講義内容詳細:科学・技術の視点(総合科目)

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 科学・技術の視点(総合科目)
英文科目名/Course Title (English) Perspective of Science and Technology (Coordinated Courses)
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 三條 和博/阿部 文快/戸田 真夏/中田 恭子
英文氏名/Instructor (English) SANJO Kazuhiro/ABE Fumiyoshi/TODA Manatsu/NAKADA Kyouko

講義概要/Course description
3つのパート(A,B,C)の全体を通じて、科学・技術と人間・社会との関わりを考えるヒントとなるような授業を展開する。

私たち⼈間の⽣命は、災害によってしばしば危機にさらされる。⼈間は、科学の⽬で⾃然の⼒を解き明かそうとし、技術の⼒で⾃然災害に立ち向かおうとしてきた。しかし、東⽇本⼤震災は科学や技術の限界を⾒せつけ、福島第⼀原発の事故は、科学や技術のあり⽅について再考を迫っている。科学や技術を⼈間はどのように育ててきたのか。そのとき市⺠は何をしていたのか。パートAでは、科学や技術と⼈間の望ましい関係と、⼀般の市⺠がそこにどのように関わるべきか、について考える。

現在の社会に⽋かすことの出来ない資源である⽔は、存在する形態や量、⽔質などが地域によって⼤きく異なっている。このため⽔の利⽤には様々な⽅法が考えられ、地域ごとに特徴的な技術が作られていった。また⽔は、現在の社会に必要不可⽋なものであると同時に、時に多くの⽣命を奪う災害をも引き起こす⼆律背反の性質を持つ。パートBでは、地域から発⽣した⽔に関する技術とその伝播について、さらに現在問題となっている⽔に関する災害の現状と今後の対策と課題について考える。

私たち⼈間を含め⽣命とはどのようなものなのか︖その理解は科学の発展に伴い⼤きく変化してきた。どこまでを⽣命とみなすのか︖医療との関わりも技術の進歩に伴い急激に変化している。パートCではまず、原始⽣命はどのようにして地球上に誕⽣したのか、次に⽣命の設計図DNAの働きと遺伝⼦発現について学ぶ。そして、私たちの⽣活を⽀えている微⽣物の利⽤技術、ならびにiPS細胞をはじめとする最先端のバイオテクノロジーが拓く未来についても理解を深める。

達成目標/Course objectives
21世紀の課題 -生命・環境・エネルギー-
3つのパート(A,B,C)からなる授業に主体的に参加することによって、
① 科学や技術と⼈間との望ましい関係と、その中で市⺠が果たすべき役割について、具体的な意⾒を持てるようになること
② ⽣命を災害から守る技術を地域の特性に照らして考え、市⺠として具体的な⾏動をとれるようになること
③ ⾃然科学的なものの⾒⽅や考え⽅を理解し、⼈間⾃⾝も含む⽣命の本質を科学という視点から理解すること
を到達目標とする。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特になし
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 初回ガイダンス: オンライン授業を通じて、次の説明を行う。 【オンライン授業(オンデマンド型)】
(1) 科目のねらい
(2) 科目の概要
(3) オンライン授業の受講の仕方
(4) 単位修得の条件
(5) 受講上の注意
(6) 質疑応答
事前学習/Preparation (1) オンライン授業を視聴するデバイス(PC, スマートフォン、etc.)で PDF ファイルを閲覧する方法およびPowerPoint ファイルをスライドショー形式で閲覧する方法を確認しておく。
(2) この科目専用のノートを用意する。ノートは紙ベースでも電子媒体でも構わないが、PDFファイルや PowerPoint ファイルのスライドショーを閲覧・視聴しながらノートをとる必要がある。また、授業の公開期限(通常は授業日を含めて1週間)を過ぎると教材の視聴ができなくなるので、受講中に必ずノートをとること。
(3) 科学および技術に関する最近の新聞記事を⼀つずつ選んで読む。
事後学習/Reviewing (1) ノートを見直し、 各パート見(A,B,C)のねらいをノートにまとめる。
(2) CoursePower の第1回授業フォ ルダ内にある課題に解答し、 指定の期限内に CoursePower に提出する。ただし、この課題は成績評価に含まれない。
(3) 疑問点があれば CoursePower の「質問登録」機能を用いて質問して、第2回の授業までに解消しておく。
2
授業計画/Class A(1) 三條︓科学・技術の限界 — 東⽇本⼤震災からの教訓 — 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation 東⽇本⼤震災から⾃分⾃⾝が学んだことをノートに箇条書きにする。
事後学習/Reviewing ノートを⾒直して復習する。
3
授業計画/Class A(2) 中⽥︓科学・技術の光と陰 — 科学者の夢と原子力 — 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation 事前課題(CoursePower)に解答する。
事後学習/Reviewing 事後課題(CoursePower)に解答する。
4
授業計画/Class A(3) 中⽥︓良い技術・悪い技術とは — 放射性物質と原発の後始末 — 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation 事前課題(CoursePower)に解答する。
事後学習/Reviewing 事後課題(CoursePower)に解答する。
5
授業計画/Class A(4) 三條︓科学・技術とのつき合い⽅ — 主役は市⺠ — 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation 事前課題(CoursePower)に解答する。
事後学習/Reviewing 事後課題(CoursePower)に解答する。
6
授業計画/Class B(1) ⼾⽥︓⽔の偏在 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation 「ネパール」という国について多少の知識を得ておく。
事後学習/Reviewing ノートを⾒直して復習する。
7
授業計画/Class B(2) ⼾⽥︓⽔と発電 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation 前回までの内容を復習する。
事後学習/Reviewing ノートを⾒直して復習する。
8
授業計画/Class B(3) ⼾⽥︓⽔質の地域性 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation 前回までの内容を復習する。
事後学習/Reviewing ノートを⾒直して復習する。
9
授業計画/Class B(4) ⼾⽥︓⽔の災害 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation 前回までの内容を復習する。
事後学習/Reviewing ノートを⾒直して復習する。
10
授業計画/Class C(1) 阿部︓原始⽣命誕⽣と⽔ 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation ⾼校の教科書等で⽔の化学的性質について確認しておく。
事後学習/Reviewing 講義資料を⾒直して復習する。
11
授業計画/Class C(2) 阿部︓⽣命の設計図DNAと遺伝⼦発現 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation ⾼校の教科書等でDNAについて確認しておく。
事後学習/Reviewing 講義資料を⾒直して復習する。
12
授業計画/Class C(3) 阿部︓⾝の回りの微⽣物とその利⽤ 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation ⾝近な環境にいる微⽣物について考える。
事後学習/Reviewing 講義資料を⾒直して復習する。
13
授業計画/Class C(4) 阿部︓バイオテクノロジーが拓く未来 【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation バイオテクノロジーが私たちの⽣活にもたらした影響について考える。
事後学習/Reviewing 講義資料を⾒直して復習する。
14
授業計画/Class 総合討論(1)  ︓あらかじめ定めたテーマについて総合的な考察を行う。 【オンライン授業(リアルタイム型)】
事前学習/Preparation 事前課題(CoursePower)に解答する。
事後学習/Reviewing 事後課題(CoursePower)に解答する。
15
授業計画/Class 総合討論(2)  ︓総合討論(1) の内容を踏まえ、あらかじめ定めたテーマについて総合的な考察を行う。 【オンライン授業(リアルタイム型)】
事前学習/Preparation 事前課題(CoursePower)に解答する。
事後学習/Reviewing 事後課題(CoursePower)に解答する。
授業方法/Method of instruction
教員4が人1チームとなって授業を担当する。授業は (1)初回ガイダンス、(2)3つのパート(A,B,C)に分かれたオンライン講義部分、(3)総合 討論、とからなる(授業計画の項を参照)。

各回の受講は、次の(1)~(5)を順に実施することによって行われる。
(1) 授業時間(木曜5限)に CoursePower の当該回のフォルダにアクセスし、 フォルダ内の教材を閲覧・視聴する。フォルダ内に複数の教材が用意されている場合は ***上から順に*** 閲覧・視聴すること。
(2) 教材を閲覧・視 聴しながら、重要な ポイントをノートにとる。公開期限(原則として授業日を含 む1週間)を過ぎると教材を閲覧・視聴できなくなるので、必ずノートをとること。また、可能な限り、木曜5限の間に閲覧・視聴を終えること。
(3) 毎回の教材には、資料教材(PDF、PowerPoint、他)の他に課題(レポート、テスト、他)が含まれているので、順番通りに解答・提出する。例えば、(1) 資料教材(PDF)、(2) レポート、(3) 資料教材(PowerPoint) の順に教材が用意されている場合は、最初に資料教材(PDF)を閲覧し、続いてレポート課題に解答し、レポート課題を提出してから資料教材(PowerPoint)の視聴を行うこと。
(4) すべての課題を、それぞれ指定の期限内に提出する。毎回の教材に含まれる課題(レポ ート、テスト、 他)の中には、その回の事後学習用の課題や、次回の事前学習用の課題も含まれるので、提出期限は個々に異なることがある。それぞれの課題の提出期限を確認すること。
(5) 疑問点があれば、CoursePower の「質問登録」機能を用いて質問する。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 原則として、初回ガイダンスを除く毎回の授業において、課題(レポート、テスト、他)が出題される。1題のみが出題される場合もあるが、複数の課題が出題される場合もある。複数の課題のうちに、成績評価に関わらない課題が含まれている場合は、その旨が冒頭に明記される。冒頭に断りのない課題はすべて、成績評価に含まれる。いずれの場合も、授業1回分の配点は変わらない。各回の課題の合計点が平常点となる。
 
課題は、各回の授業用教材の中で出題される。指定の期限内に、指定の方法によって提出すること。課題によって提出期限が異なる場合があるので確認すること。

教科書/Textbooks
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参考書/Reference books
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メッセージ/Message
今年度の「科学・技術の視点(総合科目)」はオンライン形式で開講します。 毎回の教材は、授業当日(毎週木曜)の5限に公開されます。授業フォルダの中には、PDFファイルを閲覧する形の教材や、音声つき PowerPoint ファイルを視聴する形の教材など、いろいろな形の教材が入っています。木曜5限の間に、それらを上から順に閲覧・視聴して下さい。

授業を提供するのは、地球科学、物理化学、環境地理学、生命科学、という異なる分野を専門 とする、しかしいずれも広く自然科学と呼ばれる考え方によって立つ、4人の教員です。オンライン教材を通じて4人の教員は、皆さんに対して、21世紀の課題を考えるための入り口となるトピックスを提供し、 自然科学という「ものの見方」や考え方を、少しずつ異なる形で示します。そして必ず、皆さんに対して問いかけをします。その問いかけは、科学や技術と切り離せない21世紀を生きる皆さんに対する問題提起です。オンライン教材を閲覧・視聴しながら、その問題提起に対する皆さん自身の意見や答を考えて下さい。

問題提起を具体的な形に表したものとして、毎回の教材の中には、必ず課題が入っています。課題は、レポ ート形 式のものやテスト形式のもの、アンケート形式のものなどがあります。また、課題が1題のみの場合も、複数の課題が授業フォルダに入っていることも、あります。その回の授業を通じて皆さん自身に考えて欲しいことが、課題として出題されています。つまり、この課題に取り組むことが、この科目の一番重要な部分です。 提出された課題に対する評価が、この科目の成績評価になります。

高校までの期末試験や大学の入学試験とは異なって、これらの課題には、「たった一つの正解」があるとは限りません。そんな課題を出題する理由、それは、社会に出て皆さんが出会う問題のほとんどが、正解のない問題だからです。そのような問題に直面したとき、皆さんの多くが大学で学ぶ人文科学や社会科学の考え方に加えて、自然科学の考え方も併せ持つことは、より良い答を探す力になるはずです。また、日々進化を続ける技術に対して、人間とのより良い関係を考えることは、皆さん自身の現在のみならず未来を考えることにつながります。オンライン教 材を通じて得た基本的な知識や自然科学の考え方をふまえて、皆さん自身の現在と未来について考える、それがこの総合科目です。
その他/Others
1.公開期限(原則として次の週の木曜 16:50)を過ぎると教材(課題も含む)にアクセスできなくなるので、可能な限り木曜5限に受講してください。
2.総合討論はリアルタイム型にて実施します。詳細は追って指示しますので、CoursePower を随時確認してください。
3.特に指示のない限り、ストリーミング動画をダウンロードすることは禁止します。また、授業用にダウンロードした資料や画像、動画や音声ファイルなどは、受講生本人の受講目的以外で使用することは一切禁止とします。これに反する行為には法的責任を問われる場合がありますので、十分注意してください。このほかにも、インターネットを利用する上でのエチケットを必ず守ってください。