講義内容詳細:科学・技術の視点(総合科目)

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 科学・技術の視点(総合科目)
英文科目名/Course Title (English) Perspective of Science and Technology (Coordinated Courses)
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 三井 敏之/坂上 貴洋/下山 淳一
英文氏名/Instructor (English) MITSUI Toshiyuki/SAKAUE Takahiro/SHIMOYAMA Junichi

講義概要/Course description
この講義は下山、坂上、三井の3人の教員によるオムニバス形式です。
熱に関係する現象は日常馴染み深いものですが、これを正確に捉え物理的に記述することは容易ではありません。温度は状態を表しますが、熱は生まれたり吸われたり、また流れたり(伝わったり)する様々な性質を持っています。しかし、私たちは熱を利用し、また熱に翻弄されながら、現在の生活を営んでいます。よって、熱の姿を知ることは、日常生活でも様々な面で役に立つのです。また、エントロピーの概念に関しては、ITや経済の分野でも役に立っています。

次に、熱に関係する諸現象の普遍的性質を物理的に論じた熱力学について説明します。歴史的には、蒸気機関やエンジンなど熱エネルギーから動力を得るための実践的手段として発展してきた熱力学ですが、その概念や法則は極めて普遍的です。このため、原子や分子、素粒子といったミクロな世界を論ずる量子力学や統計力学が発展した現在でも、熱力学の価値は少しも失われていません。ここでは熱力学から生まれた抽象的概念や諸法則を身近な熱現象を例にとって分かりやすく解説し、日常現象を物理的に捉える際に熱力学の普遍性が役立てられることを示してみたいと考えています。また、自然界における自発的な変化の向き(時間の矢)を規定するエントロピー増大則について学習し、その観点から「生命とは何か?」という問いかけについて考えて見たいと思います。

最後に、熱は冷暖房から地球の温暖化のような国際的な環境問題まで、様々な現象として身近な日常生活に深く関わっております。そこで、それらの現象の中から代表的な例をトピックス形式で取り上げて説明します。
達成目標/Course objectives
熱についての物理的理解を深め、その基本的性質を学びます。そして、身近な熱に関わる家電、例えば冷蔵庫、エアコン、魔法瓶などの基本的な仕組みを理解します。また、身近な熱に関わる現象として氷ー水ー水蒸気の状態変化から地球の温暖化など、幅広く例にとり、これらを学びます。更に熱を自らコントロールすることにより、省エネ活動が行えるようになることがこの講義の目標です。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 熱とは何か? 物理的に観る熱について
事前学習/Preparation シラバスを読む
事後学習/Reviewing 授業の復習
2
授業計画/Class 地球の熱現象。気候と気象
事前学習/Preparation 気候区分を調べる
事後学習/Reviewing 授業の復習
3
授業計画/Class 物質が融けるとは、蒸発するとは
事前学習/Preparation 相変化について調べる
事後学習/Reviewing 授業の復習
4
授業計画/Class 不可逆現象。なぜ、ものは散らかりやすく、集まりにくいのか?
事前学習/Preparation 不可逆現象とエントロピーについて調べる
事後学習/Reviewing 授業の復習
5
授業計画/Class 化学反応と熱。人類はどのように熱と付き合って生活を豊かにしてきたか。
事前学習/Preparation 産業革命における物理の役割を調べる。                        
事後学習/Reviewing 授業の復習
6
授業計画/Class 力学的な系と熱力学的な系
事前学習/Preparation 力学と熱力学について調べる
事後学習/Reviewing 授業の復習
7
授業計画/Class 情報エントロピー
事前学習/Preparation 情報エントロピーについて調べる
事後学習/Reviewing 授業の復習
8
授業計画/Class 「熱=エネルギー+仕事」 外から系に加えた熱の使い道(熱力学第一法則)
事前学習/Preparation 熱とエネルギーについて
事後学習/Reviewing 授業の復習
9
授業計画/Class 熱力学とエントロピー 自然界における自発的変化の向き、時間の矢 (熱力学第二法則)
事前学習/Preparation 熱力学第二法則について
事後学習/Reviewing 授業の復習
10
授業計画/Class 統計力学とエントロピー  
事前学習/Preparation アヴォガドロ数はいくつか?また、コップ一杯の水の中には水分子が何個あるか考えてみること(原子論の復習)。
事後学習/Reviewing 授業の復習
11
授業計画/Class 日常生活における熱の移動 熱の伝導、伝達、対流、輻射
事前学習/Preparation 熱の伝導、伝達、対流、輻射について
事後学習/Reviewing 授業の復習
12
授業計画/Class 地球の温暖化と熱 分子の振動と熱
事前学習/Preparation 地球の温暖化について
事後学習/Reviewing 授業の復習
13
授業計画/Class 様々な発電システムと熱 エネルギー変換効率など
事前学習/Preparation 変換効率について
事後学習/Reviewing 授業の復習
14
授業計画/Class 建物と熱と省エネルギー 熱の移動制御
事前学習/Preparation 省エネの工夫を調べる
事後学習/Reviewing 授業の復習
15
授業計画/Class 熱と光と電磁波について、見えない電磁波によるセンサーは役に立つ
事前学習/Preparation 電磁波について
事後学習/Reviewing 授業の復習
授業方法/Method of instruction
本講義はオンライン授業(オンデマンド型)で実施します。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 授業の最後に、レポート問題を出します。レポートの内容については担当者の指示があります。講義の趣旨を要約する場合は、項目の羅列でなく、全体を通して論旨がつながるように書いてください。評価はレポート点に基づいて行います。
教科書/Textbooks
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1 特定の教科書は使用しません。プリントを配布します。
参考書/Reference books
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タイトル
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出版社
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出版年
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ISBNコメント
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1 Richard A. Muller エネルギー問題入門 楽工社 2014 4903063658 新しいエネルギーに関する一般書等
メッセージ/Message
青山スタンダードの科目として、『専門領域の壁を越えて、物事について多面的、多角的に考え、異分野の出来事や考え方』を学べる講義を目指しています。