講義内容詳細:政治学

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 政治学
英文科目名/Course Title (English) Political Science
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 岡野 裕元
英文氏名/Instructor (English) OKANO Hiromoto

講義概要/Course description
 「政治」とは何だろう

 政治は、「統治」という概念と切り離せない関係がある。例えば、「善き統治」という言葉は、自分とは縁がないとつい思ってしまう。しかし、「組織を上手く運営するには」と話を置き換えると、その言葉を身近に感じるのではないだろうか。実際に私たちは、家族、学校(部活)、会社(アルバイト先)、地域等の多くの場において、組織に所属している。
 本講義では、政治学を理論的、体系的に説明することを試みる。政治学という学問の性質上、幅広い分野を対象とせざるを得ない。例えば、外交・安全保障、日本政治史、民主主義などの政治思想、国と地方の統治構造等である。とはいえ、限られた時間内で全て専門的に説明するのは難しい。やや表面的な内容の講義になってしまうかもしれないが、その点は事前に了承願いたい。
 受講者は、高校までの教育課程において、政治学の基礎的概念を学んできた。しかし、単に用語の暗記に留まっていたのではないだろうか。現実の政治的事象も見ることで、より理解が進むはずである。政治学の概念と世の中の最新の出来事とを結びつけることで、より理解が定着する。同時に、「政治や社会の変化が生じる原因は何か、どのような仕組みで意思決定がされているのか」等も意識することで、将来生じ得る事象の予測にも役立つ。すなわち、社会で生き抜く力を身につける。
 ところで、私たちが社会人になるにあたり、学校教育が目的としてきたことがある。その目的とは、教育基本法において、「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」と定められている。私たちが「平和で民主的な国家及び社会の形成者」となり、主体的に社会へ参画するためには、やはり政治学の考え方や知識が必要不可欠なのである。
達成目標/Course objectives
この講義の主要な達成目標は、以下のとおりである。
(1)政治的事象又は社会現象について、政治学の基礎知識を身につけ、主体的に分析及び表現し、正しい学術知識を他者へ伝達できるようになることを目指す。
(2)国際社会及び国際間の商取引において、活躍できるグローバル人材となるため、政治学の観点を中心とし、幅広い視点の習得を目指す。
(3)分かりやすい日本語文章の作成方法及び研究倫理について、実際に文書を作成することにより、その習得を目指す。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
講義する分野が毎回異なるため、必ず授業に出席できるようにしておくこと。ただし、教育実習、博物館実習等がある者は除く。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 政治、政治学とは—義務教育と大学教育で何が違うのか【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation 自分なりに政治学とはどのような学問であるのか考える。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

2
授業計画/Class レポートの書き方の復習
安全保障と日本の周辺環境【対面授業】
事前学習/Preparation 日米安全保障条約や日米地位協定など、日本の防衛に関する文書を読む。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

3
授業計画/Class 日本政治史(1)敗戦国としての日本外交【対面授業】
事前学習/Preparation 歴史的な流れを確認しておく。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

4
授業計画/Class 日本政治史(2)経済大国としての日本外交【対面授業】
事前学習/Preparation 歴史的な流れを確認しておく。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

5
授業計画/Class 国際政治経済の基礎—日本経済新聞を読むために【対面授業】
事前学習/Preparation 日本経済新聞を読み、自分がどれくらい経済分野の記事の内容を理解できるのか認識しておく。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

6
授業計画/Class 人口減少問題と教育格差—現代日本社会を考える【対面授業】
事前学習/Preparation 教育格差がどのように社会全体へ影響を及ぼすか調べる。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

7
授業計画/Class マスメディアと政治【対面授業】
事前学習/Preparation 自分がどのメディア媒体と接する時間が多く、そのような情報を取捨選択して入手しているのか整理しておく。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

8
授業計画/Class 民主主義の基礎(1)アメリカ政治を手がかりとして【対面授業】
事前学習/Preparation 現代世界において、様々な分野で最もpowerのある国はアメリカである。アメリカの政治制度がどのようになっているのか予習しておく。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

9
授業計画/Class 民主主義の基礎(2)古代ギリシアのアテネから考える【対面授業】
事前学習/Preparation 直接民主制が芽生えた理由について考える。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

10
授業計画/Class 議会制と政党制の発展【対面授業】
事前学習/Preparation イギリスにおける革命の歴史について、世界史の教科書で復習しておく。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。
11
授業計画/Class 選挙制度と投票行動【対面授業】
事前学習/Preparation 政治改革と平成期からの国政選挙状況について調べる。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

12
授業計画/Class 統治構造(1)議院内閣制【対面授業】
事前学習/Preparation 基本的な議院内閣制と大統領制の違いの復習、それらのバリエーションを調べる。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。
13
授業計画/Class 統治構造(2)政党組織と議会制度【対面授業】
事前学習/Preparation 国政の各主要政党の内部機構がどのようになっているのか、簡単に調べておく。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

14
授業計画/Class 統治構造(3)内閣制と官僚制【対面授業】
事前学習/Preparation 政治改革、中央省庁等改革で何が変化したのかを調べておく。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

15
授業計画/Class 統治構造(4)地方政治
提出されたレポートに基づく指導【対面授業】
事前学習/Preparation 機関委任事務の仕組みや地方分権改革について調べておく。
事後学習/Reviewing PowerPointや配布資料を読みながら授業内容を復習し、理解を定着させる。興味や関心のあった分野については、授業で紹介した関連する書籍を読むこと。

授業方法/Method of instruction
 本講義は対面授業で実施する。講義形式が基本であるものの、受講者参加型で双方向の授業を心掛けたい。受講者各位へ積極的な質問を行う予定である。なお、第1回目の授業については、青山学院大学から「対面授業であっても原則としてオンデマンド型のオンライン授業として開講」するよう通達があるので、オンライン授業(オンデマンド型)で開講する。詳細については、CoursePower 掲載の情報を事前によく確認してもらいたい。
 講義において、PowerPointと映像資料を使用する。各授業回終了後、遅滞なくPowerPointをCoursePowerに掲載する予定である。また、成績評価等の方法、レポート課題の案内、講義の事前配布資料といった各案内も掲載する。
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 70% レポートは、word形式のファイルに横書きで執筆してもらい、合計3回提出してもらう。その代わり、レポート各回の受講者の負担を軽減する。内容は、(1)レポートの書き方の復習(10点)、(2)歴史学の基本書の内容の確認(20点)、(3)指定した政治学に関する内容の分析・考察(40点)を予定している。
評価方法は、最初に基礎点を付与した上での減点方式(一部に加点方式も組み合わせる)を中心に採用する。指定した枚数(文字数も加味している)に達していないレポートについては、基礎点を半減する。レポートの内容だけでなく、引用文献、参考文献の記載方法も重視して加点する。
レポートの提出方法については、当該レポートをメールに添付してもらい、岡野のメールアドレス宛(gmail)に提出してもらう予定である。
レポートの詳細については、案内を別途作成し、授業時に配布を行う。
2 平常点 In-class Points 30% 授業への積極的参加、コメントシートを総合的に評価する。配点の都合上、授業に参加することなく、レポート提出のみでの単位取得はできないので注意すること。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 佐々木毅 『政治学講義[第2版]』 東京大学出版会 2012.11 9784130322225 2800円+税 蔵書情報 / Library information
2 永井史男, 水島治郎, 品田裕[編著] 『政治学入門』 ミネルヴァ書房 2019.5 9784623085682 3500円+税 蔵書情報 / Library information
3 砂原庸介, 稗田健志, 多湖淳 『政治学の第一歩』 有斐閣 2015.10 9784641150256 1900円+税 蔵書情報 / Library information
4 川出良枝,谷口将紀[編] 『政治学』 東京大学出版会 2012.7 9784130322195 2200円+税 蔵書情報 / Library information
5 久米郁男,川出良枝,古城佳子,田中愛治,真渕勝 『政治学[補訂版]』 有斐閣 2011.12 9784641053779 3400円+税 蔵書情報 / Library information
メッセージ/Message
 シラバスを読み、一見して難しいと感じるかもしれないが、そこまで身構える必要はない。受講者のこれまでの知識習得に対応した授業及び課題の提示を行うので、心配しないでほしい。
 以下の本については、履修前の段階で事前に読んでもらいたい。レポート課題で指定する予定であるため、両方購入してもらいたい。
・戸田山和久『[新版]論文の教室レポートから卒論まで』NHK出版、2012年。
・E.H.カー(清水幾太郎[訳])『歴史とは何か』岩波書店、1962年。
その他/Others
 授業期間中に、教育実習、博物館実習等がある者は、成績評価の方法等を考慮するため、第2回目の授業で申し出ること。オンライン授業となった場合、その旨を岡野のメールアドレス宛(gmail)へ連絡すること。
キーワード/Keywords
政治学     日本政治     安全保障     外交     歴史認識     人口減少     教育格差     マスメディア     民主主義     議会     政党     統治構造     地方政治     レポートの書き方     研究倫理