講義内容詳細:近代日本法史

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 近代日本法史
英文科目名/Course Title (English) History of Modern Japanese Law
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 中網 栄美子
英文氏名/Instructor (English) NAKAAMI Emiko

講義概要/Course description
【2021年は原則として対面授業にて実施】
*新型コロナウイルス感染症の状況により、対面授業が困難となった場合はオンデマンド型授業を
 行う。
*なお、いずれの場合にせよ、第1回授業はオンデマンド型オンライン授業として開講します。
 開講前に授業レジュメをCoursePowerへ格納するので、各自必ず確認すること。

この授業では明治維新~現代までの近代日本法史を学びます。
法学部で学ぶ法律基本科目の根幹となる部分は明治時代に形成され、さまざまな改正を経て今日へと
続いています。日本の近代化は西欧法を継受することで進められましたが、その一方で前近代までの
法や法制度との間に衝突が起こります。
法の分野で東と西がどのように衝突し、融合していったかを見ることで、現代の法や法制度への
理解が一層深まることでしょう。

この授業では、
最初に前近代(古代・中世・近代)の法と法制度について、特徴的な点を取り上げて概観します。
そして、近代の司法制度、憲法(大日本帝国憲法)、民法、刑法の制定過程について学修します。
さらに、大正デモクラシーや戦時中の近代法の再編過程や戦後の法制度改革について学修します。
達成目標/Course objectives
前近代から近代への法の転換、明治期の法典編纂過程、大正期・戦中期の法の再編過程、
戦後の法制度改革と概観し、現代の法や法制度の基礎が如何にしてつくられていったかを
理解する。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特になし(高校時代に日本史をあまり勉強していない…という学生は特に受講が望ましい)。
中間レポート作成の際には基本的なPC操作やインターネットを利用した情報検索あり。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 日本近代法史イントロダクション 授業の概略説明
日本近代法史の世界 法制史関連データベース及び史料の紹介
事前学習/Preparation 特になし。
事後学習/Reviewing 授業で紹介した法制史関連データベース及び史料について各自で復習して
ください。
2
授業計画/Class 前近代の法と法制度
古代~律令法の継受 中世~御成敗式目と武家社会の道理 
近世~幕府「御定書」と熊本藩「刑法草書」
事前学習/Preparation テキスト 
古代 p28  「第2章 律令法の継続」~p31 II 統治組織の前まで
中世 p107 「第3章 中世法の基本的性格」~p109 (3)前まで
近世 p175 「第2章 法源」~p181 Ⅳ 村法と町法の前まで
事後学習/Reviewing 授業で学んだ前近代・各時代の特徴についてテキスト・ノートを参考に
復習してください。
3
授業計画/Class 近代法の形成 その1
開国と不平等条約

事前学習/Preparation テキスト 
p251~257 (「I 開国と明治維新」部分)
事後学習/Reviewing 授業で学んだ「開国と明治維新」について「近代国際法」及び不平等条約を
中心にテキスト・ノートを参考に復習してください。
4
授業計画/Class 近代法の形成 その2
憲法(大日本帝国憲法)の制定過程と特徴
事前学習/Preparation テキスト
p257~269
(「Ⅱ 明治前期における立憲制の模索」及び「Ⅲ 明治憲法体制の成立」部分)
事後学習/Reviewing 授業で学んだ大日本帝国憲法の制定過程とその特徴について、
テキスト・ノートを参考に復習してください。
5
授業計画/Class 近代法の形成 その3
不平等条約と領事裁判
事前学習/Preparation テキスト
p281~284 (「Ⅱ 領事裁判」部分)
※上記ほかに別途事前学習プリントを配布予定
事後学習/Reviewing 授業で学んだ「欧米による領事裁判」と「日本による領事裁判」について、
テキスト・ノート・プリントを参考に復習してください。
6
授業計画/Class 近代法の形成 その4
刑法の制定過程
事前学習/Preparation テキスト
p288~294(「第3章 刑事法」部分)
p359~363(「(3) 治安警察法の登場」部分まで)
事後学習/Reviewing 刑法の制定過程につき、「新律綱領」から「明治13年刑法(旧刑法)」、
「明治40年刑法(現行刑法)」へ至る過程と、各特徴について
テキスト・ノートを参考に復習してください。
7
授業計画/Class 近代法の形成 その5
民法の制定過程
事前学習/Preparation テキスト
p307~316(「Ⅱ 民法典の成立」部分)
※上記ほか別途事前学習プリントを配布予定
事後学習/Reviewing 民法の制定過程につき、「旧民法」から「法典論争」、「現行民法」へ至る
過程と各特徴についてテキスト・ノート・プリントを参考に復習してください。
8
授業計画/Class 近代法の再編 その1
植民地法制
事前学習/Preparation 335~337(「(3) 植民地法制」部分)
事後学習/Reviewing 日本の植民地統治と法制につき、台湾、朝鮮、樺太の3地域を中心に
テキスト・ノートを参考に復習してください。
9
授業計画/Class 近代法の再編 その2
占領と戦後改革
事前学習/Preparation テキスト
p339~350(「Ⅲ 占領と戦後改革」部分)
事後学習/Reviewing 「極東国際軍事裁判」と憲法改正を中心に、テキスト・ノートを参考に
復習してください。
10
授業計画/Class 近代法の再編 その3
司法制度の諸改革
事前学習/Preparation テキスト
p350~359(「第2章 司法制度」部分)
事後学習/Reviewing 刑事訴訟法の改正(大正刑事訴訟法)と陪審裁判の導入につき、
テキスト・ノートを参考に、復習してください。
11
授業計画/Class 近代法の再編 その4
社会法の形成
事前学習/Preparation テキスト
p379~384(「Ⅲ 社会法の形成」部分)
※上記ほか別途事前学習プリントを配布予定
事後学習/Reviewing 社会法の形成につき、「伏石事件」を中心に
テキスト・ノート・プリントを参考に復習してください。
12
授業計画/Class 現代法の展開 その1
司法制度改革
事前学習/Preparation テキスト
p403~409(「第2章 司法制度」部分)
※上記ほか別途事前学習プリントを配布予定
事後学習/Reviewing 司法制度改革につき法曹養成制度の歴史を中心に
テキスト・ノート・プリントを参考に復習してください。
13
授業計画/Class 現代法の展開 その2
差別と法
事前学習/Preparation テキスト 
p402 ほか 関係資料を授業で指示
事後学習/Reviewing ハンセン病患者や新型コロナウイルス感染者、および障がい者に対する差別とその対策法について
授業で指示した参考資料を中心に復習してください。
14
授業計画/Class 現代法の展開 その3
観光と法
事前学習/Preparation テキスト該当なし
関係資料を授業で指示
事後学習/Reviewing 観光の歴史と法について
授業で指示した参考資料を中心に復習してください。
15
授業計画/Class 現代法の展開 その4
災害と法
事前学習/Preparation テキスト該当なし
関係資料を授業で指示
事後学習/Reviewing 防災の歴史と法について
授業で指示した参考資料を中心に復習してください。
授業方法/Method of instruction
講義中心 
【重要】この授業は原則として対面授業に実施を予定します。状況により、オンライン授業になった場合は、
 オンデマンド型授業を実施し、CoursePowerとWebex(動画配信)を利用します。
 各授業には確認課題とミニレポート(400文字以上)があります。
 ※第1回授業で授業の実施方法について詳しく説明します(履修希望者は必ず出席してください)。
 
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 50% 各回の確認課題1~2点×15=20点で評価
各回のミニレポート2点×15=30点で評価
2 試験 Exam 50% 定期試験(論述試験)50点満点
※定期試験の実施が困難となった場合は、テイク・ホーム試験(レポート試験)で
 代替する。

教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
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出版社
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出版年
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ISBN価格
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1 浅古弘ほか編 日本法制史 青林書院 2010年 9784417015178 4,104円 各授業においてレジュメ・資料を配布します。※教科書・参考書については初回授業時に説明します(初回授業時までに用意しなくても構いません)。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 川口由彦著 日本近代法制史 第2版(新法学ライブラリ)  新世社 2014年 9784883842131 3,888円
2 出口雄一ほか著 概説 日本法制史 弘文堂 2018年 9784335357275 3,780円
メッセージ/Message
歴史好きの方はもちろん、歴史嫌いの方もぜひ挑戦してください。
貴方の「法」と「歴史」を学ぶ目が少し変わるかも、です。
その他/Others
各回の課題(確認課題&ミニレポート)を6回以上提出しなかった場合は成績評価の対象としない(出席不足)。
キーワード/Keywords
近代     日本史     法制史     法史