講義内容詳細:日本史特講(9)

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 日本史特講(9)
英文科目名/Course Title (English) Lecture on Japanese History (9)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 嶋村 元宏
英文氏名/Instructor (English) SHIMAMURA Motohiro

講義概要/Course description
日本開国期の諸問題Ⅰ: テーマ「「鎖国」から開国へ」
 グローバル化が進む今日、西洋諸国と新たな関係構築がなされた日本の開国過程を学ぶことは意義あるものといえます。
 そこでこの授業では、「世界史」のなかに日本の開国過程を位置づけつつ、そもそも「鎖国」とはいかなるものであったのかということから説き起こし、西洋諸国と〝再会〟を果たし、条約の締結により西洋国際社会へと参加することとなった幕末日本について考察することで、開国の意義を追究します。
 なお、科学研究費による「開国期・危機的状況下における知識人の情報活動と意思決定過程に関する研究」(18K000952)の成果の一部を授業に取り入れていく予定です。
達成目標/Course objectives
 開国の歴史を通して、日本の国際化、近代化に関心を持ってもらうとともに、危機的状況下におけるリーダーの条件とはいかなるものか、さらには「正解のない問題」にいかに対処するかなど、複眼的な思考をもとに課題を解決する力を育むことを授業の到達目標とします。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
 必須ではありませんが、青山スタンダードにおける、外交史や国際法に関連する科目を受講しておくと理解が深まるでしょう。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 開講にあたって:なぜ日本の開国について学ぶのか?
(講義の目的、内容、進め方について)
【初回のみオンライン授業(オンディマンド型)で実施します。】
事前学習/Preparation これまでに学んだ日本近代史について復習しておくこと。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
2
授業計画/Class 1.「鎖国」とは何か (1) 田沼意次の対外政策:ロシアの接近と「鎖国」下の蝦夷地開発論
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
3
授業計画/Class 1.「鎖国」とは何か (2) 松平定信の対外政策:ロシアの接近と「鎖国」祖法の成立
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
4
授業計画/Class 1.「鎖国」とは何か (3) 幕末の世界認識:箕作省吾『坤輿図識』を中心に
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
5
授業計画/Class 1.「鎖国」とは何か (4) 「攘夷・鎖国」論:会沢正志斎『新論』他
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
6
授業計画/Class 1.「鎖国」とは何か (5) 「通商・開国」論:大槻磐渓『献芹微衷』他
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
7
授業計画/Class 2.ペリー来航 (1) アヘン戦争と海外情報:『オランダ別段風説書』他
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
8
授業計画/Class 2.ペリー来航 (2) 阿部政権の特質:危機的状況下におけるリーダーの条件
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
9
授業計画/Class 2.ペリー来航 (3) 「和親」条約の意義:「鎖国」は終わったのか?
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
10
授業計画/Class 2.ペリー来航 (4)ペリーを描き伝えた人々:大槻磐渓編『金海奇観』を中心に
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
11
授業計画/Class 3.通商条約の成立とその意義 (1)イギリス香港総督のアジア外交
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
12
授業計画/Class 3.通商条約の成立とその意義 (2)外交官としてのタウンセンド・ハリス
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
13
授業計画/Class 3.通商条約の成立とその意義 (3)幕府の通商態勢への転換
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
14
授業計画/Class 3.通商条約の成立とその意義 (4)通商条約の不平等性
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
15
授業計画/Class まとめ:日本の開国と現代
事前学習/Preparation Course Powerで指示します。
事後学習/Reviewing 授業中に指示します。
授業方法/Method of instruction
【対面授業(通常型)で実施します。(初回は除く)】
 各回の授業は、原則次の手順で行います。
 1.Course Powerから、使用する教材を事前にダウンロードしてください(プリントアウトするかしないかは、各自の判断に任せます)。
 ※近年、幕末史や開国史の研究で利用されるようになった図像資料および主要な文献史料については、Course Powerで、あるいは授業時に直接配布、紹介します。 
 2.事前に教材に目を通し、疑問点があれば、Course Powerの「質問」機能などを使い質問してください(授業開始前に質問することもできます)。
 3.授業時間中の解説に対し、質問や意見を募ります。
 4.授業内容の理解度を図るため、授業中にクイズを出すことがあります。
 5.毎回の授業ごとに、コメント・ペーパーの提出を求めます。
 
 ◇ 受講生の理解度に応じて講義順序を入れ替えたり変更したりする場合があります。

成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 50% Course Powerが集計する「積極性」、「継続性」、「計画性」を指標とする合計ポイント(各指標10pt。合計30pt。)をもとにします。
・「積極性」:活発性やより多く行動できているかを計ります。
・「継続性」:繰り返し一定の行動ができているかを計ります。
・「計画性」:早くから行動しているかを計ります。
詳細は、第1回授業時に説明します。
2 その他 Others 50% 毎回の授業で、コメントをCourse Powerの「レポート」、「テスト」、「アンケート」機能により提出してもらいます。評価基準は、その際説明します。
※従来コメント・シートで提出していたものを、Course Powerの各種機能を使うようにするものです。
※定期(筆記)試験や学期末レポートは実施しません。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1  特に定めません。
参考書/Reference books
 コメント
Comments
 
1 この授業に関わる文献、史料等については、授業中に適宜紹介します。
メッセージ/Message
 
 心待ちにした対面でのみなさんの顔を見ながら授業をおこなえることを楽しみにしています。
 この1年、オンライン授業というかつて経験をしたことのない状況の中で授業をせざるを得ず、みなさんも不安のなかで授業を受けていたのではないでしょうか。教室に集まり教員の授業を受けるというこれまで当たり前であったことができず、端末を見続けるというのはかなりのストレスだったと思います。
 そのような経験をしたからこそ、仲間と一緒に授業を受けられるという時間を無駄にしないようにしてください。逆にオンラインでは経験できない、対面だからこそできることをしっかりやり遂げてもらいたいと思います。

 なお、この授業は日本史専攻の学生を主たる対象としていますが、それ以外の専門分野を専攻する学生の受講も歓迎します。高校までに学んだ、19世紀の日本史と世界史の知識があれば十分です。
 授業で扱うのは、開国史を含む明治維新史です。明治維新は、開国したことにより、政治体制のみならず、法制度、経済、教育などすべての面にわたった大変革です。それをふまえた上で日本開国史に関わる問題について、さまざまな視点、立場から考察していきます。各自の専攻分野から考えてもらいたいと思います。

 知識としての歴史を覚えるのではなく、史料にもとづいて歴史を考える楽しさを伝えたいと思います。

 今しかできないことを、できる範囲で、みんなと一緒にしっかりやっていきましょう。

その他/Others

 Course Powerを活用しますので、ひととおりの操作ができるようにしておくこと。 

〇 原則として、出席登録、授業中のクイズへの回答などの回収は、Course Powerにより行います。ポータブル・ノートPCやタブレット端末を所有している場合は、持参してください。
 ※ 端末を用意できない場合は、従来通り紙により行います。
〇 レジュメ、史資料等はすべてCourse Powerからダウンロードしてもらいます。
〇 連絡事項もCourse Powerで行いますので、定期的に確認するようにし、重要情報の見逃しがないようにしてください。
〇 授業時以外での教員への連絡、質問などもCourse Powerによりおこなってください。また、急ぎの場合は、上記「授業関連情報」記載のAOYAMA-mailのアドレス宛に連絡してもらって構いません。ただし、常時確認できる状況ではありませんので、瞬時に対応することはできません。

キーワード/Keywords
開国     鎖国     日米関係     横浜     国際社会     異文化     多文化     交流     コミュニケーション     日本観     文明