講義内容詳細:芸術鑑賞の方法Ⅱ(2)

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 芸術鑑賞の方法Ⅱ(2)
英文科目名/Course Title (English) Workshop on Art Appreciation Ⅱ(2)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 藤原 一弘
英文氏名/Instructor (English) FUJIWARA Kazuhiro

講義概要/Course description
『バロック音楽の理解に不可欠な「音楽修辞」を学ぶ
 バロック音楽といえば誰でも
J. S. バッハ(1685-1750)の名を思い浮かべるだろう。バロック時代末に生きたバッハは、自国ドイツのみならずフランス、イタリアなど先進国の様々な音楽を貪欲に学び、これを吸収・同化して自らの音楽を生み出した。彼が先人の音楽から学んだ最も重要なものの一つに、音楽を言葉と密接に関わらせる作曲の方法、いわゆる「音楽修辞」がある。これはルネサンスの後期から徐々に形作られた、音楽に言葉の意味を担わせる様々な手法であり、バロック時代には主にドイツで理論化が行われた。歌詞のある声楽曲ではもちろんのこと、言葉とは直接の結びつきのない器楽曲でも音楽修辞は様々な形で作曲に用いられ、当時の演奏家や聴き手はその意味を正確に理解していた。この伝統から隔てられた今日の演奏かと聴衆には理解できない内容が、当時の音楽には数多く込められていたのである。本講義では、様々な作品を通じて、バロック音楽の理解に欠くことのできない「音楽修辞」を多角的に論じる。
達成目標/Course objectives
修辞学とは何かを理解し、16世紀から18世紀の音楽の作曲において「音楽修辞」の中心概念であるフィグーラがいかに音楽そのものに深く根ざしていたかを把握し、作品の解釈に応用できるための基礎を養う。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
とくになし
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス:何を学ぶのか【オンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation シラバスを読んでおくこと
事後学習/Reviewing なし
2
授業計画/Class 修辞学の起源と伝統【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと        
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
3
授業計画/Class 音と言葉の関わりの始まり:中世の単旋聖歌(グレゴリオ聖歌)【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
4
授業計画/Class 音と言葉の関わりの深化:ルネサンス【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
5
授業計画/Class ルネサンスからバロックへ:マドリガーレの衝撃【対面授業】

事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
6
授業計画/Class 「Musica poetica 音楽創作法」の誕生:音楽修辞の体系化【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
7
授業計画/Class 初期バロックの音楽修辞:モンテヴェルディ(1)【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
8
授業計画/Class 初期バロックの音楽修辞:モンテヴェルディ(2)【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
9
授業計画/Class 17世紀バロックの音楽修辞【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
10
授業計画/Class J. S. バッハの音楽修辞(1)【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
11
授業計画/Class J. S. バッハの音楽修辞(2)【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
12
授業計画/Class J. S. バッハの音楽修辞(3)【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
13
授業計画/Class J. S. バッハの音楽修辞(4)【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
14
授業計画/Class 古典派以降の音楽修辞【対面授業】
事前学習/Preparation 参考文献から該当する事項を読んでおくこと
事後学習/Reviewing 重要事項の確認と扱った作品を聴いておくこと
15
授業計画/Class 補足とまとめ【対面授業】
事前学習/Preparation なし        
事後学習/Reviewing なし
授業方法/Method of instruction
修辞学とは何かを理解した上で、音楽と言葉の関係を中世、ルネサンス、バロックと時代の変遷と共に論じる。もっとも多く時間を割くのはバッハの声楽・器楽作品だが、彼に影響を与えた16世紀ルネサンスから17世紀バロックの様々な作曲家の作品、ならびにモーツァルトやシューベルトなどバッハ以後の古典派、ロマン派の作曲家の作品における「音楽修辞」の影響も論じる。なお、授業は第1週目のみオンライン授業(オンデマンド型)とし、第2週目以降は対面授業(通常型)で行います。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 50% 毎回課すレスポンス・ペーバーで理解度を測る
2 試験 Exam 50% 学期末に行うテストで理解度を測る
教科書/Textbooks
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1 教科書は用いない。随時、必要なプリントを配布します。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN 
1 佐藤信夫 レトリック感覚 講談社学術文庫 1992 4061590294
2 佐藤信夫 レトリック認識 講談社学術文庫 1992 406159043X
3 佐藤信夫・松尾大・佐々木健一 レトリック事典 大修館書店 2006 4469012785
4 Bartel, Dietrich Musica Poetica University of Nebraska Press 1997 9780803212763
その他/Others
授業は第1週目のみオンライン授業(オンデマンド型)とし、第2週目以降は対面授業(通常型)で行います。