー&質疑応答)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、考える
事後学習/Reviewing レクチャーに対する感想・意見・質問を提出
13
授業計画/Class 人間の誇りをかけて(ディスカッション)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、ディスカッションに備える
事後学習/Reviewing 国内・国外の「自由の抑圧」に私たちはどう向き合うべきか、もう一度考えてみる
14
授業計画/Class 貧困を見つめる(映像視聴)
事前学習/Preparation 「フィリピン」「構造的暴力」について調べる
事後学習/Reviewing 映像に対する感想・意見・質問を提出
15
授業計画/Class 貧困を見つめる(レクチャー&質疑応答)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、考える
事後学習/Reviewing 授業全体に対する感想・意見・評価を提出する
授業方法/Method of instruction
1)担当者のうち1名は「人権」を研究テーマとする大学教員、1名は日本とアジアの社会と人間の現実をテーマに取材を続けるインディペンデントのジャーナリストである。
2)授業は原則として3回をワンセットにして、すなわち、ひとつのテーマに270分の時間をかけて行われる。各セットは、次のように進む。最終テーマのみ、第3回の部分がなく、またその第2回目(第15回)の課題は、授業全体に対する感想・意見・評価(ヒューマン・ライツの現場Aを終えて)になる。
第1回:簡単なイントロダクション(約10分)のあと、ヒューマン・ライツにかかわる映像を視聴。授業の3日後(金曜日)までに、映像に対する感想・意見・質問をコースパワーで提出
第2回:寄せられた感想等をふまえて、担当者がレクチャーを行う(レジュメ・資料を配信・提示する。追加映像を視聴する場合もある)。授業の3日後(金曜日)までに、レクチャーに対する感想・意見・質問をコースパワーで提出
第3回:寄せられた感想・意見・質問をもとに、ディスカッション
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 90% 1テーマで2回、感想・意見・質問を提出してもらう。1つが8点満点(最後の感想・意見・評価のみ18点満点)
2 平常点 In-class Points 10% 授業での発言等の積極性を評価する
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 以上に記したような授業であるので、教科書を指定することはない。本でもよい、ドキュメンタリー映像でもよい、自ら「現場」を知り、発見する努力をしてほしい。ただし、担当者やゲストが書籍や映像作品を紹介することもある。
メッセージ/Message
毎回、出席することが原則。特に映像を視聴できないと「3回分」の授業が無駄になる。
その他/Others
1)ヒューマン・ライツの学びは、この授業ののち、「ヒューマン・ライツの現場B」「人権調査論」「人権法特論A~D」「国際人権法」「環境法A・B」「言論法A・B」をはじめとするさまざまな授業に連結されていく。この講義は、その出発点である。
2)この授業は、「ヒューマン・ライツ問題を主に文献を通して研究してきた教員」と「ジャーナリストとして現場を踏むことからヒューマン・ライツ問題にアプローチしてきた教員(実務経験のある教員)」の双方が担当者となることで、学生が複眼的・主体的に社会問題を考えていくことができるようになることを一つの狙いとしている。
キーワード/Keywords
ヒューマン・ライツ     人権     自由     差別     戦争     孤立     貧困     環境     ジャーナリズム     実務経験