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授業計画/Class |
第 1回:概観:西洋古典古代世界とその基本的な世界観の変遷 |
事前学習/Preparation |
かんたんでよいですから西洋古代の歴史、その始まりから終わり(前7世紀から後5世紀頃)をおさらいしておくことを勧めます。 |
事後学習/Reviewing |
講義を踏まえて古典古代の通史の中での位置を復習して、主な区分をいつでもすぐ話せるよう覚えるとよいです(なお、教養とは調べる能力ではありません。いつでもすぐ出せるものでなければいけないのです。記憶をおろそかにしないことです)。
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授業計画/Class |
第 2回:ホメロス1:古代異教倫理の根幹としての英雄共同体の掟、『イリアス』
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事前学習/Preparation |
『イリアス』とその主人公アキレウスについて調べること。 |
事後学習/Reviewing |
講義の内容と敷延して、自己と自己の卓越性、その発揮の場(の具体的な共同体)について考える。 |
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授業計画/Class |
第 3回:ホメロス2:『オデュッセイア』:共同体と正義 |
事前学習/Preparation |
『オデュッセイア』と主人公オデュッセウスについて調べること。 |
事後学習/Reviewing |
死のための教えである悲劇との対比で、生の教えである喜劇の本質的な社会性を考える。 |
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授業計画/Class |
第 4回:ヘシオドス:弱者の生のルサンチマンと要求、正義と宗教 |
事前学習/Preparation |
ヘシオドスについて調べること。 |
事後学習/Reviewing |
宗教について、共同体内における視点の位置、外在的な伝統遵守と内在的な良心の生成について、日本と世界の宗教に関して考察する。 |
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授業計画/Class |
第 5回:アテナイの啓蒙とソフィスト:民主主義と生の繁栄、成功のための知 |
事前学習/Preparation |
ペルシャ戦争とペリクレス時代のアテナイについて調べること。 |
事後学習/Reviewing |
ギリシャ(アテネ)的な自由の精神、競争と繁栄、弁論術の意義と危険について現代的に考察する。 |
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授業計画/Class |
第 6回:ギリシャ悲劇:伝統価値観の変容と衰退、それに対する抗議;三大悲劇詩人について |
事前学習/Preparation |
ギリシャ悲劇に関する一般的な事柄を調べておくこと。 |
事後学習/Reviewing |
いかなる芸術も特定の地域と時代の産物であることを理解した上で、その普遍的な特質を、日本や世界の芸術の興亡の中で考える。 |
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授業計画/Class |
第 7回:ソクラテス:「よき生」の問い:相対主義との対決,言語における探求 |
事前学習/Preparation |
前に扱ったソフィストたちとソクラテスについて調べ、アリストパネスの喜劇『雲』を読む。 |
事後学習/Reviewing |
初期プラトン対話篇を読み、その中でソクラテスの声に接し語り合う経験をもつ。 |
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授業計画/Class |
第 8回:プラトン1:自然と言語における真理の追求、魂の不死性と幸福 |
事前学習/Preparation |
ソクラテスに関して復習すると同時にピュタゴラスについて調べ、あわせて内面性の宗教と神秘主義について考察する。 |
事後学習/Reviewing |
真の自己と真理との繋がりについて考えてみる。 |
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授業計画/Class |
第 9回:プラトン2:魂の調和としての幸福、理想国と知の体制 |
事前学習/Preparation |
人間の共同体とその支配のあり方、それと類比的に理性・感情・肉体の維持と管理を考える。 |
事後学習/Reviewing |
プラトンの理想国制と照らして現代における共同体の制度を考える。 |
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授業計画/Class |
第10回: アリストテレス1:諸学の体系と倫理学の完成:行為と目的 |
事前学習/Preparation |
行為について定義を試みる;人生の目的について考える。 |
事後学習/Reviewing |
アリストテレスの幸福の定義を具体的に自分自身に当てはめて考えることはたいへん大切です。それは現代でもまったく変わりません。ある種の現代思想などとは異なる、きわめて正しい大人の教えですから。 |
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授業計画/Class |
第11回:アリストテレス2:性格の徳と思慮,実践と観照の幸福 |
事前学習/Preparation |
性格とその形成、行為の責任について一般的な理解を考察してみる。 |
事後学習/Reviewing |
アリストテレスの性格論を用いて自己分析をおこなうとよいです。 |
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授業計画/Class |
第12回:エピクーロス:原子論と快楽主義、生の理想(無碍 ataraxia)の逆説 |
事前学習/Preparation |
原子論・唯物論および快楽主義と功利主義は、近現代の社会理論の基礎です。現代の常識的な世界観を振り返っておくとよいでしょう。 |
事後学習/Reviewing |
現代の功利主義と古代幸福主義の快楽論の相違を確認してみること。 |
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授業計画/Class |
第13回:ストア派1:宇宙(理性共同体)の構成者としての人間的理想(賢者) |
事前学習/Preparation |
ヘレニズム期ギリシャとローマ帝国の体制を調べる;自我を出発点とする思想の系譜(デカルト、実存主義など)を調査するとよいでしょう。 |
事後学習/Reviewing |
現代の巨大な人類共同体における人間の幸福のあり方について考える。 |
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授業計画/Class |
第14回:ストア派2:ローマの哲学:キケローとセネカ;マルクス・アウレリウスとローマのストア哲学 |
事前学習/Preparation |
古典古代はギリシアローマ文化と呼ばれますが、ローマ人とその文化はギリシア人とどう異なるか考えてみる。彼らのリアリズムについて、たとえば塩野七生『ローマ人の物語』などで触れてみるとよいです。
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事後学習/Reviewing |
キケロー、セネカがどういう人でどんな生を生き、何を残したか言えるようにして、その対比で西洋近代を考えてみるとよいです。彼らはその言語であるラテン語のおかげで実際にルネサンスから近代にかけてよく読まれ大きな影響を与えていますから。 |
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授業計画/Class |
第15回:古代世界の終焉とキリスト教:愛の共同体 |
事前学習/Preparation |
キリスト教は本学の礎ですから他大学より触れることが多いはずです。これまで学んだ古代の共同体倫理とどこが違うかを考えてみること。また、日本は百年以上前から西洋型近代文明国家ですが唯一の非キリスト教国です。その理由を重ねて考えてみるとよいでしょう。 |
事後学習/Reviewing |
現代においても宗教の力は非常に強く、これからもそうにちがいありません。その理由を考えてみる。
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