講義内容詳細:刑事訴訟法A

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 刑事訴訟法A
英文科目名/Course Title (English) Criminal Law Procedure A
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 葛野 尋之
英文氏名/Instructor (English) KUZUNO Hiroyuki

講義概要/Course description
 憲法31条は、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」と規定しています。これを 受けて、刑事訴訟法1条は、「この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令 を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする」と規定しています。刑事訴訟法Aにおいては、この理念が刑事手続の各場面でどのように実現されている のか、あるいはどのように実現されるべきなのか、を講義します。
  刑事手続を実際のシステムとして理解するためには、判例・実務の運用を把握することが必須です。したがって、それらにとくに留意して講義を進めます。また、重要な争点については、判例・学説やその対立の説明にとどまらず、そうした対立がどうして生じてくるのか、それぞれどのような考え方に基づくのか、といったところまで踏み込んで解説します。そのさい、解釈論の限界を踏まえたうえで、立法政策論にも触れます。
 刑事訴訟法Aにおいては、捜査手続と公訴提起、訴因を取り扱います。
達成目標/Course objectives
到達すべき目標は、(1)刑事訴訟法の基本理念と刑事手続の全体像を把握すること。(2)刑事手続の各段階に関する法規定とそれらをめぐる判例・実務および学説についての基本的事項を正しく理解すること。(3)それらを踏まえて、刑事手続をめぐる基本的争点および課題について考察し、自己の見解を構築すること、です。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
刑法A・Bについては、履修済みであるか、履修中であることが望ましいでしょう。
後期開講の刑事訴訟法Bについては、是非とも履修してください。
刑事政策A・Bについても、刑事司法全体についての理解を深めるため、履修することが望ましいでしょう。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 刑事手続の流れ、刑事訴訟法の目的
第1回授業は、オンライン(オンデマンド型)により実施します。
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
2
授業計画/Class 捜査の原則、強制処分と任意処分
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
3
授業計画/Class 職務質問
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
4
授業計画/Class 任意同行と任意取調べ
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
5
授業計画/Class 逮捕・勾留(Ⅰ)
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
6
授業計画/Class 逮捕・勾留(2)−別件逮捕・勾留
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
7
授業計画/Class 被疑者の取調べ
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
8
授業計画/Class 被疑者の弁護権と接見交通権
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
9
授業計画/Class 刑事司法改革と被疑者取調べの録音・録画、協議・合意制度
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
10
授業計画/Class 捜索・差押(1)
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
11
授業計画/Class 捜索・差押(2)—逮捕にともなう無令状の捜索・差押
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
12
授業計画/Class 公訴提起の原則
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
13
授業計画/Class 訴因の意義と特定
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
14
授業計画/Class 訴因の変更
事前学習/Preparation 教科書の該当部分を読み、理解できなかったことを明らかにしておいてください。授業において扱う内容は、予習課題を見ると分かります。
Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
15
授業計画/Class 復習のための事例問題演習
事前学習/Preparation Course Powerを通じて、「事例問題」2〜3題に解答してください。
事後学習/Reviewing テキスト、判例教材、授業スライドを用いて、授業内容を復習してください。
授業方法/Method of instruction
 本講義は、対面授業(通常型)により実施します。
 各回、予習課題にそって、講義形式により進めます。Power Pointのスライドを使用します。授業終了後、Course Powerを通じて授業スライドを公開します。
 刑事訴訟法の教科書を用意してください。また、『判例学習・刑事訴訟法』は毎回の授業において直接参照しますので、必ず手許においてください。
 各回、予習をして授業に臨んでください。各回、教科書の該当部分を読み、Course Powerを通じて、予習課題に解答してください。予習をして授業に臨むと、授業内容がよく理解できますので、復習の負担が大幅に軽くなります。
 授業内容についての質問を歓迎します。
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 60% 事例問題を含む、論述試験を行います。
2 平常点 In-class Points 40% 各回の予習課題の提出、15回目授業の事例問題への解答について、40%の割合で評価します。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
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1 葛野尋之=中川孝博=淵野貴生 判例学習・刑事訴訟法(第3版) 法律文化社 2021年 2021年4月に出版予定です。各回の授業において直接参照しますので、授業時には、必ず手許においてください。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
コメント
Comments
 
1 宇藤崇=松田岳士=堀江慎司 刑事訴訟法(第2版) 有斐閣 2018年 特定の教科書を指定することはしません。参考書として紹介したものを含め、自分に合うものを選んで、予習・復習に活用してください。
2 吉開多一=緑大輔=設楽あづさ=國井恒志 基本刑事訴訟法(1)—手続理解編 日本評論社 2020年 特定の教科書を指定することはしません。参考書として紹介したものを含め、自分に合うものを選んで、予習・復習に活用してください。
3 刑事訴訟法判例百選(第10版) 有斐閣 2017年
4 上口裕 刑事訴訟法(第5版) 成文堂 2021 特定の教科書を指定することはしません。参考書として紹介したものを含め、自分に合うものを選んで、予習・復習に活用してください。
メッセージ/Message
 刑事訴訟法を学修することによって、問題発見能力、論理的な思考力・表現力、課題解決能力などが陶冶されるはずです。
 刑事訴訟法の学習の導入のために、次の本を(どれか1冊でもよいですから)読んでみることを進めます。今村核『冤罪と裁判』(講談社現代新書、2012年)、村木厚子『私は負けない—「郵便不正事件」はこうして作られた」(2013年)、周防正行『それでもボクは会議で闘う―ドキュメント刑事司法改革』(岩波書店、2015年)、浜田寿美男『虚偽自白を読み解く』(岩波新書、2018年)、北村年子『大阪・道頓堀川「ホームレス」襲撃事件―“弱者いじめ”の連鎖を断つ』(太郎次郎社、1997年)。
 また、次の映画もお薦めします。『それでもボクはやってない』(2007年)、『BOX—袴田事件・命とは』(2010年)、『父の祈りを』(イギリス映画、1993年)、『12人の怒れる男』(アメリカ映画、1957年)。