講義内容詳細:人権法特論B

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年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) 人権法特論B
英文科目名/Course Title (English) Topics in Human Rights Law B
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 森本 麻衣子
英文氏名/Instructor (English) MORIMOTO, Maiko

講義概要/Course description
【オンライン授業はWebexによるリアルタイム授業、Course Powerを通じた自習を組み合わせて実施します。受講人数や受講者の希望によってはZoomを使ったディスカッションの実施も検討します。】

「貧困と人権」を副題とする本講義は、現代社会の経済格差から生じる問題を「人権(human rights)」の概念や実践、その可能性や限界との接点においてみていきます。大きく四つのテーマ(「授業計画」欄参照)を設定し、それぞれのテーマについて、まずは映像作品や報道資料などを通じてできるだけ当事者の目線で現状を捉えることを目指します。そのうえで、様々なかたちの貧困現象の構造的背景について文献資料を読んで考察するとともに、法や社会制度を通じた救済や格差是正のありかたについても議論していきましょう。中間・期末レポートに加えて、後半では、「貧困と人権」というテーマに関連して、受講者が興味をもったトピックについてリサーチして発表する機会(希望に応じて個人/グループで実施)も設けます。主体的に考え参加する意志のある方の受講をお待ちしています。

文献資料は適宜配布しますが、それとは別に毎回少しずつ読んでいく副読本(「教科書」欄参照)も指定します。貧困や格差を生み出す資本主義社会の構造そのものを各自が考えていく端緒とすることを企図して選びました。毎回の予習課題とし、講義での議論にも組み込んでいきます。
達成目標/Course objectives
1)貧困のリアル/現場の一端を知る。あるいは、今まで知っていると思っていたことを見直す。
2)貧困の現状を構造的に考えることで、貧困を「社会の」(そしてまた翻って「自分自身の」)問題として捉える知的訓練を積む。
3)貧困の現状に対して、「人権(human rights)」の概念やそれに関わる法・社会実践のもつ可能性や限界について考え、必要に応じて調べる姿勢を涵養する。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
「ヒューマン・ライツの現場A・B」を受講していることが望ましいですが、真摯に課題と取り組む姿勢があればこれまでの履修状況は問いません。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション
事前学習/Preparation 副読本(「教科書」欄参照)を手に入れる。
事後学習/Reviewing 副読本を読み始める。
2
授業計画/Class (テーマ1)「野宿者」から「ネットカフェ難民」へ 労働市場の構造変化-1
事前学習/Preparation 副読本のはじめにと第1講(pp. 1-29)を読む。テーマ1予習文献(コースパワーにアップ)を読み始める。
事後学習/Reviewing 映像資料の感想を提出する。
3
授業計画/Class (テーマ1)「野宿者」から「ネットカフェ難民」へ 労働市場の構造変化-2
事前学習/Preparation 副読本第2講・第3講(pp. 30-61)を読む。テーマ1の予習課題文献を読み終える。
事後学習/Reviewing テーマ1について講義ノートなどをもとに自分の考えを整理する。
4
授業計画/Class (テーマ2)ワーキングプアー1
事前学習/Preparation 副読本第4講・第5講(pp. 62-91)を読む。テーマ2の予習課題文献(コースパワーにアップ)を読み始める。
事後学習/Reviewing 映像資料の感想を提出する。
5
授業計画/Class (テーマ2)ワーキングプアー2
事前学習/Preparation 副読本第6講・第7講(pp. 92-127)を読む。テーマ2の予習課題文献を読み終える。
事後学習/Reviewing テーマ2について講義ノートなどをもとに自分の考えを整理する。
6
授業計画/Class テーマ1・2総括
事前学習/Preparation 中間レポート(プロンプトは事前発表)の準備を始める
事後学習/Reviewing 中間レポート作成
7
授業計画/Class (テーマ3)グローバル資本主義と世界の貧困1
事前学習/Preparation 副読本第8講・第9講(pp. 128-161)を読む。テーマ3の予習課題文献(コースパワーにアップ)を読み始める。
事後学習/Reviewing 映像資料の感想を提出する。
8
授業計画/Class (テーマ3)グローバル資本主義と世界の貧困2
事前学習/Preparation 副読本第10講(pp. 162-187)を読む。テーマ3の予習課題文献(コースパワーにアップ)を読み始める。
事後学習/Reviewing テーマ3について講義ノートなどをもとに自分の考えを整理する。
9
授業計画/Class レポート講評とグループプレゼンテーション準備作業(テーマ決めなど)
事前学習/Preparation 副読本第11講(pp. 188-221)を読む。リサーチ・プロジェクトに向けて興味のあるトピックについて下調べをする。
事後学習/Reviewing リサーチ・プロジェクトの作業を始める。
10
授業計画/Class (テーマ4) 子どもと貧困1
事前学習/Preparation 副読本第12講・第13講義(pp. 222-259)を読む。テーマ4の予習課題文献(コースパワーにアップ)を読み始める。
事後学習/Reviewing 映像資料の感想を提出する。
11
授業計画/Class (テーマ4)子どもと貧困2
事前学習/Preparation 副読本第14講から終わりまで(pp. 260-290)読む。
事後学習/Reviewing テーマ4について講義ノートなどをもとに自分の考えを整理する。
12
授業計画/Class テーマ3・4の総括、副読本の総括
事前学習/Preparation これまでの総復習
事後学習/Reviewing 期末レポート作成開始、リサーチプロジェクト作業を続ける
13
授業計画/Class リサーチ・プレゼンテーション
事前学習/Preparation リサーチプロジェクト作業
事後学習/Reviewing 感想を提出する。
14
授業計画/Class リサーチ・プレゼンテーション(予備日)
事前学習/Preparation リサーチプロジェクト作業
事後学習/Reviewing 感想を提出する。
15
授業計画/Class 総括・講評
事前学習/Preparation 期末レポート作成
事後学習/Reviewing 講義全体の感想を提出する。
授業方法/Method of instruction
暗記すべき知識を与えたり、問題に対する解法を教えたりする授業ではありません。授業内外で文献や映像・報道資料に取り組んでもらって、そこから考えたことを講師のガイダンスのもとで互いに報告しあい、議論するという形式をとります。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 40% 感想提出やリサーチ発表などを通じたクラスへの貢献
2 レポート Report 60% 講師からのプロンプト(レポートの方向性について簡単な示唆を与えるためのオープンエンドの質問)に答えるかたちで、講義内容・文献資料をふまえた中間/期末レポートを作成・提出
教科書/Textbooks
 著者名
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タイトル
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出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
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1 白井聡 武器としての「資本論」 東洋経済新報社 2020.4 9784492212417 1600 副読本です。
その他/Others
コースパワーを通じて課題等の連絡をしますので、お知らせを受け取れるようにしておいてください。
また履修者数や習熟度に応じて、課題内容や進め方を見直す場合があります。経済的な事情などで副読本を手に入れることが難しい場合、その他の質問はメールで個人的に相談してください。
キーワード/Keywords
貧困     人権     格差     途上国     ドキュメンタリー