講義内容詳細:日本文学演習Ⅱ[14]

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 日本文学演習Ⅱ[14]
英文科目名/Course Title (English) Seminar in Japanese Literature Ⅱ [14]
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 佐藤 泉
英文氏名/Instructor (English) SATO Izumi

講義概要/Course description
各回、課題となる文章を担当者が調査分析し、口頭発表し、参加者が討議する形式で行います。
題材は、おもに戦後の批評です。
実践を通して文学研究の方法を学ぶとともに、作品を通して戦後思想史を理解できるようになることを意識して進めます。
達成目標/Course objectives
戦後の批評、文学論争を通して、時代と文学思想の関係を理解する。
戦前と戦後の思想の枠組みを理解する。
評論文を読んで、筆者、時代背景、その時代の問題意識を調査、分析し、口頭で発表する技能を身につける。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
2020年度に履修した人は、本年度の履修はできません
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション オンライン(オンデマンド)で実施
事前学習/Preparation 文学研究とはなにかを考える。
事後学習/Reviewing 批評、文学論争の意味について考える。
2
授業計画/Class 本多秋五「歴史・芸術・人間」を読む。
「近代文学」派について
事前学習/Preparation 時代背景を調べる。
「近代文学」派について調べる。
事後学習/Reviewing 他の評論を読み、関連を考える。
3
授業計画/Class 坂口安吾「堕落論」を読む。
事前学習/Preparation 坂口安吾について調べる。
事後学習/Reviewing 他の作品について調べる。
4
授業計画/Class 坂口安吾「白痴」を読む
事前学習/Preparation 全体を読み、流れを把握しておく。
事後学習/Reviewing 堕落論との関係を考える。
5
授業計画/Class 丸山眞男「超国家主義の論理と心理」を読む
事前学習/Preparation 敗戦までの歴史的転機を調べる。
事後学習/Reviewing 文学と戦争について、事例をあげて考える。
6
授業計画/Class 竹内好「近代とは何か」前半を読む
事前学習/Preparation 時代背景を調べる。
事後学習/Reviewing 筆者について調べる。
7
授業計画/Class 竹内好「近代とは何か」後半を読む
事前学習/Preparation 作家について、知らべる。
事後学習/Reviewing 他の近代論について調べる。
8
授業計画/Class 竹内好「近代主義と民族の問題」を読む
事前学習/Preparation 近代文学史について調べる。
事後学習/Reviewing 筆者の主張を丸山眞男と比較する。
9
授業計画/Class 谷川雁「無を噛みくだく融合へ」「工作者の死体に萌えるもの」
事前学習/Preparation 筆者について調べる。
事後学習/Reviewing 戦後初期の課題について把握する。
10
授業計画/Class 森崎和江「二つのことば・二つのこころ」を読む
事前学習/Preparation 筆者の経歴について調べる。
事後学習/Reviewing 戦前戦後史について調べる。
11
授業計画/Class 小田実「難死の思想」
事前学習/Preparation 筆者について調べる。
事後学習/Reviewing 戦争観について調べる。
12
授業計画/Class 丸山眞男「現代における人間と政治」を読む
事前学習/Preparation 丸山眞男について調べる。
事後学習/Reviewing チャップリン映画を見る。
13
授業計画/Class 花田清輝「古沼抄」を読む。
事前学習/Preparation 全体を読み直して、論旨を明確に把握する。
事後学習/Reviewing 戦後の言説について、さまざまな見方を調べる。
14
授業計画/Class 昭和の批評 まとめ  戦前、戦争期、戦後初期
事前学習/Preparation 歴史的な背景を調べる。
事後学習/Reviewing 現在時点から、戦後批評の問題意識の持つ意味を考える。
15
授業計画/Class 論文の書き方について
事前学習/Preparation 学術論文の事例を見て置く。
事後学習/Reviewing 卒業論文のテーマ、構成についてイメージできるようにする。
授業方法/Method of instruction
第一回授業はオンラインで実施、第二回から対面となります。

研究方法について講義を行ったのち、各自の発表と議論によるゼミ形式の授業を行います。
発表者はレジュメを用意し、発表を行ったあと、その内容をめぐる議論を行います。

発表のレジュメに関しては、
(1)同時代評、周辺言説、作者自解、先行研究などの資料、
(2)テキスト内の語彙に関する注釈、
(3)問題編成、
(4)テキストの分析と考察、
(5)結論、
などを明確にし、議論の叩き台とします。
演習の参加者はテキストを精読し、自分の「読み」を示すことができるようにして演習に臨むこと。
ゼミでは他者への敬意をはらいつつ、容赦のない相互批評を展開してもらいます。 
成績評価方法/Evaluation
1 100% 発表、討議など、授業への貢献度5割と、まとめのレポート5割の総合評価。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
 
1 佐藤泉 戦後批評のメタヒストリー 近代を記憶する場 岩波書店 2005
2 佐藤泉 一九五〇年代、批評の政治学 中央公論社 2018年
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