講義内容詳細:法学・政治学演習ⅠA

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 法学・政治学演習ⅠA
英文科目名/Course Title (English) Seminar (Law, Politics) ⅠA
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 申 惠手
英文氏名/Instructor (English) SHIN Hae Bong

講義概要/Course description
「国際人権法を国内でどう活かすか」
人権は基本的には各国の憲法によって保障されるものであるが、今日、そうした国内法による人権保障を補うものとして重要な役割を果たしているのが国際人権法である。戦後、国連では国際人権規約、人種差別撤廃条約、女性差別撤廃条約など、またヨーロッパ審議会のような地域的組織ではヨーロッパ人権条約などの人権条約が次々と作られているが、これらの条約は、国籍にかかわらず、締約国の「管轄下」のすべての人の人権保障を目的としている。日本も、国連の人権条約の多くを批准しているが、批准の際には条約の規定に沿って国内法の整備が行われることから、人権条約は日本の国内法制に大きな影響を与えている。グローバル化が進み日本にも外国籍ないし外国出身の住民が増える中で、国の「管轄下のすべての人」の人権保障を目的とした国際人権法は一層重要性を増している。このゼミでは、具体的な問題に即して、国際人権法をどのように活かし、国内法と併せ用いていくことができるか考えていく。
授業ではまず、国際人権法について基礎的な知識を身につけるため、担当者による基礎講義(講義形式の授業)を数回行う。また、週1回の講義だけではなく自分で文献を自習することも不可欠であるから、この基礎講義の期間には、国際人権法に関する入門的な文献を各自で読んでおくこととする(授業で提示する)。
その後、演習方式に移行する。前期は、例年、全員で意見を述べた上でテーマを設定し、グループに分かれての討論(ディベート)を行っている(これまでの例では、死刑制度の存廃をめぐる問題点、人種差別を扇動するヘイトスピーチを法規制すべきか否か、外国人の参政権、などを取り上げた)。
達成目標/Course objectives
関心をもった人権問題について、関連の国内法に加えて国際人権法にも照らして検討する視座をもち、そのためのリサーチ(文献探しと読み込み、考察)と成果発表( 口頭での発表、発表時の資料作り、発表後のレポート)ができるようになることである。ゼミという授業の場を通して仲間たちと共に切磋琢磨し、能力を高めあうこともねらいとしている。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
現実社会の様々な人権問題について、知りたい、学びたいという意欲をもち、想像力と人間的な共感をもって考えることができる人。また、ゼミという授業の性格上、毎回きちんと準備をした上で授業に参加し、受け身でなく主体的にゼミでの討論に寄与すること。なお、ゼミでの勉強内容を補完・強化するためにも、「国際法A」の授業は履修すること。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション
事前学習/Preparation 自分がこのゼミを通して達成したいと思っている目標や、そのために取り組もうと思っていることを考え、手帳などに書き出してみる
事後学習/Reviewing ・基礎講義中に自習するよう指示された文献を入手し、読み始める
・参考文献リストで提示された文献の中から、興味をもったものを読んでみる
2
授業計画/Class 国際人権法基礎講義(1)
事前学習/Preparation 基礎講義中の自習文献を読み進める
事後学習/Reviewing 今回のレジメを復習する
3
授業計画/Class 国際人権法基礎講義(2)
事前学習/Preparation 基礎講義中の自習文献を読み進める
事後学習/Reviewing 今回のレジメを復習する
4
授業計画/Class 国際人権法基礎講義(3)
事前学習/Preparation 基礎講義中の自習文献を読み進める
事後学習/Reviewing 今回のレジメを復習する
5
授業計画/Class 基礎講義に関する小テスト/前期授業で取り上げるテーマについての検討
事前学習/Preparation ・基礎講義の内容を復習する
・前期授業で取り上げる討論テーマを少なくとも1つ考えておく
事後学習/Reviewing 決定された討論テーマ1について調べ始める
6
授業計画/Class 図書館オリエンテーション(データベースを使っての資料の調べ方等)
事前学習/Preparation 大学図書館のホームページを閲覧してみる
事後学習/Reviewing オリエンテーションで学んだ資料の調べ方を用いて、討論テーマ1についての資料を実際に調べてみる
7
授業計画/Class 討論テーマ1のための準備
事前学習/Preparation ・討論テーマ1の準備を進める
事後学習/Reviewing 討論テーマ1の準備を進め、グループ内でよく議論しておく
8
授業計画/Class グループ討論・テーマ1(第1回)
事前学習/Preparation テーマについて、自分の担当部分を徹底して調べ準備しておくだけでなく、グループ内でもよく議論し意見交換しておく
事後学習/Reviewing 当日の発表・討論の良かった点、改善すべき点を振り返る
9
授業計画/Class グループ討論・テーマ1(第2回)
事前学習/Preparation テーマについて、自分の担当部分を徹底して調べ準備しておくだけでなく、グループ内でもよく議論し意見交換しておく
事後学習/Reviewing 当日の発表・討論の良かった点、改善すべき点を振り返る
10
授業計画/Class グループ討論・テーマ1(第3回)
事前学習/Preparation テーマについて、自分の担当部分を徹底して調べ準備しておくだけでなく、グループ内でもよく議論し意見交換しておく
事後学習/Reviewing 当日の発表・討論の良かった点、改善すべき点を振り返る
11
授業計画/Class 討論テーマ2のための準備
事前学習/Preparation 討論テーマ1の発表・討論の反省点を振り返り、テーマ2の発表・討論ではどのように改善したいか考える
事後学習/Reviewing 討論テーマ2の準備を進め、グループ内でよく議論しておく
12
授業計画/Class グループ討論・テーマ2(第2回)
事前学習/Preparation テーマについて、自分の担当部分を徹底して調べ準備しておくだけでなく、グループ内でもよく議論し意見交換しておく
事後学習/Reviewing 当日の発表・討論の良かった点、改善すべき点を振り返る
13
授業計画/Class グループ討論・テーマ2(第2回)
事前学習/Preparation テーマについて、自分の担当部分を徹底して調べ準備しておくだけでなく、グループ内でもよく議論し意見交換しておく
事後学習/Reviewing 当日の発表・討論の良かった点、改善すべき点を振り返る
14
授業計画/Class グループ討論・テーマ2(第3回)
事前学習/Preparation テーマについて、自分の担当部分を徹底して調べ準備しておくだけでなく、グループ内でもよく議論し意見交換しておく
事後学習/Reviewing 当日の発表・討論の良かった点、改善すべき点を振り返る
15
授業計画/Class 全体のまとめ・今後の計画
事前学習/Preparation 前期の授業について振り返り、今後に向けての課題や、今後ゼミで学びたいことについて考える
事後学習/Reviewing 夏休み及び後期授業に向けて、各自読書などを進める
授業方法/Method of instruction
対面授業(通常型)。第1週から対面授業で行います。
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 30% 基礎講義の内容に関する授業中の小テスト
2 平常点 In-class Points 70% 毎回の授業へのレギュラーな参加、及びグループ発表・討論の担当を評価の前提とし、全体を通しての積極的な参加姿勢や授業への貢献度によって総合的に評価する。
教科書/Textbooks
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1 基礎講義は、担当者が配布するレジメによって行う。
参考書/Reference books
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1 申惠丰『友だちを助けるための国際人権法入門』(影書房)、阿部浩己ほか『テキストブック国際人権法』(日本評論社)、近藤敦『人権法〔第2版〕』(日本評論社)など。このほか、初回のオリエンテーション時に参考文献リストを配布する。