講義内容詳細:バイオテクノロジーと生命倫理

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) バイオテクノロジーと生命倫理
英文科目名/Course Title (English) Biotechnology and Life Ethics
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 中島 理暁
英文氏名/Instructor (English) NAKASHIMA Masaaki

講義概要/Course description
 国家や産業と深く結びつき飛躍的に進展する生命科学研究とバイオテクノロジーは、疾病のコントロールと苦痛の軽減を可能にすると肯定的に評価される一方で、人間の生命が科学技術の操作対象となり、新たな苦悩を産みだしているとの指摘もある。
 本講義では、1960年代後半に米国で登場しその後日本に導入された「生命倫理」の主要概念・制度を検討した上で、バイオテクノロジーの実践によってもたらされた倫理的・法的・社会的な軋轢の諸相と、それらの問題系に生命倫理が果たした役割および現状を、歴史的経緯及び社会構造・社会規範との関連において考察する。
 通奏低音を成すのは、生命や身体をめぐる願望の充足を可能にするテクノロジーの開発と使用をめぐって、個人の選択に委ねられる領域と公権力による規制が及ぶ範囲との分割線をどこに引くのか、その線引きはいかなる論理によって正当化され得るのか、という問いである。
達成目標/Course objectives
バイオテクノロジーをめぐる生命倫理問題の理解に資する知的基盤の形成
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
なし
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス【オンライン(ZOOMを用いたリアルタイム型)】
生命倫理とその諸制度の歴史的展開
事前学習/Preparation 講義時に受講カードの作成及びCoursePowerでの提出を求めるので、受講動機を明確にしておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
2
授業計画/Class 医療・医学研究における生命倫理の諸原則とその陥穽
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
3
授業計画/Class インフォームド・コンセント・自己決定権をめぐる諸問題
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
4
授業計画/Class 社会の中の生物医学(biomedicine)
   ー医学知識の構築と不確定性・専門知と政策判断・科学者集団と研究不正
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
5
授業計画/Class 生殖技術(1)
   ―人工授精(AIH・AID)・体外受精・顕微授精・出自を知る権利
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
6
授業計画/Class 生殖技術(2)
   ―代理出産・生殖ツーリズム・不妊の医療化
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
7
授業計画/Class 遺伝医療(1)
   ―遺伝子診断・遺伝カウンセリング・遺伝子差別
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
8
授業計画/Class 遺伝医療(2)
   ―出生前診断・選択的中絶・着床前診断・ゲノム編集
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
9
授業計画/Class 生殖技術・遺伝医療の歴史的現在
    ―優生学/優生政策と福祉国家・強制不妊手術・reproductive rights
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
10
授業計画/Class 脳死・臓器移植(1)
    ―「脳死」概念の登場・「臓器移植」との邂逅・ハーバード基準・和田移植
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
11
授業計画/Class 脳死・臓器移植(2)
   ―死の定義をめぐるポリティクス・臓器移植法の成立と改正
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
12
授業計画/Class 再生医療をめぐる問題群
    ーエンハンスメント・中絶胎児の研究利用
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
13
授業計画/Class 「市場社会」と生命科学技術
    ―人体の資源化/商品化/市場化・人体由来個人情報の研究利用と保護
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
14
授業計画/Class 感染症対策のテクノロジー
   ー「共同体の医学」としての公衆衛生・ワクチン開発における倫理・「ワクチン・ナショナリズム」・
     ワクチン忌避・予防接種政策(優先接種順位・健康被害救済)
事前学習/Preparation 予習教材を十分に学習し、指名された際は回答できるように理解・考察を深めておく。
事後学習/Reviewing 講義時に提示された設問についてレポートを作成し、期限までにCoursePowerを通じ提出する。
15
授業計画/Class 論述式試験(ノート・資料類参照一切不可)
事前学習/Preparation 試験範囲には講義・視聴覚教材・配布資料の内容すべてが含まれる。
事後学習/Reviewing N/A
授業方法/Method of instruction
オンライン講義(Zoomを用いたリアルタイム型)によって実施する。

履修にあたっては、下記要件6点を満たす必要がある。
1)火曜日2限に開催されるミーティング(講義)に出席する。
2)指示に応じて随時画面(ビデオ機能)をオンにする。
3)同時双方向講義の特性を生かすため、指名された際には発言する。
4)レポートの発表を求められた際には、画面共有機能を用いて全履修者に対しレポートを提示する。
5)講義中にCoursePowerでのテキスト入力・ファイル添付が即時可能な環境で受講する。
6)レポートを期限(翌日17:59)までにCoursePower上で毎週提出する(メールでの送信は不可)。


成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 40% 毎回課される講義内容および配布文献に関するレポート(提出期限:翌日17:59厳守)
2 試験 Exam 60% 最終回に予定されている(変更の可能性有)論述式試験
(ノート・配布資料類参照不可)
教科書/Textbooks
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1 特定のテキストは使用せず、CoursePower上で教材を配布する。
参考書/Reference books
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タイトル
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出版社
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出版年
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1 松原洋子・伊吹友秀 生命倫理のレポート・論文を書く 東京大学出版会 2018 2500円 関連文献を適宜紹介する。
メッセージ/Message
上記「授業方法」に明記されている履修上の要件6点を必ず確認してください。
キーワード/Keywords
バイオテクノロジー     生命倫理     研究不正     生殖技術     遺伝子診断     出生前診断     着床前診断     優生学     再生医療     脳死     臓器移植     公衆衛生     ワクチン     予防接種政策