講義内容詳細:職業倫理

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年度/Academic Year 2020
授業科目名/Course Title (Japanese) 職業倫理
英文科目名/Course Title (English) Professional Ethics
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 吉田 修己/町田 祥弘
英文氏名/Instructor (English) YOSHIDA, Osami/MACHIDA, Yoshihiro

講義概要/Course description
本講義は、職業倫理の基礎概念、職業倫理と財務諸表監査との関係、「理論としての職業倫理」「制度としての職業倫理」そして「実践としての職業倫理」の3つの側面からなる職業倫理の基本的な枠組みについて、国際的にも整合する幅広い視点に立って、この職業倫理上の諸問題に関する最新かつ総合的な理解を深めることが最終的な到達目標となる。
達成目標/Course objectives
将来の会計プロフェッションとしての、国際的にも整合する幅広い視点に立って、会計および監査等の専門職業において求められる倫理観の醸成を図り、もって、信頼と尊敬を受けるに値する職業人になることが達成目標となる。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
とくになし。ただし、日々の生活の中で、疑問に思うことや、道理に適わないと思われるような事項に直面した時には、自分の頭で考える習慣を持つよう心がけること。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス/職業倫理の基礎概念(1)
本講義のガイダンスを行う。
併せて、本講義の導入として、一般の倫理、職業倫理、倫理教育の必要性について検討するとともに、プロフェッションの意義・特質、プロフェッションにおいてなぜ職業倫理が問題とされるのかについての理解を図る。
事前学習/Preparation 特になし
事後学習/Reviewing 課題レポートの作成①
2
授業計画/Class 職業倫理の基礎概念(2)
規範倫理学の考え方を概観するとともに、「理論としての職業倫理」について理解を図り、会計プロフェッションとしての職業倫理への適用について検討する。
事前学習/Preparation 予習用の課題を検討し、自らの考えを纏める。
事後学習/Reviewing 課題レポートの作成②
3
授業計画/Class 資本市場における職業倫理(1)
資本市場に参加する各当事者の職業倫理に関して、経営者を取り上げ、ビジネス倫理の問題を検討する。併せて、財務諸表の作成・開示、その他のディスクロージャー等にかかる経営者の責任について検討する。
事前学習/Preparation 予習用の課題を検討し、自らの考えを纏める。
事後学習/Reviewing 課題レポートの作成③
4
授業計画/Class 資本市場における職業倫理(2)
資本市場に参加する各当事者の職業倫理に関して、株主・投資家を取り上げ、財務諸表利用者における倫理の問題を検討する。とくに、フェア・ディスクロージャーやインサイダー取引等の問題について取り上げる。
事前学習/Preparation 予習用の課題を検討し、自らの考えを纏める。
事後学習/Reviewing 課題レポートの作成④
5
授業計画/Class 会計不正事例と職業倫理(1)
海外における会計不正事例を取り上げ、それらにおける職業倫理の問題、及びそれらの事例がその後の制度等にいかなる影響を及ぼしたのかについての理解を図る。併せて、サーベインズ=オックスリー法以後の制度の展開を検討する。
事前学習/Preparation 予習用の課題を検討し、自らの考えを纏める。
事後学習/Reviewing 課題レポートの作成⑤
6
授業計画/Class 会計不正事例と職業倫理(2)
わが国における会計不正事例を取り上げ、それらにおける職業倫理の問題、及びそれらの事例がその後の制度等にいかなる影響を及ぼしたのかについて理解を得る。併せて、2003年公認会計士法改正以後の制度の展開を検討する。
事前学習/Preparation 予習用の課題を検討し、自らの考えを纏める。
事後学習/Reviewing 課題レポートの作成⑥
7
授業計画/Class 制度としての職業倫理(1)
会計プロフェッションの法的責任を概観した上で、主に公認会計士法の下で実施される公的規制について、公認会計士・監査審査会の活動及び金融庁による行政処分等を踏まえて、検討する。
事前学習/Preparation 予習用の課題を検討し、自らの考えを纏める。
事後学習/Reviewing 課題レポートの作成⑦
8
授業計画/Class 制度としての職業倫理(2)
前回の講義で検討した公的規制と日本公認会計士協会による自主規制の関係について理解を図るとともに、自主規制の意義、及びその内容について検討する。
事前学習/Preparation 予習用の課題を検討し、自らの考えを纏める。
事後学習/Reviewing 課題レポートの作成⑧
9
授業計画/Class 公認会計士に係る職業倫理の規範体系を概説し、日本公認会計士協会の倫理規則に定める基本原則及び概念的枠組みアプローチについて検討する。
事前学習/Preparation 予習用の課題を検討し、自らの考えを纏めておく。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習し、自らの理解度を確認する。
10
授業計画/Class 公認会計士の中核的課題である「独立性」に関する法体系と関連する「倫理規則」及び「独立性に関する指針」における独立性の規定内容を検討する。
事前学習/Preparation 予習用の課題を検討し、自らの考えを纏めておく。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習し、自らの理解度を確認する。
11
授業計画/Class 公認会計士のもう一つの中核的課題である「秘密を守る義務」に関する法体系及び関連する「倫理規則」を検討する。またインサイダー取引に係る規制についても検討する。
事前学習/Preparation 予習用の課題を検討し、自らの考えを纏めておく。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習し、自らの理解度を確認する。
12
授業計画/Class 日本公認会計士協会の「倫理規則」のその他の個別項目として、「セカンドオピニオン」「紹介手数料」「贈答・接待」「成功報酬」等について検討する。
事前学習/Preparation 予習用の課題を検討し、自らの考えを纏めておく。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習し、自らの理解度を確認する。
13
授業計画/Class 税理士の倫理に係る規定等の現状を検討するとともに、税理士業務における倫理のあり方について検討する。
事前学習/Preparation 税理士業務において求められる職業倫理とは何か、自らの考えを纏めておく。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習し、自らの理解度を確認する。
14
授業計画/Class 税理士業務における倫理問題について、事例を題材としてグループディスカッション形式で税理士に課せられた課題や税理士としてあり得るべき職業専門家としての倫理を検討する。
事前学習/Preparation 税理士業務において求められる職業倫理とは何か、自らの考えを纏めておく。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習し、自らの理解度を確認する。
15
授業計画/Class 公認会計士業務における倫理問題について、事例を題材としてグループディスカッション形式で公認会計士に課せられた課題や公認会計士としてあり得るべき職業専門家としての倫理を検討する。
事前学習/Preparation 公認会計士の業務において求められる職業倫理とは何か、自らの考えを纏めておく。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習し、自らの理解度を確認する。
授業方法/Method of instruction
講義形式によって進める。
前半(1回~8回)は、事前に講義で扱うQuestionを提示して講義の中でそれについて検討するとともに、適宜、発言等を求める。また、講義修了後には、講義内容を踏まえて、自らの見解を纏める課題レポートを作成してもらう。
後半(9回~15回)のうち、9回から13回は事前に講義で扱うテーマに関連する資料を提示し、当該資料を通読しておくこと、また14回及び15回は事前学習に記載した準備をしておくことを求める。併せて、成績評価には含めないが、9回から13回は、次回の講義の冒頭に、理解の確認のための小テストを行なう。

成績評価方法/Evaluation
1 100% 講義時に提出を求めるレポート(50%)と、期末テスト(50%)により評価する。
教科書/Textbooks
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1 特になし。講義時に、毎回、講義資料を配布して進める。
参考書/Reference books
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1 八田進二『公認会計士倫理読本<平成28年増補版>』財形詳報社、2016年。
梅津光弘『ビジネスの倫理学』丸善、2002年。
Mark Cheffers and Michael Pakaluk [原著]、藤沼亜起[監訳]『会計倫理の基礎と実践―公認会計士の職業倫理』同文舘出版、2011年。
キーワード/Keywords
職業倫理  倫理的ジレンマ  倫理規則  倫理ケース