講義内容詳細:憲法A(再)

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 憲法A(再)
英文科目名/Course Title (English) Constitutional Law A
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 大津 浩
英文氏名/Instructor (English) OTSU Hiroshi

講義概要/Course description
 本授業では、法学一般について概説した後、日本国憲法の基本的な内容のうち、基本的人権の前半についての講義を行う。具体的には、法とは何か、どのような法律分野があるのか、基本的人権とは何か、人権の保障と限界、包括的基本権、法の下の平等、思想・信教の自由、表現の自由などについて、具体的な事件と判例を紹介しながら解説する。私たちに保障されている人権は、人類の長い歴史の中で苦闘しながら勝ち取られてきたものである。現代においても、未だに人権が十分に保障されているとは言い難い現実もある。本授業では、単に憲法の知識を身に着けるだけでなく、基本的人権の保障という思想の中に一人一人の個人をかけがえのない存在として尊重すること、だからこそ互いの人権を尊重するところに人権行使の限界が見出されるべきことを十分に理解できるように、平易かつメリハリをつけた講義を行う。また、本授業は再履修者用の授業であることに留意して、分かりやすい授業に努める。
達成目標/Course objectives
 本授業を通して、法とは何か、憲法とは何か、基本的人権とは何かを十分に理解し、自ら説明できるようになることが目標となる。特に基本的人権に関しては、そのうちで主要な人権の保障内容とその限界、それらの人権に関連した事件や裁判所の判決(判例)の主要なものを理解し、自ら説明できるようになることが目標となる。さらには、本授業を通して、憲法学習に対する苦手意識の克服が目指される。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
 特に履修条件はない。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 授業ガイダンス及び法学の基本(法とは何か、いかなる法律分野があるのか、憲法とはいかなる特徴を持った法なのか、判例とは何か、法の解釈とは何かなど)について説明する。加えて、授業内容に関わるアンケートを実施する。なお、第1回授業に限りオンライン授業(オンデマンド型)形式で実施する。
事前学習/Preparation 特になし
事後学習/Reviewing 授業中に配られたレジュメを再度検討し、必要事項をノートにまとめること。
2
授業計画/Class 基本的人権総論(基本的人権とは何か、人権の分類、人権保障のあり方、人権保障の限界)について
事前学習/Preparation 教科書第1章Ⅰ~Ⅱを事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
3
授業計画/Class 包括的基本権①(プライバシー権、自己情報コントロール権)
事前学習/Preparation 教科書第1章Ⅲ1~2を事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
4
授業計画/Class 包括的基本権②(自己決定権)
事前学習/Preparation 教科書第1章Ⅲ3~5、Ⅳを事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
5
授業計画/Class 平等原則の基礎(歴史、学説の対立)
事前学習/Preparation 教科書第2章Ⅰを事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
6
授業計画/Class 平等に関する判例①(尊属殺人事件、非嫡出子相続分差別事件等)
事前学習/Preparation 教科書第2章Ⅱ3を事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
7
授業計画/Class 平等に関する判例②(国籍法事件、非嫡出子相続分差別事件新決定等)
事前学習/Preparation 教科書第2章Ⅱ4を事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
8
授業計画/Class 思想・内心の自由
事前学習/Preparation 教科書第3章Ⅰ、Ⅱ1~2(3)を事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
9
授業計画/Class 信教の自由①(信教の自由の保障と限界)
事前学習/Preparation 教科書第3章Ⅱ3(1)~(4)を事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing しん授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
10
授業計画/Class 信教の自由②(政教分離原則)
事前学習/Preparation 教科書第3章Ⅰ、Ⅱ3(5)を事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
11
授業計画/Class 表現の自由について①(二重の基準論、事前規制の原則的禁止と検閲の絶対的禁止、明確性の原則)
事前学習/Preparation 教科書第4章Ⅰ1~2を事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
12
授業計画/Class 表現の自由について➁(明白かつ現在の危険、LRAの基準、表現内容規制と内容中立規制)について
事前学習/Preparation 教科書第4章Ⅰ3~4について事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
13
授業計画/Class 表現の自由➂(情報化社会と知る権利)
事前学習/Preparation 教科書第4章Ⅱを事前に読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業中配られたレジュメや資料、授業の講義内容をまとめたノート等を読み返して、内容を十分に理解できているか確認すること。
14
授業計画/Class 表現の自由④(政府情報問題、公共放送の憲法問題)
事前学習/Preparation 前授業時に配布する資料を予習しておくこと。
事後学習/Reviewing 授業中に提示された課題について、レジュメなどを参照しつつ検討すること。
15
授業計画/Class 前期授業のまとめと補足
事前学習/Preparation 前期授業で配布したすべてのレジュメと資料を読み直すこと。
事後学習/Reviewing 授業中に提示された課題について、レジュメなどを参照しつつ検討すること。
授業方法/Method of instruction
 対面式(通常型)で講義中心の授業を行う。教科書のほか、オンライン(コースパワー)を通じて、あるいは教室で適宜配布するレジュメや資料を活用して進める。授業終了後に、適宜、オンライン(コースパワー)にて簡単なテストを行う予定である。また適宜、レポートやアンケートの提出も求める。
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 90% 基礎知識の習得、専門知識の習得、理論的な思考の確認。
2 レポート Report 5% 憲法に対する問題関心、論理的思考、論述能力の確認。
3 平常点 In-class Points 5% 授業への積極的参加度。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
1 大津浩・大藤紀子・高佐智美・長谷川憲 新憲法四重奏(第2版) 有信堂 2017年 9784842010809 3000円+税
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 辻村みよ子・山元一(編) 概説憲法コンメンタール 信山社 2018年 9784797286236 3600円+税
2 芦部信喜(著)・高橋和之(補訂) 憲法(第7版) 岩波書店 2019年 9784000613224 3200円+税
メッセージ/Message
 現在の人権問題に関心を持ち、日々のニュースの中に人権問題を見つけてほしい。
その他/Others
 授業中は教科書並びにコンパクトなサイズの六法を必ず持参すること。
キーワード/Keywords
憲法     基本的人権