講義内容詳細:法学入門/法学入門(再)

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 法学入門/法学入門(再)
英文科目名/Course Title (English) Introduction to Law
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 細川 良
英文氏名/Instructor (English) HOSOKAWA Ryo

講義概要/Course description
 法学部に入学した皆さんは、これから4年間かけて「法学」を学ぶこととなります。そして、皆さんがこれから法学全体を学習することへにむけて、青山学院大学の法学部には、導入科目として「法学入門」と「法学概論」という2つの科目があります。このうち、本講義「法学入門」は、これから皆さんが法学部で4年間を過ごすうえでの必要な準備をすることを目的とする科目です。すなわち、「「法」とは何か」ということについて多面的に考察をすることを通じて、今後皆さんが受講する講義で展開される法学の学習に必要な法的な知識、および法的思考を身につけてもらうことを目的としています。
達成目標/Course objectives
本講義の目的は、大きく分けて以下の2つとなります。
 第一に、皆さんが、これから4年間、法学部の学生として様々な領域で法学の学習を進めていくにあたり、最低限必要となる基本的な知識を身につけてもらうことです。具体的には、①基本的な法律用語の定義等、②法制度の枠組み(法律の構造)の捉え方、③条文や判例、通達などの位置づけ、④学習の方法(資料収集や法律文章の書き方)などを解説し、皆さんに理解してもらいたいと思います。
 第二に、皆さんが法学を学ぶにあたって必要となる、「法学的な思考方法」を習得することです。法学は、社会における様々な現象や、皆さんの日常生活の周囲にも幅広く関係しています。皆さんのなかには、高校時代に「政治・経済」や「現代社会」といった科目で、法学に関連する一定の知識を習得している人もいるでしょう。また、法学に関連するニュースなどに触れて、それなりの知識を持っていると考えている人もいるでしょう。しかし、「法学を学ぶ」ということは、単にこうした法に関連する「知識を身につける」ことだけではありません。むしろ、法に関連する様々な事象について、(法的な知識を基礎としつつも)「法学的な思考方法にもとづいて考える」ことにこそ、その真髄があります。本講義では、皆さんがこうした「法学的な思考方法」を身につけ、これからの法学部での学習に臨んでもらう準備をすることが、究極的な目標となります。
 なお、以下で示している授業計画は、現時点での「案」となります。進行状況や皆さんの理解度、得手不得手などに応じて進行速度や講義内容が変更になることもありますので、承知しておいてください。2021年度については、本シラバス執筆時点では、教室での「対面授業」が予定されています。しかし、COVID-19、いわゆる「新型コロナウイルス」の感染状況次第では、講義の方法や進行が変更となる可能性があります。ご了承ください。なんらかの変更が生じる場合には、Course Powerの「お知らせ」機能を用いて連絡しますので、「お知らせ」からの連絡を確認できるようにしておいてください。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 『ガイダンス』

①本講義の進め方について説明します。
②「法学を学ぶ」ということの意味について、お話ししたいと思います。
事前学習/Preparation 第1回の講義はWebexを用いた「オンデマンド型」で配信します。視聴にはCourse PowerとWebexを活用することが必要になりますので、これらの基本的な使い方ができるように、慣れておいてください。
事後学習/Reviewing 大学で法学を学ぶとはどういうことなのかについて、考えてみてください。
2
授業計画/Class 『法とは何か-社会の「ルール」と法』

「『法』とはそもそも何なのか」、「法規範と道徳などのその他の規範とは何が違うのか」といった問題について考えてみたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由となる場合があります(詳細は第1回講義にて説明)。
3
授業計画/Class 『法の歴史(1)ー古代・中世~近世における法と法学』

皆さんが法学部において学ぶ「法」「法学」の多くは、いわゆる市民革命以降の近代社会における「法」を基礎としたものです。しかし、市民革命以前の人間社会において「法」が存在しなかったかと言えば、そういうわけではありません。また、近代以前の「法」や「法学」の中には、現代の法や法学にさまざまな形で影響を与えているものが存在します。ここでは、法の歴史の中でも、古代・中世から近世における法と法学について、考えたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所や配布資料を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に適宜課題を示す予定です。また、講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
4
授業計画/Class 『法の歴史(2)ー日本における「法」の歴史』

日本において「法」が形成されてきた過程を確認するとともに、日本における「法」がどのような特徴をもっているのか、考えたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所や配布資料を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に課題を示す予定です。講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
5
授業計画/Class 『法源と法規範の階層』

「法」はどのような階層構造を持っているのか、その階層構造の下でどのように機能しているのか考えたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所や配布資料を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に課題を示す予定です。また、講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
6
授業計画/Class 『法の体系・領域』

「法」の中には、どのような分類・領域があり、その違いにはどのような意味があるのか考えたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所や配布資料を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に課題を示す予定です。講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
7
授業計画/Class 『法の解釈(1)-法の適用と解釈』

皆さんがこれから法学部で学ぶことの多くは、「法をどのように適用するか」という問題と、その適用される「法にどのような意義(要件と効果)があるのか」という法の解釈をめぐる問題です。この回では、「法の適用や解釈がなぜ必要となるのか」について考えるとともに、法の解釈に関する基本的な考え方を確認します。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所や配布資料を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に課題を示します。講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
8
授業計画/Class 『法の解釈(2)-条文を読む』

「法(律)学」というと、「六法全書」にかかれている法律の条文を覚えることのように考えている人もいるかもしれません。実際には、「条文を覚える」よりも、条文をどのように読み解くのか(法の解釈)が重要なのですが、その大前提として、「条文の読み方」についてのルールを理解しておかなければなりません。ところが、この条文の読み方一つをとってみても、さまざまな独特のルールがあります。そして、この独特のルールをきちんと理解しないと、「なんとなくわかったつもりで、結局分かっていない」という結果になってしまいます。この回では、「条文の読み方」に関する基本的なルールをしっかり確認したいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所や配布資料を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に課題を示す予定です。また、講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
9
授業計画/Class 『法の解釈(3)-法的三段論法』

法学の世界に独特の思考方法として、「法的三段論法」があります。これも、法学を勉強するうえでの必須のツールです。この回では、法的三段論法とは何かを理解し、これが使いこなせるようになることを目標します。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所や配布資料を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に課題を示す予定です。また、講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
10
授業計画/Class 『法の解釈(4)-法の解釈の方法』

法律の条文は、実のところ、書かれている文字通りの意味に解釈をすることが正しいとは限りません。というのも、社会における法的な問題(紛争)は、無数に存在し、それらに法(条文)を適用するためには、その内容がどうしても抽象的なものとせざるを得ず、その抽象的な意味を具体的な事案に適用していく作業が必要になるからです。これが法の解釈の重要な意義なのですが、その解釈をめぐっては、さまざまな方法が生み出されています。この回では、法の解釈のさまざまな方法について、理解し、使いこなすことを目標にします。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当するや配布資料箇所を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に課題を示す予定です。また、講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
11
授業計画/Class 『裁判制度』

皆さんは、4年間ひとまずは机の上での「法学」を学んでいくことになります。しかし、現実の社会において「法」が実際に用いられているのは、裁判所を中心とした「司法」のシステムが中心です。そこで、この回では、日本における裁判例度について、学んでいきたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所や配布資料を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に課題を示す予定です。また、講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
12
授業計画/Class 『判決の読み方』

皆さんがこれから法学部で学んでいくうえで避けて通れないことの一つに、「判決を読む」という作業があります。率直に言って、判決は法学のことを知らない素人がいきなり読んでも、その内容を半分も理解するのが難しいでしょう。この回では、この「判決の読み方」について学びたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所や配布資料を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に課題を示す予定です。また、講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
13
授業計画/Class 『近代法の基本原理』

皆さんが法学部において学ぶ「法」「法学」は、市民革命以降の近代社会における法がその中心となります。そして、近代社会における「法」「法学」に通底しているのは、立憲主義や法の支配、人権の尊重といった憲法的な基本原理です。これらの詳細は憲法の講義で学ぶこととなりますが、ここでは、(近代)法を学ぶ上で理解しておくべき、近代法の基本原理について、確認し、考えてみたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所や配布資料を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に課題を示す予定です。また、講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
14
授業計画/Class 『現代社会における法を学ぶ意義』

法学部において法を学ぶことの最大の意義は、現代社会を成り立たせている基本的な原理である、自由や人権といった基本的な考え方を理解することにあると言っていいでしょう(第12回講義参照)。それらに加え、現代社会においては、例えば「コンプライアンス」という言葉に代表されるように、経済活動や社会活動という実際的な観点からも、法の理解と実践の重要性が増していると言えます。この回では、こうした実社会における経済活動等における法の意義について考えたいと思います。
事前学習/Preparation 事前に、進行予定を示しておきますので、教科書・参考書の該当する箇所や配布資料を読み、分からないところや疑問に思うことをまとめておいて下さい。事前に担当講師に送ってもらえれば、可能な限り講義中に触れるようにします。また、これについても成績評価の際の加点事由とします。
事後学習/Reviewing 講義中に課題を示す予定です。また、講義を聞いて感じたこと、疑問に思ったことをまとめてみて下さい。Course Power等を通じて提出してもらえれば、成績評価の際の加点事由とします。
15
授業計画/Class 『まとめ』

これまでの講義で学んだ内容についての理解の確認を行います。
事前学習/Preparation これまでの講義で学んだ内容をしっかりと復習しておいてください。
事後学習/Reviewing 講義を通じての理解度を確認し、足りなかったところを補うようにしてください。
授業方法/Method of instruction
教室での対面授業で実施します。基本的にはレジュメを配布した上での通常の講義形式を予定しています。

成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 80% 成績評価は、講義内試験(教場試験)を実施し、それを主たる評価要素とする予定です。
2 平常点 In-class Points 20% 不定期な小テスト・課題等を実施し、補足的な評価要素とする予定です。Course Powerを通じての通知となりますので、Course Power上の連絡を常に確認できるようにしておいてください。もちろん、講義(資料)の中でもお知らせはします。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
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出版社
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出版年
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ISBN価格
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1 道垣内弘人著 プレップ法学を学ぶ前に 弘文堂 2017.11 9784335313264 1000円+税
2 六法(ポケット六法等のハンディなものでも可) 講義の中で六法を使用します。六法の使い方についてもマスターしてもらいたいと思いますので、Webで法令を検索するのではなく、きちんと六法を手元に置いて講義に参加するようにしてください(六法の種類は問いません)。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
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出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
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1 伊藤正己, 加藤一郎編 現代法学入門 有斐閣 2005.3 4641112568 1260円 指定の教科書は、いわば法学の「入門の入門」という書籍です。本書は、「入門の入門」の次のステップである「法学入門」として昔から非常に定評のある、「定番」の本です。分量も手ごろですので、入門書としておすすめです。本講義においても、適宜、本書の参照ページも紹介する予定です。 蔵書情報 / Library information
2 五十嵐清著 法学入門 日本評論社 2017.10 9784535523180 2500円+税 こちらも、(1の伊藤正己先生、加藤一郎先生編のほどではありませんが)古くから定評のある、法学の「入門書」です。1に比べて、少し分量が多く、その分、歴史的な背景や、理論的に踏み込んだ検討が豊富になっています。より深く勉強したい人には、こちらがいいかもしれません。1と同様に、講義中に、適宜参考ページを紹介する予定です。 蔵書情報 / Library information
メッセージ/Message
皆さん、大学入学おめでとうございます。COVID-19、いわゆる「新型コロナウイルス」の感染拡大のため、世間的には「おめでとう」というムードではないことは承知していますが、このような中でも本学にご入学され、私たちと縁をもってくれたことに感謝します。

2021年度の講義は、教室での対面授業を予定していますが、第1回はWebexを用いた「オンデマンド型」の講義の配信とする等、オンラインのツールも適宜活用していくこととなります。Course PowerやWebexの使い方には慣れておくようにしてください。よろしくお願いします。