講義内容詳細:国際開発政策

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年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) 国際開発政策
英文科目名/Course Title (English) International Development Policy
学期/Semester 夏休集中 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 藤掛 洋子/武田 淳/河内 久実子/小谷 博光
英文氏名/Instructor (English) FUJIKAKE, Youko/TAKEDA, Jun/KAWACHI, Kumiko/ODANI, Hiromitsu

講義概要/Course description
 グローバリゼーションが深化する中、発展途上国・新興国の人々を取り巻く環境は劇的な変化を遂げつつある。講義では、国連成立以降の国際開発政策/国際援助政策について歴史的経緯を踏まえて概観する。はじめに、第二次世界大戦以降、国際連合がどのような経済開発・社会開発・人間開発を行ってきたのか、国連の条約、多国間・二国間援助の枠組みや国際社会の動向の中から学ぶ。続いて、1980年代以降の潮流となった「持続可能な開発」に基づく政策が、援助を受け入れる現場にどのような課題が残してきたのかについて、自然環境保全プロジェクトを事例に解説する。さらに、1990年代以降に深化してきたグローバリゼーションや新自由主義を背景として起きた、貧困削減支援の多様化を取り上げる。ジェンダーや先住民、農業支援などの切り口から、農村開発の現場分析を行う。最後に、MDGsおよびSDGsなど2000年以降の開発目標を概説しながら、目標達成のために欠かせないとされるBOPビジネスや社会的企業、連帯経済など、ビジネスの視点を取り入れた支援のトレンドを考察する。
 なお、本講義は、単にマクロな政策を扱うだけでなく、各講師が長年実施してきたフィールドワークをもとに現場の視点から国際開発(国際協力)のあり方を探るものである。従って、青年海外協力隊などに代表される国際協力の担い手に関する分析や、現場で実践されている住民開発プロジェクトの立案手法および評価手法などにも言及する。
達成目標/Course objectives
 国際開発もしくは国際協力について、マクロな政策と現場レベルのミクロな実践を同時並行して学習する。マクロな政策に関しては、時代ごとの国際社会の問題点を押さえながら、軌道修正を繰り返してきた国際開発政策の歴史を理解することを目標とする。現場レベルの実践に関しては、ジェンダー、農村開発、農業支援、貧困削減、環境保全、観光開発、国際協力のアクターなど、事例として登場する各分野の潮流と課題を理解することを目標とする。なお、本授業は、国際開発の分野における人材の育成を目指すものである。そこで、実際の現場で使用されている住民参加型開発プロジェクトの立案方法および評価方法を理解し使用できるようになることを最終目標とする。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特になし。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロダクション―国際協力に必要な視点とは(武田)
事前学習/Preparation シラバスに目を通す。
事後学習/Reviewing 指定されたテーマについてコメントペーパーを作成する。
2
授業計画/Class 国際協力の歴史(武田)
事前学習/Preparation 集中講義(4コマ連続)につき、第1回目を参照。
事後学習/Reviewing 集中講義(4コマ連続)につき、第1回目を参照。
3
授業計画/Class SDGs時代の「環境と開発」①―文化を活かして環境を守る(武田)
事前学習/Preparation 集中講義(4コマ連続)につき、第1回目を参照。
事後学習/Reviewing 集中講義(4コマ連続)につき、第1回目を参照。
4
授業計画/Class SDGs時代の「環境と開発」②―市場メカニズムを活用した自然の守り方(武田)
事前学習/Preparation 集中講義(4コマ連続)につき、第1回目を参照。
事後学習/Reviewing 集中講義(4コマ連続)につき、第1回目を参照。
5
授業計画/Class 農村女性のエンパワーメントとジェンダー構造の変容(藤掛)
事前学習/Preparation 事前に配布した資料に目を通す。
事後学習/Reviewing 指定されたテーマについてコメントペーパーを作成する。
6
授業計画/Class 草の根技術協力事業から考える農村開発:六次産業からアグリツーリズムへ(藤掛)
事前学習/Preparation 集中講義(4コマ連続)につき、第5回目を参照。
事後学習/Reviewing 集中講義(4コマ連続)につき、第5回目を参照。
7
授業計画/Class パラグアイのスラム開発とNGOの可能性(藤掛)
事前学習/Preparation 集中講義(4コマ連続)につき、第5回目を参照。
事後学習/Reviewing 集中講義(4コマ連続)につき、第5回目を参照。
8
授業計画/Class 国際協力と「感情」―外部者のかかわりとコミュニティの再統合(藤掛)
事前学習/Preparation 集中講義(4コマ連続)につき、第5回目を参照。
事後学習/Reviewing 集中講義(4コマ連続)につき、第5回目を参照。
9
授業計画/Class 援助を巡る視点―中南米における先住民コミュニティの現状と課題(河内)
事前学習/Preparation 事前に配布した資料に目を通す。
事後学習/Reviewing 指定されたテーマについてコメントペーパーを作成する。
10
授業計画/Class 国際協力の「担い手」の変容と実際―青年海外協力隊と米国平和部隊を中心に(河内)
事前学習/Preparation 集中講義(2コマ連続)につき、第9回目を参照。
事後学習/Reviewing 集中講義(2コマ連続)につき、第9回目を参照。
11
授業計画/Class 国際協力と安全管理(河内)
事前学習/Preparation 事前に配布した資料に目を通す。
事後学習/Reviewing 指定されたテーマについてコメントペーパーを作成する
12
授業計画/Class 国際協力の現状と課題を考えるアクティブラーニング(河内)
事前学習/Preparation 集中講義(2コマ連続)につき、第11回目を参照。
事後学習/Reviewing 集中講義(2コマ連続)につき、第11回目を参照。
13
授業計画/Class 医療・保健衛生分野が抱える政策的課題と実際(小谷)
事前学習/Preparation 事前に配布した資料に目を通す。
事後学習/Reviewing 指定されたテーマについてコメントペーパーを作成する。
14
授業計画/Class 国際的な合意が開発途上国の開発政策に与える影響―パラグアイの農業普及事業(小谷)
事前学習/Preparation 集中講義(3コマ連続)につき、第13回目を参照。
事後学習/Reviewing 集中講義(3コマ連続)につき、第13回目を参照。
15
授業計画/Class タンザニアとイエメンの事例からみるジェンダー主流化の課題(小谷)
事前学習/Preparation 集中講義(3コマ連続)につき、第13回目を参照。
事後学習/Reviewing 期末レポートを作成する。
授業方法/Method of instruction
本授業は4人の教員によるオムニバス授業なので、授業の進め方は各教員(各日)によって異なる。詳細については、第1回目の授業の際に情報共有するので必ず出席をすること。なお、第一回目の授業(8月18日(火)2限)は、Webexを使用した「リアルタイム型」で実施するので接続の用意を整えること。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 20% リアクションペーパーへの記入を含む。
2 レポート Report 80% 期末レポート。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1  事前学習として必要な図書がある場合は、適宜紹介する。
メッセージ/Message
 「より良い開発とは何か」。そのことを考えるため、授業内では事例研究を通したグループディスカッションやワークショップを行います。こうした議論に積極的に参加したい方、国際協力の理論と実践に興味のある方に履修して頂きたいと考えています。
その他/Others
 3分の2以上の出席を求める。
キーワード/Keywords
国際協力     社会開発     ジェンダー     市場メカニズム     持続可能性     SDGs