講義内容詳細:東洋史演習A(1)

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 東洋史演習A(1)
英文科目名/Course Title (English) Seminar in Oriental History A (1)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 青木 敦
英文氏名/Instructor (English) AOKI Atsushi

講義概要/Course description
このゼミの目的は、卒論と就活の2つを突破することを目標とする。もちろん、どのような内容の卒論か、どの進路を目指すかは、各自の自由であるが、それを全面支援するのがこのゼミである。特に
・宋代走馬承受と宋代の監察制度
・判語に見る宋代刑罰の規定と運用
・宋代女子の財産権と地位
・清代台湾の移民と開発
・北宋理学における孟子の地位・
・姓氏の移動過程から見た南中国社会開発史
・ウイグルの関係から見た唐朝の国際政治
・四部分類の成立と古典の展開
・判語と判牘から見た中国近世社会の特質
・16-17世紀阮朝ベトナムと世界経済
を課題として、自己の研究の発展を目指す。


就活に関しては、コロナの影響などで支障が出ない限り、担当職員が心得を講義、質疑応答を行う。また、ゼミOBを呼び、話しを聞き、質疑応答に応じてもらう。就活時期に発表が重ならないよう、ゼミでは極力調整する。

卒論を目標とした内容は、以下の通り。

・ゼミは随時、漢文講読と各自のレポート・卒論に向けた研究発表を主体とする。

・そのほかに、3年は4,5月に、幅広い分野の課題を自ら当たってみるとともに、四部分類、書誌学など東洋史の基礎となる事項について調べ、発表する。そして史料学/学問文章構成/編集方法の基礎事項を理解する。その上で、2万字レポート(2021年2月初旬提出)を作成すべく、自らの課題を設定し、日常的に漢文読解訓練を行う。漢文は、日本語古文文法で下しをする。

・4年生は2万字レポートを基礎に(2万字レポートから方向転換しても構わないが、そのような事例はいままで少ない)、5月ころ卒論題目届けを出し、就活が終わり次第、全力で卒論に取り組めるようにする。11月後半に卒論を1度完成させ、教員の指示に従って、書き直す。

なお、漢文の課題は、宋代の裁判関連史料を中心とし、随時、各自のレポート・卒論に関連する内容の史料を読む。


達成目標/Course objectives
本ゼミの目標は3つである。
①卒論を突破する。
②就活に勝つ。

3年は、4年次になったら順調に卒論に入れるように準備する。4年は、就活時期が過ぎ卒論に集中できるようになったら一気に突っ込めるように就活と並行して材料を溜めておく。

履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
LINEのグループに入って下さい。LINE、スマホを持ってないなどの人も、別に連絡するから大丈夫です。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オンデマンド授業。コースパワーを、必ず前日までに参照すること。
授業体勢の説明を行う。
事前学習/Preparation 各自準備
事後学習/Reviewing 自分でまとめる
2
授業計画/Class この回以降、4,5月に、以下のことをやる。

甲:まずどの時代と地域・分野をやるか取りあえず決める。つまり、
[地域と時代]:中国(先秦、秦漢、魏晋南北朝、隋唐、宋元、明清)・朝鮮(古代、李朝)・台湾・東南アジア・内陸アジア
[分野:官制]、法制、財政、政治、社会、経済、文化
の中から各自暫定的に自己の分野(もちろん複数でいい)を決める。
図書館などの利用が可能であれば、『回顧と展望』の当該部分を10〜20年分読み、面白そうなやつを集め、3年前期に課題設定し発表する。その上で、面談などしつつ、自分の解題を設定し、いくつか研究発表をする。


乙:60編ほどの課題論文の中から、幾つか自分に合ったものを選び、研究発表する。また、これと平衡して、漢文訓読を行う。実際、2019年度基礎演習で行ったものを、もう少し徹底(調べごとなど)させた形である。
とにかく3年は、前期が終わる夏休み明けに2万字レポートの課題設定なので、それに向けてがんばる。


(b) 4年は2020年2月提出レポートに基づき(基づかずにダイナミックにトピックをかえても可)、卒論題目届けを決定。以後、只管(ひたすら)卒論に向けて研鑽。開催可能なら夏の集中ゼミでの成果発表、11月下旬(予定)の他ゼミとの卒論合同発表会、そして卒論提出である。


(c) 3,4年共通漢文テキストは教員から指定。



事前学習/Preparation 所収雑誌などをCiNiiなどで見ておく。
事後学習/Reviewing やりなおし
3
授業計画/Class 3年担当
①起居注と実録と正史
②漢籍目録(東北大学、東京大学東洋文化研究所、京都大学、北京図
書館)と漢籍データベース
事前学習/Preparation 担当者は読み直してくる。
事後学習/Reviewing 復習する。
4
授業計画/Class 3年担当
①四部分類
②金石と石刻のいろいろ。
事前学習/Preparation 担当者は、自分で読み直してくる。
事後学習/Reviewing 復習する。
5
授業計画/Class 3年担当
①簡牘、抄本、版本、校点本。官刻/家刻/坊刻
②武英殿聚珍版叢書、四部叢刊、百部叢書、叢書集成、正誼堂全書
事前学習/Preparation 反省
事後学習/Reviewing 反省
6
授業計画/Class 4年生、卒論題目の決定。
事前学習/Preparation 「宋代法制史料」などを中心に準備する。
事後学習/Reviewing 復習する。
7
授業計画/Class 担当者A:東アジアの地方行政制度
担当者B:回顧と展望(以下の授業でも2番目の担当者は同様)
事前学習/Preparation Aは省、府、州、県などについて、調べレポートを書く。
Bは回顧と展望から自己の課題について、文献を集めて発表する。
事後学習/Reviewing わかんなかったところをやり直す。
8
授業計画/Class 担当者C:世界の裁判制度
担当者D:回顧と展望
事前学習/Preparation C:知県、判語、判牘、胥吏、訟師についてレポート。

事後学習/Reviewing よくわかんなかったらやり直す。
9
授業計画/Class E:東アジアの法典
A:回顧と展望
事前学習/Preparation E:唐律および宋以前の律、律令格式、敕、明清の律・条例、慶元条法事類、元典章、問刑条例などについてレポート。
事後学習/Reviewing 反省。
10
授業計画/Class B:金末の政治
C:回顧と展望

事前学習/Preparation 金末の政治について、文献を探す。飯山など。
事後学習/Reviewing 復習する
11
授業計画/Class E:回顧と展望
予備:宋代の学校 or 宋元代の泉州の地位と東シナ海貿易


事前学習/Preparation 予備がいる場合は梅村 or 泉州について土肥祐子「南宋中期以降における泉州の海外貿易」『お茶の水史学』を参照し、真徳秀の『真文忠公集』『宋会要』の関連個所を読む。
事後学習/Reviewing 復習する。
12
授業計画/Class 三年生「女子分法論争史」
事前学習/Preparation どういう論争なのか分かりやすく説明する。
事後学習/Reviewing 復習する。
13
授業計画/Class 三年生「前近代東アジアの農村金融」
事前学習/Preparation 宋代を中心に、抵当などについて調べる。法律が中心となる。
事後学習/Reviewing 復習する。
14
授業計画/Class 三年生「13−15世紀華北の地方行政と出土官印」
事前学習/Preparation 考古関係文献を収集し、文字文献を補強する。
事後学習/Reviewing 復習する。
15
授業計画/Class 判語と裁判
事前学習/Preparation 下書き
事後学習/Reviewing やりなおし
授業方法/Method of instruction
対面を基本とする。
通常のゼミ形式によって行う。しかし、3年次参加者が7名以下の場合、各参加者との相談の上、月に数回をメドに、オンライン形式を取り入れる。
事項レポートを書くときに使うのは、アジ歴、弘文堂、大漢和、平凡社大百科事典、中国歴史大辞典がマスト。漢文を調べるときは角川新字源と大漢和、あとレジメに載せる必要はないが理解のためにGoogleで””付き検索、中央研究院の漢籍電子文献(http://hanji.sinica.edu.tw/)。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 読み、試験、出席率(オンライン/対面)などを勘案して、おおよそA:70%、B:20%、C:10%とする。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
コメント
Comments
 
1 青木敦 宋代民事法の世界 慶應義塾大学出版会 2014 よんどけ
メッセージ/Message
楽しくがんばりましょう。
その他/Others
授業内容ではなく、授業に関連したことですが、このゼミでは、やりたくなったときにコンパ(コンパでは研究上の問題点なども話しあいます)はやることがありますが(コロナ時期以外も)、メンバーが雰囲気的に参加を求められるようなことはありません。やりたい人がやりたい時にやるだけです。
4年は、2020年度研修旅行にかわる、非公式研修旅行を行う予定です。
キーワード/Keywords
台湾     中国     朝鮮     東南アジア