講義内容詳細:産業労働衛生論

戻る
年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 産業労働衛生論
英文科目名/Course Title (English) Management of Industrial Health and Safety
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 五味 愼太郎
英文氏名/Instructor (English) GOMI Shintaro

講義概要/Course description
 経営資源である物質的資源(モノ)、資本的資源(カネ)、人的資源(ヒト)のうち、最も重要視されている労働力・人材およびそのネットワークなどの人的資源を最大利用するための根幹となる働く人の健康が、企業経営にとって必要不可欠のものとなっている。特に、近年は産業構造が変化し、サービス業を中心とする第3次産業に従事する労働者が増加するとともに、IT化、国際化、高齢化の進展などにより、労働環境が急速に変化している。従来のような爆発事故などの労働災害は減少しているが、生活習慣病などは増加し、健康診断の結果何らかの異常所見を有するものが半数を超える状況になっている。また、仕事や職業生活で不安・ストレス・悩みを感じるものは6割を超えている。さらに自殺者は年間3万人に及び、過重労働による心身の疾患が注目され、メンタルヘルスの重要性が社会的に大きな関心を集めている。
 本講義では企業における産業衛生について学び、将来、組織の管理部門としてあるいは上司として社員や部下などを管理する立場になった時に法令を遵守し的確に判断行動し、人的資源を有効に利用できる人材を育成するとともに、自らの心身の健康を管理・維持・増進するための知識としても活用し、有能な社会人として活躍できる基礎を養うことを目指す。理解を深めるため、授業はパワーポイントや動画を使用して行う。
達成目標/Course objectives
 企業における衛生管理の根幹である作業管理、作業環境管理、健康管理、総合管理、健康増進を理解し、将来就職し、部下として働く上で上司や会社の不適切な言動に対し適切に対応し、自分自身を守り自らの健康を維持増進するための基礎知識を身につける。また上司となり部下を持った時には法を順守し、部下の安全・健康を守るとともに適切に人的資源の最大利用を図るための基礎を養う。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
簡単な医学知識について健康医学などを履修し学んでから履修することが望ましい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 第1回      総論        オンデマンド型で行う。第2回目以降もすべて同様にオンデマンド型で行う。
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する資料の大項目を理解する
2
授業計画/Class 第2回      産業労働衛生論総論Ⅰ 経営・人的資源管理と労働衛生
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。特に人的資源管理の変遷、雇用管理、労働時間の管理につき理解する。
3
授業計画/Class 第3回      産業労働衛生論総論Ⅱ 労働衛生管理とは
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。特に労災、安全配慮義務について理解を深める。
4
授業計画/Class 第4回      産業労働衛生論総論Ⅲ 衛生管理の進め方・労働衛生管理体制
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。特に安全衛生管理体制について理解を深める。
5
授業計画/Class 第5回      作業管理要素と職業性疾患Ⅰ
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。特に作業環境要素、職業性疾患の概念および業務上疾病、作業関連疾患について理解を深める。
6
授業計画/Class 第6回      作業環境要素と職業性疾病Ⅱ
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。特に金属、有機溶剤、生物学定期要因による職業性疾病について理解を深める。
7
授業計画/Class 第7回     作業環境要素と職業性疾病Ⅲ 作業要因と健康障害
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。作業要因と健康障害、とくにVDT作業、腰痛、心理的負荷による精神障害などについて理解を深める。
8
授業計画/Class 第8回      作業環境管理・作業管理
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。特に特に事務所に必要な環境管理、産業疲労について理解を深める。
9
授業計画/Class 第9回     健康管理Ⅰ
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。特に一般健康診断、特殊健康診断について理解を深める。
10
授業計画/Class 第10回     健康管理Ⅱ
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。特に一般健康診断、特殊健康診断について理解を深める。
11
授業計画/Class 第11回     健康保持増進活動・快適職場づくり
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。特に心と体の健康づくり、職場におけるメンタルヘルス対策、企業に求められる快適職場宿里における体制対策につき、福利厚生の面も含め、理解を深める。
12
授業計画/Class 第12回     職場の喫煙対策
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。特に喫煙所の設置にかかわる体制について理解を深める。
13
授業計画/Class 第13回     救急処置
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。特に心肺蘇生、AEDの使用法を身につける。
14
授業計画/Class 第14回      働き方改革・平成26年安衛法改正
事前学習/Preparation 資料の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業内容を理解する。労働時間法制の見直し、高度プロフェッショナル制度、同一労働同一賃金、ストレスチェック制度などについて理解を深める。
15
授業計画/Class 第15回     労働衛生教育・労働衛生管理統計、総まとめ
事前学習/Preparation 資料の全体の大項目を理解する
事後学習/Reviewing 資料を基に授業でふれた重要な点について理解。
授業方法/Method of instruction
オンデマンド型オンライン授業で行う。授業にはCourse Power を用いる。理解を深めるため、授業はパワーポイントや動画を使用して行う。Course Power に授業の進め方、資料、授業動画、小テストなどを提示するので、各回の授業の進め方に従うこと。
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 100% ほぼ毎回、小テストやレポート(動画を見ての感想文)を行い、これらの合計点で評価する。後日、回答を提示するので、各自復習すること。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
価格
Price
 
1 小薗康範、川崎仁志、五味愼太郎、塩沢友規 エッセンシャル健康医学 DTP出版 2011 2000+税
2 中央労働災害防止協会編 衛生管理(上)第2種用 中央労働災害防止協会
その他/Others
簡単な医学知識について健康医学などを履修し学んでから履修することが望ましい。