講義内容詳細:博物館実習Ⅰ

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 博物館実習Ⅰ
英文科目名/Course Title (English) Field Training in Museology Ⅰ
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 石井 千紘
英文氏名/Instructor (English) ISHII Chihiro

講義概要/Course description
美術館・博物館における学芸員の役割や日常業務を知り、その実務と文化財を取り扱う姿勢について学ぶ。また、実習を通して繰り返し資料に触れることで、資料の取扱いや保存、展示方法の基礎知識と基本技術の修得を目指す。このほか、展覧会の見学や美術館・博物館に勤務する現役の学芸員の話を聴講する機会を設け、学芸員の仕事への理解を深める。
達成目標/Course objectives
美術館・博物館における文化財の保存や公開について理解を深めたうえで、館務実習に向けた資料の取扱いの基礎知識と基本技術を修得する。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
文化財への理解のため、美術史や博物館学などを受講していることが望ましい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 【オンライン授業(オンデマンド型)での実施】
オリエンテーション。授業の目的と進め方の確認
事前学習/Preparation シラバスを通読する
事後学習/Reviewing 配布資料の復習
2
授業計画/Class 文化財を取扱う際の基礎知識、身支度、マナーの確認。展覧会の意義と開催までの流れについて
事前学習/Preparation 身近な美術館・博物館の年間展示計画を調べる
事後学習/Reviewing 授業内容の復習
3
授業計画/Class 作品(軸・巻子)の素材・構造と取扱い
事前学習/Preparation 配布資料等の通読
事後学習/Reviewing 授業内容の復習
4
授業計画/Class 軸・巻子の取扱いと調書の取り方
事前学習/Preparation 配布資料等の通読
事後学習/Reviewing 授業内容の復習
5
授業計画/Class 作品(工芸品)の素材・構造と取扱い
事前学習/Preparation 配布資料等の通読
事後学習/Reviewing 授業内容の復習
6
授業計画/Class 作品(彫刻)の素材・構造と取扱い
事前学習/Preparation 配布資料等の通読
事後学習/Reviewing 授業内容の復習
7
授業計画/Class 彫刻の取扱いと調書の取り方
事前学習/Preparation 配布資料等の通読
事後学習/Reviewing 授業内容の復習
8
授業計画/Class 薄葉紙の用途と使い方。綿布団作り
事前学習/Preparation 配布資料等の通読
事後学習/Reviewing 授業内容の復習
9
授業計画/Class 作品の梱包
事前学習/Preparation 配布資料等の通読
事後学習/Reviewing 授業内容の復習
10
授業計画/Class 展示用具の用途と使い方。キャプション作り
事前学習/Preparation 配布資料等の通読
事後学習/Reviewing 授業内容の復習
11
授業計画/Class 展覧会見学(土日いずれかに実施)
事前学習/Preparation 見学先の美術館・博物館及び展示品についての情報収集
事後学習/Reviewing 課題レポート
12
授業計画/Class 作品取扱いの実践①
事前学習/Preparation 作品の取扱いに関する配布資料の復習
事後学習/Reviewing 授業内容の復習
13
授業計画/Class 作品取扱いの実践②
事前学習/Preparation 作品の取扱いに関する配布資料の復習
事後学習/Reviewing 授業内容の復習
14
授業計画/Class 外部実務者による講話
事前学習/Preparation 配布資料等の通読
事後学習/Reviewing 小レポート作成
15
授業計画/Class 授業のまとめ
事前学習/Preparation 配布資料等の通読
事後学習/Reviewing 授業全体をまとめる
授業方法/Method of instruction
【対面授業(通常型)での実施】
講義形式及び、受講者による実習で構成する。
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 50% 課題レポート及び小レポート
2 平常点 In-class Points 50% 授業内における取組みの様子と理解度(コメントシートの内容含む)
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
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1 文化庁文化財保護部美術学芸課編 文化財(美術工芸品)取扱いの手引き 文化庁文化財保護部美術工芸課 1997 特に定めるものではないが、必要に応じて参照する。また、講義内容に関連するプリントを適宜配布する。
2 公益財団法人 日本博物館協会 博物館資料取扱いガイドブック ぎょうせい 2016 9784324101599 2750円 特に定めるものではないが、必要に応じて参照する。
メッセージ/Message
「展示」という行為は、作品の魅力や価値を発信できる楽しみがある一方で、作品を劣化させることでもあります。実習で資料の取扱いを体験することによって、一つの作品を展示するために、いかに多くの決まり事や配慮が必要であるか実感することになるでしょう。文化財の取扱いや保存について理解し、実践することは、劣化を最小限に留めることに繋がります。展覧会という華やかな世界からは見えてこない裏方の学芸員の実務について、これまで以上に関心を寄せてもらえればと思います。
その他/Others
資料の取り扱いのポイントや多様な学芸員の業務の実際など、地方自治体の学芸員としての立場から、実体験に基づいた授業を行う。
キーワード/Keywords
学芸員     美術館     博物館     文化財     実務経験