講義内容詳細:法律学

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 法律学
英文科目名/Course Title (English) Legal Science
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 細川 良
英文氏名/Instructor (English) HOSOKAWA Ryo

講義概要/Course description
 近年、学校教育における法学教育に関心が高まっていると言われています。この背景には、私たちが社会生活を営む上で、法についての基本的な知識をもつことの重要性が以前に比べて増していることがあると考えられます。

 本講義では、以下のように進めていくことを予定しています。まず、人が生まれてから死ぬまでの人生において経験する様々な出来事を取り巻く法的なルールについて考えていきたいと思います(第1回~第11回)。続いて、最近になって現れるようになった新たな社会的な課題について、法学の観点ではどのように考えられているか、そのルールや議論について考えていきたいと思います(第12回以降)。

 ただし、これはあくまでも現時点での予定です。進行状況や皆さんの理解度、関心などに応じて進行速度や講義内容が変更になることもありますので、承知しておいてください。同時に、前記の通り、受講者の皆さんの希望等に応じて、講義の内容や比重を変えることも考えています。皆さんの関心を積極的にリクエストしてください。

 また、2021年度については、本シラバス執筆時点では、教室での「対面授業」が予定されています。しかし、COVID-19、いわゆる「新型コロナウイルス」の感染状況次第では、講義の方法や進行が変更となる可能性があります。ご了承ください。
達成目標/Course objectives
 法を学ぶということには大きく分けて2つの意味があると考えられます。第一には現代社会において法律が具体的にどのような規制をしているかという知識を身につけるということ、そして第二にはこうした法制度に通底する「法的思考(リーガルマインド)」を身につけるということです。

 本講義では、第一に、比較的日常生活に近い領域における分野において、どのような法により規律がなされているのかという基本的な知識を身につけることを目標とします。第二に、情報化社会や環境問題、グローバル化の問題など、最近において新たに生じている社会的な課題について、法学の観点ではどのように考えられているかを知ることを目標とします。第三に、以上のような法学の知識、考え方を踏まえ、またどのような議論がなされているかということを知ることを通じて、「法的思考(リーガルマインド)」の一端を身につけることを目標としたいと思います。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特にありません。法律・法学に関する知識がない方が履修することを前提として講義を構成します。したがって、事前に法律系の科目を履修しておかなければならないということはありません。むしろ、ニュースなど、社会の動向に常に関心をもっていることが大事かなと思います(講義の中で、「時事ネタ」を積極的に扱うというわけでは必ずしもありませんが)。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 『ガイダンス』

本講義の進め方について説明するとともに、「法律学を学ぶ」ということの意味について、お話しします。
事前学習/Preparation Course Powerに資料を配信する予定です。配信した資料を事前に読んでおいてください。
また、Course PowerとWebexの使い方に慣れておいてください。
事後学習/Reviewing 授業における説明を踏まえ、今後の講義について考えてください。
2
授業計画/Class 誕生と法
-会社や学校などの組織・団体も、法学の世界においては、「人」として扱われることがあります。そもそも、法的な意味での「人」とは何か?について考えてみましょう。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第1章「誕生と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
3
授業計画/Class 子どもと法
-この回では、法的な意味において、子どもと大人ではどのような違いがあるのか、子どもにはどのような権利があるのかについて考えます。また、子どもを取り巻く最近の環境について、法学の立場から問題を考えてみたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第2章「子どもと法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
4
授業計画/Class 市民生活と法
-私たちは社会のシステムのあり方と、どのような形で関わることができるのでしょうか。私たち一人一人の、政治や社会システムへの参加について、法学においてはどのように考えられており、どのような制度が確立されてきたのか、考えてみたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第3章「市民生活と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
5
授業計画/Class 消費生活と法
-現代の社会においては、ものを買う、家を所有する、部屋を借りるといったところから、労働力を提供して報酬を受け取るといったところまで、何らかの経済的取引を行うことが不可欠となっています。そして、こうした取引は「契約」を通じて行いますが、では「契約」をする際に、どのようなルールが存在するのか考えたことはあるでしょうか。この回では、「契約」についての基本的なルールと、契約に関するトラブル、特に消費者問題とその帽子のためのルールについて、考えてみたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第4章「消費生活と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
6
授業計画/Class 職業生活と法
-現代社会においては、多くの人が、企業等に雇われるなどして、働くことの報酬として支払われる給料の収入によって生活しています。皆さんの多くも、卒業後は、企業や国・地方自治体等で働き、その報酬によって生活することとなるでしょう。こうした「労働」をめぐって、どのようなルールが存在しているのか、また「労働」をめぐって、現在どのような動きがあるのかなど、労働をめぐるさまざまな問題について、法学の観点から考えてみたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第5章「職業生活と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
7
授業計画/Class パートナーシップと法
-少なからぬ人にとって、結婚などの新たなパートナーとの関係の確立は、人生の中での一大イベントとなるでしょう。それまで、他人だった人が、身内になるということは、とても重大な意味を持つことになります。この回では、結婚と離婚についての法的なルールはどうなっているのか、また、同性婚などの新しいパートナーシップの形についてどのように考えられているのか、検討したいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第6章「パートナーシップと法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
8
授業計画/Class 事故と法
-科学技術や産業が大きく発展した現代社会は、他方で、日常生活においても事故による危険と常に隣り合わせとなってしまっています。このような事故が不幸にも発生してしまった場合、その被害者はどのような救済を受けることができるのでしょうか。事故の際の責任と救済の問題について、考えてみたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第7章「事故と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
9
授業計画/Class 犯罪と法
-犯罪に巻き込まれた経験のある人はそう多くはないと思いますが、ニュース報道などを見れば分かる通り、現実には犯罪は日常的に存在しています。それでは、犯罪を取り締まる刑事法と呼ばれる法は、実際のところどのようなルールとなっているのでしょうか。犯罪あるいは刑事裁判について、多くの報道がなされているにも関わらず、刑事法のルールがどのようになっていて、なぜそうなっているのかということについては、案外知られていないように思います。この回では、刑事法は何のために存在し、どのようなルールとなっているのか、なぜそうなっているのかについて考えてみたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第8章「犯罪と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
10
授業計画/Class 高齢化と法
-現在の日本において重要な課題となっていることの1つが「高齢化社会」の到来であることは疑いのないところでしょう。この高齢化社会の到来は、年金などの社会保障制度はもちろん、介護の問題など、多岐にわたっており、継続的に様々な政策が取られているものの、問題が解決しているとは言い難いのが現状です。この回では、現在取られている政策や法制度を検討しつつ、高齢化社会がもたらす様々な課題について、考えたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第9章「高齢化と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
11
授業計画/Class 終末期と法
-人は誰もがいずれは死に至ることになります。医療技術の発展によって、多くの人の命が救われ、人の寿命が伸びることとなりましたが、その一方で、どのように治療を受けるのか、どのような死に方をするのか、という新しくて困難な課題を生み出すことになりました。この回では、病気の治療や人に死というものについて、法学の観点から考えたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第10章「終末期と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
12
授業計画/Class 人の死と法
-人が亡くなったとき、それですべてが終わりというわけではなく、残された家族のことについて考える必要があります。特に、相続や遺言をめぐって、しばしばトラブルが起こりうることは、ニュースやドラマの世界で皆さんも見たことがあると思います。この回では、相続や遺言をについて、法的なルールはどうなっているのか検討したいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第11章「人の死と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
13
授業計画/Class 情報と法
-インターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に代表されるように、私たちを取り巻く社会は、この20年ほどで情報化が一気に発達していきました。その結果として、さまざまな課題やトラブルが生じているのもまた事実です。この回では、この情報化社会の進展という問題について、法学の観点ではどのように考えられているか、検討したいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第12章「情報と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
14
授業計画/Class 環境と法
-20世紀以降に新しく議論されるようになった社会問題の1つに、環境問題があります。公害問題に始まり、地球の温暖化など、多くの環境問題が社会的に関心を集めていることは皆さんも知っていることだと思います。この回では、環境問題について、法学の観点ではどのように考えられ、議論されてきたのかを検証したいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第13章「環境と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
15
授業計画/Class グローバル化と法
-この20年、情報化の進展とともに指摘されるのは、グローバル化の急速な発展です。今や日本においても外国人を目にすることはまったく珍しいことではなくなりましたが、その一方で、TPPの問題やとりわけ欧米などで取り上げられている移民の問題など、国境を超えた人の移動や経済関係の問題は、重要な課題の1つとなっています。その一方で、国と国との関係は、人間社会において古くから存在する問題でもありました。この回では、古くからの国と国との問題(国際法)と、最近のグローバル化に伴う問題について、考えてみたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、教科書の第14章「グローバル化と法」を一読し、自分で読んで理解できたこと、よく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、「分からないこと」「疑問に思うこと」を整理しておくことが大事です。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて、新たに理解できたこと、なおもよく分からないこと、疑問に思うことを整理しておいて下さい。特に、事前学習で「分からなかったこと」「疑問に思ったこと」について、自分なりに理解することができたかどうかが大事です。
授業方法/Method of instruction
現時点では、第1回講義を除き、教室での「対面授業」の形式で実施する予定です。
(第1回については、大学の指示により、講義内容をWebexのオンデマンド型講義で配信します)

そのうえで、講義の実際の内容としては、原則として、教科書を用いた一般的な講義形式で行います。
履修者の人数等、条件が許せば、皆さんの疑問・質問・リクエストに対応する形式をある程度取り込むことも考えています。
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 99% 現時点では、学期末の定期試験期間における期末試験、若しくは教場試験によって評価する予定です。ただし、コロナウイルスの感染状況によっては教場試験を実施することが困難となる場合もあり得ます。その場合は、Course Powerを用いた小テストの蓄積による成績評価、もしくはレポートによる評価に変更する場合があります。

いずれにせよ、何らかの変更が生じる場合には、Course Powerの「お知らせ」機能を用いて連絡しますので、Course Powerの「お知らせ」をチェックできるようにしておいてください。
2 平常点 In-class Points 1% 成績評価は原則として期末試験のみで決定しますが、平常点を「加点事由」として一定程度考慮する予定です。詳細は第1回講義で説明しますので、そちらを確認してください。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
1 森本直子, 織原保尚編 法学ダイアリー ナカニシヤ出版 2017.4 9784779511370 2000円+税
参考書/Reference books
 コメント
Comments
 
1 講義中に必要に応じて適宜紹介します。
メッセージ/Message
法律学というと、非常に難解で分かりにくいというイメージを持っている人もいると思います。しかし、実際のところ、法律(学)の多くは、何らかの形で皆さんの日常生活とかかわりがありますし、1つ1つの制度や議論には何らかの理由があるものです。その意味で、勉強しておいて損はないですし、説明されてみれば、意外に分かりやすい領域でもあります。本講義では、法律学に興味や関心がある人はもちろん、「法律って難しそうで苦手だけど・・・」という人も、ぜひ参加してもらえればと思います。