講義内容詳細:人権法特論C

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 人権法特論C
英文科目名/Course Title (English) Topics in Human Rights Law C
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 坂上 香
英文氏名/Instructor (English) SAKAGAMI Kaori

講義概要/Course description
人権をめぐる課題は、私たちの身の回りにあるポピュラーカルチャー(映画やテレビや音楽など)においていかに語られ、いかに認識されているのだろう。たとえば、社会的マイノリティに対する一般的なイメージは、私たちの身近にあるテレビや映画や音楽といったポピュラーカルチャーによっていかに描かれ、人々に受容(あるいは拒絶)され、法や制度を含む社会のあり方に影響を与えていると言えるのだろう。本授業では、人権を法律の枠組に限定することなく、社会学的視点から考察する。学期の前半ではマイノリティの人権、後半では刑事司法における人権のテーマに焦点を当て、具体的な事例を通して、それぞれの現状や課題が、ポピュラーカルチャーにおいてどのように描かれているかを詳しく見ていく。さらにディスカッションでは、各々がHuman Rights Culture(人権意識を育み、人権を尊重する文化)の担い手として事例を持ち寄り、グループで分析したり、新しい表現の可能性を検討したりする。

達成目標/Course objectives
*特定の社会的集団のイメージや人権侵害の状況が、いかにポピュラーカルチャーによって構築され、人々に受容され、再生産されているかを知るために、それらを読み解くスキルを身につける。

*
人権のイメージや影響は、変容可能であることを学ぶ。同時に、変化を阻む要因についても考察する。

*
授業で扱うトピックに関する意識を高め、現実社会で起こっている問題の理解や解決に、いかに役立てられるかを常に考えられるようになる。

履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
社会問題に関心を持ち、メディアやサブカルチャーを含めた表現一般に興味があること。また、学期を通して複数回グループディスカッションを行うので、他者と「対話」する意欲があること。

授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class *オリエンテーション – Human Rightsとポピュラーカルチャー
*現代の日本社会における人権のイメージを考える。
*なぜ、ポピュラーカルチャーとHuman Rightsなのか? 


初回のみオンライン授業(オンデマンド型)で実施。

事前学習/Preparation 特になし。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
2
授業計画/Class ジェンダー観とポピュラーカルチャーの構築① 女性編 

事前学習/Preparation 課題映像や課題資料に目を通してくる。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
3
授業計画/Class ジェンダー観とポピュラーカルチャーの構築② 男性編  両性の平等

事前学習/Preparation 課題映像や課題資料に目を通してくる。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
4
授業計画/Class ジェンダー観とポピュラーカルチャーの構築③セクシャルマイノリティ

事前学習/Preparation 課題映像や課題資料に目を通してくる。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
5
授業計画/Class グループディスカッション(1)
事前学習/Preparation ディスカッションシートの作成とディスカッションの準備。
事後学習/Reviewing 第1回目〜 第4回目の配布資料などを復習する。ディスカッションシートの作成とディスカッションの準備。
6
授業計画/Class 子どもの人権とポピュラーカルチャー①
事前学習/Preparation 課題映像や課題資料に目を通してくる。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
7
授業計画/Class 子どもの人権とポピュラーカルチャー② 
事前学習/Preparation 課題映像や課題資料に目を通してくる。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
8
授業計画/Class 難民とポピュラーカルチャー 
事前学習/Preparation リーディング課題を読む。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
9
授業計画/Class 人種差別とヘイト 
事前学習/Preparation 課題映像や課題資料に目を通してくる。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
10
授業計画/Class ディスカッション(2)

事前学習/Preparation 第6回目〜 第9回目の配布資料などを復習する。ディスカッションシートの作成とディスカッションの準備。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
11
授業計画/Class 死刑とポピュラーカルチャー①

事前学習/Preparation 課題映像や課題資料に目を通してくる。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
12
授業計画/Class 死刑と被害者とポピュラーカルチャー②
事前学習/Preparation 課題映像や課題資料に目を通してくる。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
13
授業計画/Class 終身刑(無期刑)とポピュラーカルチャー

事前学習/Preparation 課題映像や課題資料に目を通してくる。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
14
授業計画/Class 刑務所とポピュラーカルチャー

事前学習/Preparation 課題映像や課題資料に目を通してくる。
事後学習/Reviewing 配布資料などを復習する。
15
授業計画/Class グループディスカッション(3)
事前学習/Preparation 第11回目〜 第14回目の配布資料などを復習する。ディスカッションシートの作成とディスカッションの準備。
事後学習/Reviewing 最終課題3の準備をする。
授業方法/Method of instruction
映像や音声メディアを頻繁に使った授業で(事前に映像を視聴する課題を出すこともある)、英語の資料を使うこともある。グループディスカッションなどの参加型スタイルを用いることもあり、積極的な参加が求められる。

第2週目以降は対面授業(通常型)で実施します。初回のみオンライン授業(オンデマンド型)で実施します。

成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 100% 30%:課題1-- ディスカッション関連のワークシート作成(事前)とディスカッション後のまとめ。

30%:課題2 -- ディスカッション関連のワークシート作成(事前)とディスカッション後のまとめ。

40%:課題3(期末)-- ディスカッション関連のワークシート作成(事前)とレポート。

参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN 
1 田中東子 山本敦久 安藤丈将 出来事から学ぶカルチュラル・スタディーズ ナカニシヤ出版 2017 9784779510472
メッセージ/Message
本授業では人権を幅広く捉え、問題意識を明確に展開する。普段何気なく触れているテレビドラマ、CM、映画、漫画、ゲームなどを意識的に捉え直す。それは時として、教える私や、履修する皆さんの立場性をも問う。履修生には、そこから目をそらさず、柔軟に考えようとする姿勢を求める。コロナ禍で外出は難しくても、オンラインでの関連イベントや映画のストリーミング上映などもあるので、積極的に参加して欲しい。

その他/Others
コロナ対応で対面講義が困難になった場合は、オンデマンドとzoomの混合型にする。基本的に、通常の講義はオンデマンド、ディスカッションの日はzoom。オンライン環境に心配がある場合、その旨を伝えるように。
キーワード/Keywords
人権     ヒューマンライツ     社会的課題     ジェンダーと性的アイデンティティ     マイノリティ     ポピュラーカルチャー     メディア     刑事司法     死刑制度     表象     抵抗文化