講義内容詳細:文化財科学Ⅱ/文化財科学

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 文化財科学Ⅱ/文化財科学
英文科目名/Course Title (English) Scientific Research of Cultural Property Ⅱ/Scientific Research of Cultural Property
学期/Semester 後期/通年 単位/Credits 2/4
教員名/Instructor (Japanese) 三浦 麻衣子
英文氏名/Instructor (English) MIURA, Maiko

講義概要/Course description
人類にとってかけがえのない文化財は、これまでに多くの人々によって守られ、伝えられてきました。今を生きる私たちも未来に向けて、大切な文化財を守り、継承していくことが求められています。文化財には過去を生きた人々の営みや工夫や知恵などの多くの情報が含まれ、この情報は今を生きる私たちにより良く生きていくためのヒントを与えてくれます。
本講義では文化財の持つ情報を引き出すための自然科学的な調査方法を紹介し、過去の人々が作り上げた文化財の製作技法や材料の入手状況等を解説します。また、自然科学的な調査の結果は文化財を後世に残すための保存方法の検討にも生かされていますので、文化財の保存にも触れながら講義を進めて行きます。


達成目標/Course objectives
①文化財に対する自然科学的調査に関心を持ち、調査から得られた情報が文化財研究にどのように利用されているか理解する。
②文化財を後世に残すための保存・活用方法について理解する。


授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション(講義内容、授業の進め方)
オンライン授業(オンデマンド型)での実施
事前学習/Preparation 興味のある文化財について調べる。
事後学習/Reviewing 講義資料の内容を理解する。
2
授業計画/Class 文化財とは何か
事前学習/Preparation 前回の講義で配布した資料を読む。
事後学習/Reviewing 文化財がどのようなものであるか理解する。
3
授業計画/Class 文化財の自然科学的調査―光学的手法―
事前学習/Preparation 文化財に対し、どのような科学的調査が行われているか調べる。
事後学習/Reviewing 非破壊・非接触で文化財を調査する方法について理解する。
4
授業計画/Class 金属製文化財の調査①-金属製文化財の材質-
事前学習/Preparation 金属製文化財にどのようなものがあるか調べる。
事後学習/Reviewing 金属製文化財の調査方法と材質の種類についてまとめる。
5
授業計画/Class 金属製文化財の調査②ー製作技法-
事前学習/Preparation 身近な金属製品がどのように作られているのか調べる。
事後学習/Reviewing 金属製文化財の製作技法をまとめる。
6
授業計画/Class 金属製文化財の調査③-産地推定ー
事前学習/Preparation 銅合金製文化財、鉛製文化財にどのようなものがあるか調べる。
事後学習/Reviewing 銅合金製・鉛製文化財の産地推定方法と日本における銅合金製・鉛製文化財の産地の時代変遷をまとめる。
7
授業計画/Class 土器・陶磁器の調査
事前学習/Preparation 土器・陶磁器にどのようなものがあるか調べる。
事後学習/Reviewing 土器・陶磁器の調査方法について理解し、製作技法や生産地についてまとめる。
8
授業計画/Class ガラス製品の調査
事前学習/Preparation ガラス製品にどのようなものがあるか調べる。
事後学習/Reviewing ガラス製品の調査方法を理解し、製作技法や流通についてまとめる。
9
授業計画/Class 石製文化財の調査
事前学習/Preparation 石製文化財にどのようなものがあるか調べる。
事後学習/Reviewing 石製文化財の種類、調査方法、産地についてまとめる。
10
授業計画/Class 考古資料の調査ー出土動物骨ー
事前学習/Preparation 遺跡からどのような動物の骨が出土しているか調べる。
事後学習/Reviewing 過去の人々と動物の関わりをまとめる。
11
授業計画/Class 考古資料の調査ー出土植物遺体ー
事前学習/Preparation 遺跡からどのような植物が出土しているか調べる。
事後学習/Reviewing 出土植物遺体の調査方法と過去の人々の農耕や食生活についてまとめる。
12
授業計画/Class 遺跡の科学的調査
事前学習/Preparation 科学的に調査された遺跡の事例を調べる。
事後学習/Reviewing 遺跡の科学的調査方法を理解し、まとめる。
13
授業計画/Class 絵画資料の調査
事前学習/Preparation 絵画資料にはどのようなものがあるか調べる。
事後学習/Reviewing 絵画資料の調査方法を理解し、まとめる。
14
授業計画/Class 文化財の保存環境と活用
事前学習/Preparation 博物館等で文化財がどのように展示され、保管されているか調べる。
事後学習/Reviewing 文化財にとって最適な保存環境を理解したうえで、文化財の活用について考えをまとめる。
15
授業計画/Class まとめ
事前学習/Preparation これまでの講義内容を復習する。
事後学習/Reviewing 文化財の調査方法についてまとめる。
授業方法/Method of instruction
本講義は対面授業(通常型)で実施します。
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 60% 学期末レポート
通年科目の履修者の成績評価方法・・・30%
2 平常点 In-class Points 40% 毎回の講義後に課題、小レポートを提出
通年科目の履修者の成績評価方法・・・20%
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 毎回資料を配布し、講義を進めます。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
コメント
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1 基本の書籍を以下に示します。そのほか各講義の際に内容に合ったものを紹介します。
2 沢田正昭 文化財保存科学ノート 近未来社 1997
3 京都造形芸術大学編 文化財のための保存科学入門 角川書店 2002
4 馬淵久夫・杉下龍一郎・三輪嘉六・沢田正昭・三浦定俊編集 文化財科学の事典 朝倉書店 2003
5 三浦定俊・佐野千絵・木川りか著 文化財保存環境学 第2版 朝倉書店 2016
6 齋藤努監修 必携考古資料の自然科学調査法 ニューサイエンス社 2010
メッセージ/Message
科学に関する素養は必要ありません。文化財に興味のある学生を希望します。
受講者の構成により、進度を若干変更する場合があります。
キーワード/Keywords
文化財     保存科学     文化財科学     考古科学