講義内容詳細:ヒューマン・ライツの現場A

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) ヒューマン・ライツの現場A
英文科目名/Course Title (English) Human Rights A
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 大石 泰彦/森本 麻衣子
英文氏名/Instructor (English) OISHI Yasuhiko/MORIMOTO, Maiko

講義概要/Course description
1)「ヒューマン・ライツ」を学ぶことは、これまで学生諸君がなじんできた「勉強」とは全く異なっている。それは、単語や用語を暗記したり、参考書や問題集を一冊あげたりするようなものではない。頭でっかちにならず、まずは「現場」を見つめること、そして、それを他人事として簡単に割り切ったり、安易に理論化したりしないことが必要になる。
2)ここで展開されるのは、高校までのいわゆる「人権学習」「平和学習」の延長線上にある啓発的な授業ではない。そこには簡単な「答え」はない(「答え」は大学4年間の学びの中で探究してほしい)。そんな学びに関心を持つ学生諸君の受講を期待する。
達成目標/Course objectives
法学部はもちろん「法」を学ぶ場所であるが、そこは同時に「ヒューマン・ライツ」を学ぶ場所でもある。両者は表裏一体のものである。この講義の目標は、法学部4年間のヒューマン・ライツ学習の基盤を形成することである。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
「ヒューマン・ライツコース」に所属する学生は、必ずこの授業を履修しなければならない。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス(この回のみ、オンデマンド型のオンライン授業)
事前学習/Preparation 配信されたプリントを読んでおく
事後学習/Reviewing ガイダンスの内容を確認しておく(特に「授業の進行」と「感想・意見・質問」の作成・提出の仕方に留意する)
2
授業計画/Class 孤立に向き合う(映像視聴)
事前学習/Preparation 「孤独死(孤立死)」について調べる
事後学習/Reviewing 映像に対する感想・意見・質問を提出する
3
授業計画/Class 孤立に向き合う(レクチャー&質疑応答)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、考える
事後学習/Reviewing レクチャーに対する感想・意見・質問を提出する
4
授業計画/Class 孤立に向き合う(ディスカッション)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、ディスカッションに備える
事後学習/Reviewing 「孤独死(孤立死)」に社会はどう向き合うべきか、もう一度考えてみる
5
授業計画/Class 戦争を知っているか(映像視聴)
事前学習/Preparation 「イラク戦争」について調べる
事後学習/Reviewing 映像に対する感想・意見・質問を提出する
6
授業計画/Class 戦争を知っているか(レクチャー&質疑応答)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、考える
事後学習/Reviewing レクチャーに対する感想・意見・質問を提出する
7
授業計画/Class 戦争を知っているか(ディスカッション)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、ディスカッションに備える
事後学習/Reviewing 世界が、日本が、私たちが「戦争」にどう向き合うべきか、もう一度考えてみる
8
授業計画/Class 汚された大地に立つ(映像視聴)
事前学習/Preparation 「ベトナム戦争」「枯葉剤」について調べる
事後学習/Reviewing 映像に対する感想・意見・質問を提出する
9
授業計画/Class 汚された大地に立つ(レクチャー&質疑応答)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、考える
事後学習/Reviewing レクチャーに対する感想・意見・質問を提出する
10
授業計画/Class 汚された大地に立つ(ディスカッション)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、ディスカッションに備える
事後学習/Reviewing 私たちの環境と生命の破壊が何によってもたらされているか、そして、私たちはそれにどう向き合うべきか、もう一度考えてみる
11
授業計画/Class 人間の誇りをかけて(映像視聴)
事前学習/Preparation 「シリア」「IS」について調べる
事後学習/Reviewing 映像に対する感想・意見・質問を提出する
12
授業計画/Class 人間の誇りをかけて(レクチャー&質疑応答)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、考える
事後学習/Reviewing レクチャーに対する感想・意見・質問を提出
13
授業計画/Class 貧困を見つめる(映像視聴)
事前学習/Preparation 「フィリピン」「構造的暴力」について調べる
事後学習/Reviewing 映像に対する感想・意見・質問を提出
14
授業計画/Class 貧困を見つめる(レクチャー&質疑応答)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、考える
事後学習/Reviewing レクチャーに対する感想・意見・質問を提出する
15
授業計画/Class 貧困を見つめる(ディスカッション)
事前学習/Preparation 感想・意見・質問の「まとめ」を読み、ディスカッションに備える
事後学習/Reviewing 授業全体に対する感想・意見・評価を提出する
授業方法/Method of instruction
1)初回を除き、対面授業(通常型)で実施する。2名の担当者が、毎回、教壇に立つ。
2)授業は原則として3回をワンセットにして、すなわち、ひとつのテーマに270分の時間をかけて行われる。各セットは、次のように進む(第4テーマのみ、ディスカッションがなく2回で終了する)。
第1回:簡単なイントロダクション(約10分)のあと、ヒューマン・ライツにかかわる映像を視聴。授業の3日後(金曜日)までに、映像に対する感想・意見・質問をコースパワーで提出(600字から1000字目安)
第2回:寄せられた感想等をふまえて、担当者がレクチャー(レジュメ・資料を配信・提示する。追加映像を視聴する場合もある)。授業の3日後(金曜日)までに、レクチャーに対する感想・意見・質問をコースパワーで提出(600字から1000字目安)
第3回:寄せられた感想・意見・質問をもとに、グループ・ディスカッション。
3)プリントは、原則として事前にコースパワーで配信する。
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 90% 1テーマで2回、感想・意見・質問を提出してもらう。1つが8点満点(最後の感想・意見・評価のみ18点満点;分量は通常の倍、つまり1200字から2000字程度目安)
2 平常点 In-class Points 10% 授業での発言等の積極性を評価する
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 以上に記したような授業であるので、教科書を指定することはない。本でもよい、ドキュメンタリー映像でもよい、自ら「現場」を知り、発見する努力をしてほしい。ただし、担当者やゲストが書籍や映像作品を紹介することもある。
メッセージ/Message
毎回、出席することが原則。特に映像を視聴できないと「3回分」の授業が無駄になるおそれがある。
その他/Others
1)ヒューマン・ライツの学びは、この授業ののち、「ヒューマン・ライツの現場B」「人権調査論」「人権法特論A~D」「国際人権法」「環境法A・B」「言論法A・B」をはじめとするさまざまな授業に連結されていく。この授業は、その出発点である。
2)この授業の担当者は、1名が「ジャーナリストとして現場を踏むことからヒューマン・ライツ問題に接近していった教員」、もう1名が「文献を通じて憲法を勉強することがヒューマン・ライツ問題に近づくきっかけだった教員」である。経歴・経験の異なる教員が授業を担当するねらいは「学生の複眼的・主体的思考の養成」である。
キーワード/Keywords
ヒューマン・ライツ     人権     自由     差別     戦争     孤立     貧困     環境     ジャーナリズム     実務経験