講義内容詳細:コーポレートガバナンス

戻る
年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) コーポレートガバナンス
英文科目名/Course Title (English) Corporate Governance
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 町田 祥弘
英文氏名/Instructor (English) MACHIDA, Yoshihiro

講義概要/Course description
本講義は、3つの段階に分けられる。第1の段階は,近年,コーポレート・ガバナンスが重視されるようになった背景,並びに,コーポレート・ガバナンスに関する基礎的な概念や考え方及び制度等を理解することにあり,この過程は,講義形式によって実施する。第2の段階では,現在のコーポレート・ガバナンスにおける重要なトピックについて個別論点として取り上げ,日本だけでなく国際的な動向も踏まえてその概要を検討し,続く第3の段階では,コーポレート・ガバナンスに関する具体的な事例等を踏まえて,日本におけるガバナンス上の課題を考察する。これらの第2及び第3の段階においては,一方的な講義形式ではなく,受講生とのディスカッションや自主的な発表も含めた双方向的な講義を実施することとしたい。
達成目標/Course objectives
コーポレート・ガバナンスに関する議論は,その目的も背景もさまざまであり,それに応じて定義も多様なものとなっているが,本講義では,上場企業におけるコーポレート・ガバナンスの問題に焦点を絞って議論することとする。本講義では,各国および各機関等が検討・公表してきたガバナンス原則を概観するとともに,現在の日本の制度環境において,コーポレート・ガバナンスに見られる問題点を検討すること,及び会計プロフェッションがコーポレート・ガバナンスにおいていかなる役割と責任を担うのかを考察することを目的としている。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
履修条件は特にないが、企業法に関する講義を履修済み又は同時履修していると理解が進むと思われる。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス 
授業の概要、講義方針、成績評価方法等について説明を行うとともに,コーポレート・ガバナンスの議論の重要性について,概説する。
事前学習/Preparation ガイダンスのため、とくになし。
事後学習/Reviewing 講義の内容を踏まえて、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
2
授業計画/Class ガバナンスの基礎①: ガバナンスの概念  
資本と経営が分離した株式会社において、経営者支配になるのはなぜかについて論じ、経営者支配の状況に対応するため、コーポレート・ガバナンスに関する議論が始まったことを指摘する。その中で、日本の特殊性にもふれる。
事前学習/Preparation 事前に指示された範囲の専門用語等を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing 講義の内容を踏まえて、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
3
授業計画/Class ガバナンスの基礎②: 取締役会
取締役会及び取締役の役割、独立取締役に関する諸外国の考え方、取締役内委員会等を含む取締役会の構造等について検討する。
事前学習/Preparation 事前に指示された範囲の専門用語等を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing 講義の内容を踏まえて、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
4
授業計画/Class ガバナンスの基礎③: 監査役・監査委員会
日本に固有の機関である監査役について、その機能と課題を明らかにした上で、会計監査人との関係、諸外国の監査委員会との相違等を検討する。
事前学習/Preparation 事前に指示された範囲の専門用語等を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing 講義の内容を踏まえて、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
5
授業計画/Class ガバナンスの基礎④: 株主総会 
株式会社の最高意思決定機関である株主総会について、その法律上の役割と実質的な機能について検討する。
事前学習/Preparation 事前に指示された範囲の専門用語等を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing 講義の内容を踏まえて、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
6
授業計画/Class ガバナンスの基礎⑤: 内部統制,リスク・マネジメント
ガバナンスの観点から、内部統制やリスク・マネジメントの問題を検討し、ガバナンスとそれらの概念の相違や関係性を明らかにする。
事前学習/Preparation 事前に指示された範囲の専門用語等を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing 講義の内容を踏まえて、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
7
授業計画/Class 個別論点①:コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップ・コード
個別論点として、コーポレートガバナンス・コードおよびスチュワードシップ・コードを取り上げ、その背景と目的、および内容について検討する。
事前学習/Preparation 報告やディスカッションに備えて、事前に指示された範囲を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing ディスカッションや講義での指摘事項を踏まえて、報告資料を再整理するとともに、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
8
授業計画/Class 個別論点②:経営者報酬 
個別論点として、経営者報酬の問題を取り上げ、経営者報酬の開示、経営者報酬の決定、ストック・オプション等の意義について検討する。
事前学習/Preparation 報告やディスカッションに備えて、事前に指示された範囲を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing ディスカッションや講義での指摘事項を踏まえて、報告資料を再整理するとともに、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
9
授業計画/Class 個別論点③:買収防衛策 
個別論点として、買収防衛策を取り上げ、資本の効率化、株主の利益、及び経営者側の主張等を俎上に載せるとともに、敵対的買収を巡る日本における事例等を検討する。
事前学習/Preparation 報告やディスカッションに備えて、事前に指示された範囲を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing ディスカッションや講義での指摘事項を踏まえて、報告資料を再整理するとともに、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
10
授業計画/Class 個別論点④:企業集団(親子会社における統制と規律) 
個別論点として、企業集団の問題を取り上げ、企業集団におけるガバナンスとはいかなるものかを検討するとともに、親子会社の関係についても会社法改正の議論を踏まえて検討する。
事前学習/Preparation 報告やディスカッションに備えて、事前に指示された範囲を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing ディスカッションや講義での指摘事項を踏まえて、報告資料を再整理するとともに、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
11
授業計画/Class ケーススタディ①:会社の機関  
第10回までの講義内容を踏まえて、ケーススタディとして、会社の機関の具体的な問題を取り上げ、機関構造の多様化の議論や、ここまでの講義で取り上げられなかった会計参与や会計監査人について、ディスカッションを行う。
事前学習/Preparation 報告やディスカッションに備えて、事前に指示された範囲を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing ディスカッションや講義での指摘事項を踏まえて、報告資料を再整理するとともに、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
12
授業計画/Class ケーススタディ②:株主 
ケーススタディとして、ガバナンスにおける株主の具体的な問題を取り上げ、種類株主の考え方や規制、株主がいかにして実質的にガバナンスに関与しうるのかといった問題についてディスカッションを行う。
事前学習/Preparation 報告やディスカッションに備えて、事前に指示された範囲を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing ディスカッションや講義での指摘事項を踏まえて、報告資料を再整理するとともに、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
13
授業計画/Class ケーススタディ③:ガバナンスディスクロージャー 
ケーススタディとして、ガバナンス・ディスクロージャーの具体的な事例取り上げ、ガバナンスについて現在行われている開示規制とその影響を検討するとともに、ディスクロージャーのあり方についてディスカッションを行う。
事前学習/Preparation 報告やディスカッションに備えて、事前に指示された範囲を自分なりに学習する。
事後学習/Reviewing ディスカッションや講義での指摘事項を踏まえて、報告資料を再整理するとともに、疑問点が残っていないかを確認し、必要に応じて、メール等で質問をする。
14
授業計画/Class ゲスト講師による講義
ガバナンスに関連するテーマのゲスト講師を招き、とくに、実務に根差した観点からガバナンスの問題についてディスカッションを行う。
事前学習/Preparation 事前配布するゲスト講師の報告資料を読んで、疑問点等を整理しておく。
事後学習/Reviewing ゲスト講師の講義内容について、フィードバックペーパーを作成する。
15
授業計画/Class 会計とコーポレート・ガバナンス/まとめ  
会計プロフェッションの観点から見たときに,現在のコーポレート・ガバナンス議論において焦点となっている問題及び今後の課題等について言及するとともに,本講義で扱った内容の要約とまとめを行う。
事前学習/Preparation 講義全体を通して、疑問点等が残っていないか再確認する。
事後学習/Reviewing 講義全体を踏まえて、レポート課題の準備をする。
授業方法/Method of instruction
講義形式による授業で一定の理解を得た上で、ディスカッションを中心とした双方向性の(コミュニカティブな)講義を行う。
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 50% 講義での発言や発表等の講義への参加状況(50%),期末レポート(50%)によって,総合的に評価する。
2 平常点 In-class Points 50%
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 教科書は、使用しない。毎回、資料を配付してそれに沿って講義を進める。
 
参考書/Reference books
 コメント
Comments
 
1 講義の進行に応じて,随時,紹介する。
メッセージ/Message
双方向の講義を行いますので、講義中の積極的な発言を期待します。
キーワード/Keywords
ガバナンス         ガバナンス・コード     スチュワードシップ・コード     取締役     株主