講義内容詳細:日本の農業・農村とビジネス

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 日本の農業・農村とビジネス
英文科目名/Course Title (English) Japan's agriculture and business
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 岩田 伸人
英文氏名/Instructor (English) IWATA Nobuto

講義概要/Course description
●日本の農業・農村には、里山(さとやま)や棚田(たなだ)に象徴される古き文化のイメージがある。
●他方で、和食(wasyoku)は、ヘルシーな食事を象徴する世界共通語になりつつある。
●先進国では「食事」が、単に生きるためのエネルギー源から、日常生活を豊かにする源(みなもと)になりつつある。
●途上国で見られる食料飢饉は、自然災害や長期的な気象の変化などによる面があるが、先進国にも同じ危機感はある。
●日本は、先進国の中で最も食料自給率が低い国だが、食料は輸入すればよい、という考え方は緊急時には通用しない。
●日本農業は、これまで、低所得➡︎後継者不足➡︎高齢化➡︎農業人口の減少➡︎耕作放棄地の拡大、の悪循環が続いた。
●他方で、2010年ごろから、時代の先端を行く新しいタイプの農業(アグリビジネス)が目立ってきた。
●日本の農業は、単に農産物を生産するだけでなく、「建築・土木」、「環境保全」、「観光ビジネス」、ロボットによる作業自動化、など多種多様な知識・ノウハウが必要な、時代の最先端を行く産業へ変わりつつある。
●今や農産物は、日本の主要な輸出品になろうとしている。日本の農産物は品質面で、グローバル競争力があるからだ。 
●受講者には、農業は成長産業であることを認識することで、将来の職業選択に役立ててもらいたい。
●本講義では、農業に関わる分野で第一人者の専門家・農業者を特別ゲストとして招き講義を行う。
達成目標/Course objectives
●これまで日本農業は衰退産業であると誤解されきた。
●だが実態は逆で、農業は高度な知識集約型産業であって、成長産業である。
●本講義を通じて、日本農業の本当の姿を知ること、及びこれから職業選択や日常生活に生かせる知識を習得すること
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
履修にあたって特別の専門知識は必要ない。「日本農業の現状・将来について知りたい人」、「職業としての農業(アグリビジネス)に可能性があるか否かを知りたい人」、「日本の農業を強くしたい人」には、本講義は有益である。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ●この回のみオンデマンドによる「オリエンテーション&日本農業と自由貿易体制」 
岩田伸人 (青山学院大学地球社会共生学部教授)
事前学習/Preparation  自由貿易体制(=WTO体制)について調べておく。
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
2
授業計画/Class 農業農山村の新たな可能性と課題 野中和雄 (NPO法人中山間地域フォーラム副会長)
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する文献やインターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
3
授業計画/Class 欧米の最新事情から読み解く農業の国際潮流  石井勇人 ((株)共同通信社取締役・アグリラボ所長)
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する文献やインターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
4
授業計画/Class 日本の食料・農業・農村政策  青山豊久(農林水産省官房総括審議官)
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する文献やインターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
5
授業計画/Class 和食文化と日本農業  西 経子 (農林水産省官房国際政策課長)
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する現状を考え、インターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
6
授業計画/Class 農業経営の現場を考える  澤浦彰治 ((株)野菜くらぶ代表取締役)
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する現状を考え、インターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
7
授業計画/Class 地球温暖化と森林・林業    福田隆政(日本森林技術協会理事長
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する現状を知るためにインターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
8
授業計画/Class 企業の農林業参入と地域再生    米田雅子(慶応義塾大学特任教授)
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する現状を知るためにインターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
9
授業計画/Class 水資源・水環境・水文化     太田信介 (元(独)水資源機構副理事長) 
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する現状を知るためにインターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
10
授業計画/Class 地域活性の現場から  玉沖仁美 ((株)紡(つむぎ)代表取締役
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する現状を知るためにインターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
11
授業計画/Class コロナ下における日本の食料安全保障  末松広行 (前・農林水産省事務次官)
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する現状を知るためにインターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
12
授業計画/Class 食と農のイノベーション  岩曽 聡 (農林中央金庫)
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する現状を知るためにインターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
13
授業計画/Class バイオとAIが拓く食・農・里の未来  丸山清明 ((元)農研機構中央農業総合研究センター所長)
事前学習/Preparation 講義テーマに関連するインターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
14
授業計画/Class 商社の農業ビジネス    小山 剛  (前・三菱商事(株)部長・伊藤ハム米久ホールディングス(株))
事前学習/Preparation 講義テーマに関連する現状を知るために、インターネット情報などを事前に調べておく
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
15
授業計画/Class 総括 (まとめ)    岩田伸人 (青山学院大学地球社会共生学部教授)
事前学習/Preparation これまの講義内容を概観しておくこと。
事後学習/Reviewing 今回の内容を振り返り、各自で整理しておく。
授業方法/Method of instruction
【対面授業(通常型)】
●第1回目
は、オンデマンド(=コースパワーにWebexでの講義録画を添付)で行う。
第2回目以降は、教室での対面による通常講義スタイルで行う。
各講師は、その分野の第一人者であり、講義は講師自らが作成したパワーポイントの図表を用いて行う。
毎回、講師の講義(プレゼン)後は、自由な意見交換の時間となるので、日頃の疑問をここで解消されたい。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% ●成績評価は「リアクションペーパ等の提出物」&「講義への積極的な発言」の総計で算出。
●リアクションペーパーは、各講師の毎回の講義終了時に提出する。
●リアクションペーパーは15点(約10%=優れた内容),10点(約80%),5点(約10%)の3段階評価。
●各講師の講義は、次回に持ち越さず一話完結型であるので注意されたい。
●全回出席は当然であるので、出席回数は合否の評価対象ではない。

教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 教科書はない。
2 前日までにコースパワーにアップロードする授業当日用のパワー・ポイント資料を使用。
メッセージ/Message
●本講義を通じて、日本の農業が、すでに近未来の新しい産業に変化している実態を知ることができる。
近未来の農業ビジネスは、大規模化された高収益なハイテク・ビジネスに向かっている。
●これからの農家(=農業者)には、国土保全と日本国民の生命と健康を支える使命感が、今以上に必要になる。
●消費者(=生活者)のニーズと、生産者のニーズが、マッチングしたとき、最高の"農業"が実現する。
●農業には、緑豊かな自然を保全し、日本古来の文化やその土地に根ざした歴史的な伝統を継承する役割もある。
キーワード/Keywords
農業、第6次産業、豊かさ、アグリビジネス、食料安全保障、食料自給率     林業、土木、食料、農産物、高齢化、貿易、ベンチャー、農村、棚田、和食     里山、農業経営、農水省、農林水産省、商社、食品