講義内容詳細:経済・金融事情(金融機関)

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 経済・金融事情(金融機関)
英文科目名/Course Title (English) Economic and Financial Review (Financial Institution)
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 酒井 吉廣
英文氏名/Instructor (English) SAKAI Yoshihiro

講義概要/Course description
世の中は、金融機関の伝統的な業務をITで代替しようとしつつある。今の言葉がフィンテックだが、やがてデジタル通貨も一般化するだろう。この授業は、そうしたことに対応できるような知識の習得を目指す。授業は対面を前提とするが、オンライン(リアルタイム)の可能性もある。

達成目標/Course objectives

フィンテックに興味のある人、起業したい人は是非履修して下さい。また、金融機関への就職志望者にも対応できるよう金融機関についての理解を深めます。 履修学生全員が「A」を取れることを目指します


履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
金融・フィンテック・起業のための財務知識を知りたい人の履修を希望。


授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 1.オリエンテーション 【オンライン授業(オンデマンド型)】
(1)シラバスの説明(講義の概要、課題等の説明、成績評価の説明等)
(2)金融機関についての一般的な説明
(3)なぜ今、地銀再編が話題となるのか。
事前学習/Preparation 特になし。
事後学習/Reviewing 講義内容の復習。
2
授業計画/Class 2.金融機関とは
(1)金融機関とはどういう組織か、普通の企業と何が違うのか
(2)金融機関の歴史
(3)平日の午前中は銀行のATMが混んでいることがあるがそれはなぜか
事前学習/Preparation 1.の授業中に説明。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
3
授業計画/Class 3.直接金融と間接金融
(1)銀行を中心に発展してきた日本の金融経済事情:メインバンク制など
(2)直接金融と間接金融を比較する
事前学習/Preparation 2.の授業中に説明。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
4
授業計画/Class 4.金融機関が提供する機能
(1)「為替」とは何か(国内送金と外国送金)
(2)金融機関の本業について(預金の受入と貸出の実行)
(3)収益機会の拡大(投資商品の販売等)
事前学習/Preparation 3.の授業中に説明。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
5
授業計画/Class 5.前回の授業までのものをITにした場合どうなるか

事前学習/Preparation 4.の授業中に説明。ZOOMを使ったディスカッションの準備。
事後学習/Reviewing 特になし。
6
授業計画/Class 6.メガバンク、地銀、第二地銀、信金、信組の共通点と相違点
(1)金融機関に種類があるのはなぜか, 業態ごとにサービスの違いはあるか, 顧客(企業や個人)はその業態と取引をするのが良いか
(2)IT化で業際の壁が低くなった場合の変化を考える


事前学習/Preparation 5.の授業中に説明。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
7
授業計画/Class 7.ユニバーサルバンキングと米国型の銀証分離
(1)誰にでも同じサービスを行うという金融機関産業の考え方
(2)なぜ銀証の分離をしなければならないのか(今後の日本はどうすべきか)
(3)都会でも過疎地でも同じサービスを受けられるのか ⇒フィンテックが必要な一因。


事前学習/Preparation 6.の授業中に説明。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
8
授業計画/Class 8.新型の銀行
(1)従来型の銀行以外が登場した背景
(2)量販店・コンビニベースの銀行(セブン銀行、イオン銀行、ローソン銀行)
(3)インターネット銀行(新生銀行、楽天銀行、ソニー銀行)と既存金融機関のインターネット・バンキング
(4)顧客は何を考えて銀行の違いに対応すると良いのか
事前学習/Preparation 7.の授業中に説明
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
9
授業計画/Class 9.外資系の金融機関について
(1)なぜ海外の金融機関が日本に営業拠点を持つのか
(2)日本の金融機関と比較した営業面での特色
(3)日本人(法人と個人)は外資系金融機関と取引するメリットがあるか
事前学習/Preparation 8.の授業中に説明。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
10
授業計画/Class 10.フィンテックの時代に外資やインターネットバンクを区別する理由はあるか

(1)具体例を使いながら金融機関の違いや類似性を説明。
(2)学生は自由に質問を行う。
(3)学生の意見も使いながらディスカッションして理解を深める。
事前学習/Preparation 前回までの授業の復習。
事後学習/Reviewing 特になし。
11
授業計画/Class 11.金融機関のリスク管理
(1)金融機関は免許業。免許を満たす条件の具備が必要。その条件の維持を目指すのがリスク管理。
(2)免許業の金融機関のリスク管理は一般事業法人のリスク管理と何が違うのか(違うべきか)
(3)VARなど高度なリスク管理について(リスク管理レベルの妥当性とは)
事前学習/Preparation 10.の授業中に説明。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
12
授業計画/Class 12.金融機関の監督
(1)免許業としての金融機関は規制当局の監督・検査を受ける(どのようなものか)
(2)金融庁の検査と日本銀行(中央銀行)の考査(類似性、継続性、相違点)
(3)地方公共団体の監督
事前学習/Preparation 11.の授業中に説明。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
13
授業計画/Class 13.金融機関の海外ビジネス⇒フィンテックが低くする国際ビジネスへの必要条件
(1)金融機関の収益に占める海外ビジネスのウエイトとその推移
(2)地域別(米国、EU、中国・アジア)にみた海外ビジネスの特徴
(3)日本企業の海外進出とのコラボレーション
事前学習/Preparation 12.の授業中に説明。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
14
授業計画/Class 14.金融機関について纏め
(1)金融機関のサバイバル戦略。
(2)国内競争とグローバル競争。
(3)既存型の金融業とフィンテック型のどちらが優位な立場かを考える

事前学習/Preparation 13.の授業中に説明。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
15
授業計画/Class 15.総括
(1) 自由な討議(どんな質問も可能)


事前学習/Preparation 14.の授業中に傾向と対策等を説明。
事後学習/Reviewing 講義全体を纏める。
授業方法/Method of instruction
授業は、オンライン講義と、授業中のディスカッションを交えて行う。なお、講義中にChat機能を使った個別質問も歓迎。
成績評価方法/Evaluation
1 100% 中間と最後に予定する課題レポート20%。授業態度80%。
教科書/Textbooks
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1 特になし。
参考書/Reference books
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1 東洋経済新報社・読本シリーズ「金融読本」第29版
メッセージ/Message
金融産業を楽しく考えて、金融機関を身近なものとし、自分達でフィンテックに挑戦するような発想を持って欲しい。そのための授業としたい。


その他/Others
日本銀行の勤務経験と、現在も金融機関の顧問をしているので、その経験に基づいて話をする。現在はデジタル通貨についてもプロジェクトを立ち上げている。


キーワード/Keywords
Fintech, Digital Currency