講義内容詳細:音楽史B

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 音楽史B
英文科目名/Course Title (English) History of Music B
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 山田 晴通
英文氏名/Instructor (English) YAMADA Harumichi

講義概要/Course description
 ポピュラー音楽の歴史を、単に文化現象の展開として追うのではなく、それぞれの時点における社会的背景や技術的基盤との関係で捉えながら把握し、二十世紀における世界的文化現象としてのポピュラー音楽について理解を深めることが、この講義の目標である。
 後期の音楽史Bでは、二十世紀後半において世界的な影響を及ぼしたロック音楽の歴史について、音源の紹介に重点を起きながら論じて行く。ロックン・ロールという同質性の高い小さな音楽ジャンルとして成立したロック音楽は、ジャンルとして大きく発展し、今日ではただロック音楽といっても、どのようなものを指すのか即座には判断できないほど、その内容は拡散している。講義では、こうした現状に至る過程を、諸様式の相互作用に注目しながら理解していく。 
まず、一九五○年代におけるロックン・ロールの成立経過を、黒人音楽と白人市場の連接という観点から再検討する。そこでは、メディアの社会的機能と、音楽に関わるメディア技術の目覚ましい発展が、重要な役割を果たしていた。ロックン・ロールが一過性の流行ものから、様式として定着していく上で重要な役割を果たし、さらに、ロック音楽の領域を決定的に拡大させたのは一九六○年代のザ・ビートルズであった。さらに一九七○年代に入ると、ロック音楽の多様化が決定的に進行し、さらに一九八○年代以降は、後期パンクやグランジのように散発的な様式の出現はあっても、ロック音楽という概念自体は、急速に希薄化していった。現状では、ロックはむしろ乗り越えられる側の音楽となっている。
 受講者は、前期の音楽史Aを併せて履修することが望ましいが、必須の条件ではない。また、受講者は、ロック音楽についての知識を事前に持っている必要はないが、二十世紀後半の歴史、特に米国と英国の現代史については、基本的な知識を持っておくこと。
いずれにせよ、ふだんからロック音楽を聴く習慣のない者は、受講と平行して積極的により多く、様々な時期のロック音楽を聴く努力をしてほしい。
達成目標/Course objectives
 二十世紀のポピュラー音楽史(その2―ロックを中心に)
ロック史の概要を把握する。
今年度も、例年に準拠した授業の進行とする予定である。若干の相違はあるが、ウェブ上にある2009年の授業内容を参照されたい。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/Y-KEN/ex-files/notice09-agu.html
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
履修要件ではないが、同じ担当者による「音楽史A」を既に履修していることが望ましい。履修していない者は、第1回の授業内指示を遵守すること。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 第 1回 ロックン・ロールのルーツとしてのリズムアンドブルース【オンライン(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation シラバスの熟読、自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 自主学習の計画、授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
 
2
授業計画/Class 第 2回 ロックン・ロール誕生、1950年代半ば
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
 
3
授業計画/Class 第 3回 ロックン・ロールの死~サーフィン音楽、1960年前後
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
 
4
授業計画/Class 第 4回 ビートルズ(1):デビュー以前
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
 
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
5
授業計画/Class 第 5回 ビートルズ(2):スタジオワークへの傾斜
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
 
6
授業計画/Class 第 6回 ビートルズ(3):多様化と影響
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
7
授業計画/Class 第 7回 ウッドストック時代のアメリカのロック(1):ウッドストックの背景と記録映像
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
 
8
授業計画/Class 第 8回 ウッドストック時代のアメリカのロック(2):時代性との共鳴
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
9
授業計画/Class 第 9回 ブルース・ロック~ハード・ロック
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
10
授業計画/Class 第10回 プログレッシブ・ロック
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
11
授業計画/Class 第11回 グラム/グリッター
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習 
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
12
授業計画/Class 第12回 パンク
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
 
13
授業計画/Class 第13回 メタル
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
14
授業計画/Class 第14回 MTVのインパクト:映像と音楽との統合
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
15
授業計画/Class 第15回 乗り越えられるロック
事前学習/Preparation 自主的に選択した参考文献を通した主題に関する予習
事後学習/Reviewing 授業で言及された語彙、諸概念の確認、音源の確認
授業方法/Method of instruction
本講義は対面授業(通常型)で実施します。
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 100% 期末のレポートへの評価による。詳細は教室で指示する。レスポンス・シートへのコメントに基づいて加点する場合がある。具体的には、授業中に説明した内容に誤りがあることを指摘した場合、パワーポイントに誤字があることを指摘した場合など、授業の改善に資する指摘を含むコメントを提出した者については、最終的な成績を付ける際に、1件につき1~5点の加点をする場合がある。
 

教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1  以下の2冊を参考文献として推す。
 東谷 護編『ポピュラー音楽へのまなざし』勁草書房 2003年....前期「音楽史A」の教科書。
 北中 正和『ロック』講談社(講談社現代新書)1985年....絶版だが、古本屋などでよく見かける。2007年に新版が音楽出版社から刊行されている。
 その他、関連文献は講義の中で随時紹介する。
メッセージ/Message
 講義に関する情報は、担当者の研究室のサイトでも随時提供する。また、メールでの質問も歓迎する。
 http://camp.ff.tku.ac.jp  yamada@tku.ac.jp