講義内容詳細：韓国文化論

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年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) 韓国文化論
英文科目名/Course Title (English) Korean Studies
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 洪 ﾕﾝ伸
英文氏名/Instructor (English) HONG, Yunshin

講義概要/Course description
本講座では映画をテキストに、韓国社会をより深く理解するための基礎知識を学ぶことを目的とする。文化的な面では、ドラマ、映画、ポップスなどがもたらした「韓琉」ブームの影響で、日韓関係は想像以上に近づいているように見える。しかし、一方では、「嫌韓流」のような日本社会の排外主義も生まれ、ヘイトスピーチの言説の中には、依然としてアジア太平洋戦争を見る歴史的な観点が問われるような状況が現出している。「韓流」と「嫌韓流」、これらの相反する動きは、何故、起きているのだろうか。本講座の出発はこの問いから始めたい。文化をより深く理解するためには、歴史を「知る」ということが大切である。本講座では、映画という若い世代が最も親しみやすい媒体を「テキスト」に、韓国社会をより深く理解するための基礎知識を学ぶ。日韓関係における「負」の歴史のイメージだけでなく、両社会が抱えている政治、社会、文化などがどのように「深く結びついているのか」、様々な視点から考えていきたい。
達成目標/Course objectives
〔歴史・人物編〕と〔文化論〕に分け講義形式の講義と議論中心の講義を並行して行う。[歴史編]においては、主に、韓国における歴代大統領の「人物論」を中心に講義形式の授業を行う。それにより政権ごとの特徴をイメージ化でき、韓国の近現代史の流れをより具体的に理解することに努める。特に、今学期は、それぞれの韓国の歴代政権が、日韓の歴史的な問題にどのように向き合ったのかを中心テーマとしたい。また、説明した内容を反映した映画・ドキュメンタリーを選定、鑑賞する。[文化編]では、歴史編で扱った時代と日本との関係性を考えるテーマを設定し、受講者との議論中心の講義を行う。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション（韓国を理解するためのキーワード）アンケート
事前学習/Preparation 韓国文化論を受講する理由について
事後学習/Reviewing アンケート
2
授業計画/Class 〔歴史・人物編〕
独立運動家から独裁者へ、李承晩時代の「戦後」（1950年代～1960年代）
事前学習/Preparation 李承晩大統領について
事後学習/Reviewing 授業中に配布
3
授業計画/Class 朴正熙時代における、「見える日韓関係」、「見えない日韓関係」（1970年代）
事前学習/Preparation 朴正熙時代の経済発展について
事後学習/Reviewing 授業中に配布
4
授業計画/Class 経済成長期における韓国社会の光と影
事前学習/Preparation 朴正熙時代の民主化運動について
事後学習/Reviewing 授業中に配布
5
授業計画/Class 386世代監督の描いた韓国の民主主義（1980年代）
事前学習/Preparation 関連映画背景調査
事後学習/Reviewing 授業中に配布
6
授業計画/Class 「普通の人の時代」盧泰愚と88ソウルオリンピック
事前学習/Preparation 盧泰愚政権と軍隊について
事後学習/Reviewing 授業中に配布
7
授業計画/Class ドキュメンタリー韓国社会の女性の地位の変容（1990年代）
事前学習/Preparation 韓国社会の「女性」人権関連法律
事後学習/Reviewing 授業中に配布
8
授業計画/Class YSとDJの時代における「韓流」
事前学習/Preparation 「韓流」の背景
事後学習/Reviewing 授業中に配布
9
授業計画/Class 盧武鉉大統領の「死」後の韓国社会－初めての女性大統領の時代の誕生と消滅
事前学習/Preparation 韓国の大統領制度の特徴について（制度上の特徴を中心に）
事後学習/Reviewing 授業中に配布
10
授業計画/Class 〔文化編〕
韓国の大学生活と日本の大学生活の比較－徴兵制を中心に
事前学習/Preparation 韓国の徴兵制に関する配布資料
事後学習/Reviewing 授業中に配布
11
授業計画/Class 日本の中の「朝鮮」－帰った人々、帰れない人々、日本に戻った人々の町
事前学習/Preparation 配布資料の課題調査
事後学習/Reviewing 授業中に配布
12
授業計画/Class マイノリティー文化　386世代監督の登場
事前学習/Preparation ３８６世代とは何かについての調査
事後学習/Reviewing 授業中に配布
13
授業計画/Class 大学と一般社会の壁の崩壊―韓国における「広場」文化と蝋燭デモ
事前学習/Preparation 日本と異なる韓国の大学文化の特徴について考えてくること
事後学習/Reviewing 授業中に配布
14
授業計画/Class 総合討論　（レポート提出・質問・授業に関する感想収集）
事前学習/Preparation レポートのテーマについての議論準備
事後学習/Reviewing レポート作成
15
授業計画/Class 日韓関係の新たな展望について。
事前学習/Preparation 今学期の感想文
事後学習/Reviewing 全体復習
授業方法/Method of instruction
映像に対す歴史学的なアプローチを試みるためには、文献を事前に読んでくることが要求される。講義に関する感想を書いたノート（割り当てられた文献に触れて書くこと）を提出してもらう。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 40%
2 レポート Report 60%
教科書/Textbooks
 著者名
Author		コメント
Comments
1 特になし 授業のときに参考文献を配布。
参考書/Reference books
 著者名
Author		タイトル
Title		出版社
Publisher		出版年
Published year		 
1 李泳采 『韓流がつたえる現代韓国』 梨の木舎 2010年
2 日韓「女性」共同歴史教材編集委員会編 『ジェンダー視点からみる日韓近現代史』 梨の木舎 2005年
3 洪玧伸 『沖縄戦場の記憶と「慰安所」』 インパクト 2016年
メッセージ/Message
映像に対す歴史学的なアプローチを試みるためには、文献を事前に読んでくることが要求される。毎回の事後学習として割り当てられた文献に触れて感想文を書く課題が与えられる。