講義内容詳細:人権法特論D

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 人権法特論D
英文科目名/Course Title (English) Topics in Human Rights Law D
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 高橋 大祐
英文氏名/Instructor (English) TAKAHASHI Daisuke

講義概要/Course description
 本講座では、「ビジネスと人権」に関する理論と実務を学びます。SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)に関する実務・施策との関係についても理解を深めます。
 グローバルな企業活動が労働者・市民・消費者などのステークホルダーの人権に対して負のインパクトを与える可能性に関する社会意識の高まりを受けて、2011年に、国連人権理事会において「ビジネスと人権に関する指導原則」が承認されました。ビジネスにおける人権尊重を求める「ビジネスと人権」の視座は、国内外の法規制、国際機関・各国政府・公的機関のルール、企業・投資家・金融機関における法実務にも多大な影響を与えています。特にコロナ危機によってよって企業活動の人権への影響が顕在化していること、日本政府が「ビジネスと人権」に関する行動計画を発表したこと、EUで人権デューディリジェンスを義務付ける法案が提出される予定であることなどをふまえて、日本企業でも人権への対応が重要な課題になっています。
 企業が直面する「ビジネスと人権」課題は、差別・ハラスメントの問題にとどまりません。外国人技能実習生問題、違法に採取された原材料の調達、開発プロジェクトにおける土地収用・環境汚染、ESG投融資、そして近年では、気候変動問題、デジタルトランスフォーメーション、コーポレートガバナンスに影響を与えています。
 本講座では、このような課題を、企業及びその他のステークホルダーが対話・協働を通じてどのように対処していけるかに関し、講師の実務経験もふまえ、具体的な事例を交え、講義を行います。受講生の皆さんの課題解決に向けた実践力を高めるために、可能な限り双方向の授業とし、企業・NGO間の対話・交渉のシミュレーションや事例研究に関するグループワークなども実施する予定です。
達成目標/Course objectives
 「ビジネスと人権に関する指導原則」の内容や実務への影響、SDGs・ESGとの関係に関して受講生の皆さんの理解を固めます。
 その上で、受講生の皆さんが、将来、企業・金融機関・行政・国際機関・NGO・法曹など様々な立場において、対話・協働を通じた実務的な課題解決に向けて積極的な役割を果たすための実務能力の基礎を養うことを目標とします。 問題の分析・調査・解決、関係者との交渉・説得、チーム内での連携・分担における工夫についても、ケーススタディ・シミュレーション・グループワークを通じて習得を目指します。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
 ビジネス法や国際人権法の分野の基礎を習得していた方が、より一層関心をもって授業に臨めるという点では望ましい部分もあります。しかし、前提知識は必須ではなく、積極的に授業や課題に参加していただくことが重要です。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション:「ビジネスと人権」とは何か?「ビジネスと人権」を学ぶ意味とは?(オンライン(オンデマンド型)で実施)
事前学習/Preparation 特になし。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
2
授業計画/Class 講義:「ビジネスと人権に関する指導原則」の全体像をつかむ
事前学習/Preparation 「ビジネスと人権に関する指導原則」を一読しておく
事後学習/Reviewing 授業において指定。
3
授業計画/Class 講義:企業の人権尊重責任と人権デュー・ディリジェンス
事前学習/Preparation 日弁連「人権デュー・ディリジェンスのためのガイダンス(手引)」、「責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」を一読しておく。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
4
授業計画/Class 講義:指導原則の実務影響ー英国現代奴隷法・EU・DD法案など国内外のルール形成の動向
事前学習/Preparation 授業において指定。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
5
授業計画/Class 講義:「ビジネスと人権」とSDGs・ESGとの関係
事前学習/Preparation 授業において指定、
事後学習/Reviewing 授業において指定。
6
授業計画/Class 講義:被害者の救済へのアクセスの確保と苦情処理制度
事前学習/Preparation 授業において指定。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
7
授業計画/Class 講義:国家の人権保護義務と国別行動計画
事前学習/Preparation 日本政府発表の「ビジネスと人権」に関する行動計画を一読しておく。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
8
授業計画/Class 企業・NGO間の対話・交渉シミュレーションの実施
事前学習/Preparation 授業において指定。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
9
授業計画/Class 企業・NGO間の対話・交渉シミュレーションの報告・講評
事前学習/Preparation 授業において指定。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
10
授業計画/Class ケーススタディ:日本企業の「ビジネスと人権」に関する取組の実際と課題
事前学習/Preparation 授業において指定。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
11
授業計画/Class ケーススタディ:コロナ危機と人権、サプライチェーンを通じた外国人技能実習生問題への対応
事前学習/Preparation 授業において指定。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
12
授業計画/Class ケーススタディ:AIと人権、気候変動と人権
事前学習/Preparation 授業において指定。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
13
授業計画/Class グループ事例研究報告
事前学習/Preparation 授業において指定。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
14
授業計画/Class グループ事例研究報告・講評
事前学習/Preparation 授業において指定。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
15
授業計画/Class 総括:「ビジネスと人権」の視座を私たちの生活・仕事・社会でどのように生かすか?
事前学習/Preparation 授業において指定。
事後学習/Reviewing 授業において指定。
授業方法/Method of instruction
 受講生のみなさんに、事前に具体的な事例・課題を提示し、参考文献などをふまえて対応方法を考えてもらい、授業の中で双方向のディスカッションを行う予定です。
 企業・NGO間の対話・交渉のシミュレーションでは、企業・NGOなどのチームに分かれて、特定の「ビジネスと人権」課題の解決に向けた対話・交渉を行い、その方法や課題を実体験を通じて学んでもらいます。
 グループワークは、特定の企業やステークホルダーが直面している特定の「ビジネスと人権」課題に関して、チームで調査検討を行った上で、解決案を取りまとめて、発表してもらう予定です。
 なお、授業は、特段の事情がない限り、対面式で実施する予定です。

成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 40% 授業・ディスカッション・シミュレーションへの参加・貢献の状況から評価します。
2 レポート Report 30% 期末レポートに関して、知識量ではなく、論理的・説得的・独創的か否かといった視点から評価します。
3 その他 Others 30% グループワークに関して、成果物の内容及びチームへの貢献度から評価します。
教科書/Textbooks
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1 日本政府 ビジネスと人権に関する行動計画 2018年 無料 https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_001608.html
2 日本弁護士連合会 人権デュー・ディリジェンスのためのガイダンス(手引) 2015年 無料 https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2015/opinion_150107_2.pdf
3 財団法人アジア・太平洋人権情報センター ビジネスと人権に関する指導原則 和訳 2011年 無料 https://www.hurights.or.jp/japan/img/hrc1731framework.pdf
4 国際連合人権高等弁務官事務所 ビジネスと人権に関する指導原則 英語原文 2011年 無料 https://www.ohchr.org/documents/publications/GuidingprinciplesBusinesshr_eN.pdf
5 OECD 責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス 2018年 無料 https://mneguidelines.oecd.org/OECD-Due-Diligence-Guidance-for-RBC-Japanese.pdf
参考書/Reference books
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1 財団法人企業活力研究所 新時代の「ビジネスと人権」のあり方に関する調査研究報告書 2019年 無料 http://www.bpfj.jp/act/download_file/98193838/69707541.pdf
キーワード/Keywords
ビジネスと人権     SDGs     ESG     CSR     コンプライアンス