講義内容詳細:交通論Ⅰ/交通経済学Ⅰ

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 交通論Ⅰ/交通経済学Ⅰ
英文科目名/Course Title (English) Transportation Ⅰ/Economics of Transportation Ⅰ
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 須田 昌弥
英文氏名/Instructor (English) SUDA Masaya

講義概要/Course description
 「交通」はわれわれの日常生活においても身近な現象であると同時に、経済活動にも大きな影響を与えるものでもある。本講義ではこの「交通」について、それが経済学的にどのような特性をもち、どのような市場を形成しているかを検討する。
 本年度は対面型の講義の形態で行う予定である(状況によって変更の可能性あり)が、漫然と資料を眺めるだけでは得るところ(「単位」を含む)は少ない。本講義においては、無味乾燥な知識の「記憶」よりも、知識の現実への「応用」能力を高く評価する方針である。講義中、適宜小テストを行う(日時・回数は未定)ほか、適宜指名して解答を求めることもある。そのほとんどは皆さんの日常の経験・知識に基づけば解答可能であるので、憶することなく答えてもらいたい。
達成目標/Course objectives
「交通」に関する諸問題について、各自の見解を持つために必要な知識と考え方を身に付ける
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
履修に際してはミクロ経済学の初歩を理解していることが望ましい。その知識がなくとも講義の大要は理解できると思われるが、より詳しく学びたい者はミクロ経済学の入門書を読んだ上で受講することを薦める。また、経済理論には数式がつきものであり、本講義でも多少使用することが予想される。ただし、数学の知識不足は数式の理解の妨げ(言い訳)にはならない。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション[オンライン授業(オンデマンド型)での実施]
事前学習/Preparation このシラバスにあらかじめ目を通しておく。
事後学習/Reviewing テキストを入手し、交通経済学の大まかな体系を認識しておけるとなおよい。
2
授業計画/Class 交通サービスの「公共性」
事前学習/Preparation テキスト2〜10ページをあらかじめ読み、交通における「公共性」について考える。
事後学習/Reviewing 交通の「公共性」に関連して挙げられた諸項目と、経済理論との関連について調べてみる。
3
授業計画/Class なぜ交通事業には規制があるのか
事前学習/Preparation テキスト10〜24ページをあらかじめ読んでおく。
ミクロ経済学における「市場の失敗」について復習しておく。
事後学習/Reviewing 実際の(交通における)規制について、講義で説明したことに当てはめて考えてみる。
4
授業計画/Class 交通における規制の構造〜参入規制と運賃規制〜
事前学習/Preparation テキスト24〜36ページをあらかじめ読んでおく。
前回の講義内容もあらかじめ復習しておく。
事後学習/Reviewing 伝統的な規制理論における「参入規制」と「価格規制」の関係について整理しておく。
5
授業計画/Class 交通需要
事前学習/Preparation テキスト42〜51ページをあらかじめ読んでおく。
第2回の講義内容について復習しておく。
事後学習/Reviewing 交通需要が「派生的」であるということが、交通現象にどのような影響をもたらしているか考える。
6
授業計画/Class 輸送構造の変化と交通機関選択
事前学習/Preparation テキスト51〜82ページをあらかじめ読んでおく。
ミクロ経済学の「需要の価格弾力性」の概念を復習しておく。
事後学習/Reviewing 時間価値が交通手段選択にどのような影響をもたらすか、簡単な数値例で理解できるようにしておくとよい。
7
授業計画/Class 交通需要の予測手法
事前学習/Preparation テキスト92〜106ページをあらかじめ読んでおく。
事後学習/Reviewing 交通需要予測の何が特に困難なのかを考えておくとよい。
8
授業計画/Class 交通における規模の経済性
事前学習/Preparation テキスト110〜132ページをあらかじめ読んでおく。
ミクロ経済学における費用関数と生産関数について復習しておくとよい。
事後学習/Reviewing 交通における「自然独占」の意味について考えておく。
9
授業計画/Class コンテスタビリティの理論
事前学習/Preparation テキスト132〜136ページをあらかじめ読んでおく。
範囲の経済/シナジー効果についてあらかじめ整理しておくとよい。
事後学習/Reviewing コンテスタビリティの理論の何が「新しい」のか、実際の政策にどのような影響を与えたのか整理しておく。
10
授業計画/Class ネットワークの経済性
事前学習/Preparation テキスト136〜147ページをあらかじめ読んでおく。
第8回の講義内容について復習しておく。
事後学習/Reviewing 交通サービスにおける「ネットワーク」の重要性について考えてみる。
11
授業計画/Class 共通費とその配賦
事前学習/Preparation テキスト147〜161ページをあらかじめ読んでおく。
事後学習/Reviewing 共通費と「内部相互補助」の関係について整理しておく。
12
授業計画/Class 交通市場(1)地域間交通市場
事前学習/Preparation 交通市場の分類がどのようになされてきたか/なされるべきかについて考えをまとめておく。
事後学習/Reviewing 地域間交通市場はどのような産業組織的特徴を持つか整理する。
13
授業計画/Class 交通市場(2)地域内交通市場
事前学習/Preparation 地域内交通市場はどのように分類されているか考えてみる。
事後学習/Reviewing 地域内交通市場はそれぞれどのような産業組織的特徴を持つか整理する。
14
授業計画/Class 日本の地方鉄道について
事前学習/Preparation 特に地方出身者は、自分の見聞した(乗った)地方鉄道と東京の鉄道の違いについて考えておいて欲しい。
事後学習/Reviewing この講義で学んだことも含めて、日本の地方鉄道が抱える諸問題を解決するにはどのような対策が必要か整理してみる。
15
授業計画/Class 交通市場と交通政策
事前学習/Preparation 第12回・13回の講義内容を復習しておく。
事後学習/Reviewing 交通サービスとその市場の特性が交通政策にどのような影響をもたらすかを考察する。

授業方法/Method of instruction
第2回目以降は対面授業(通常型)で講義を行う。基本的にはテキスト(1〜3章)に準拠して講義を進めていく。主に交通の需要・供給(費用)に関連するトピックについて検討し、「交通市場」の特性を明らかにする。「交通論」履修者に配慮し、適宜ミクロ経済学の復習を行う。
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 100% 試験期間中に期末試験を行いその点数に基づいて評価する予定。
なお、それとは別に講義中小テストを行う予定であるが(日時・回数は未定)、その得点はあくまで期末試験の結果に対する加点材料としてのみ扱う。
教科書/Textbooks
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1 山内弘隆・竹内健蔵 『交通経済学』 有斐閣 2002年 下記参考書以外の参考文献は講義中に指示する。
参考書/Reference books
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ISBN価格
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1 竹内健蔵 『交通経済学入門[新版]』 有斐閣 2018年
2 田邉勝巳 『交通経済のエッセンス』 有斐閣 2017年 9784641150492 ¥2,000+税
メッセージ/Message
「交通経済学」(経済学部)と「交通論」(経営学部)は、互いに異名称同一科目である。一方の科目を履修する(した)者は他方を履修できないので注意されたい。
講義内容に関して質問のある者はアドレス:msuda@econ.aoyama.ac.jpまで連絡をとること。
その他/Others
後期開講の「交通経済学II/交通論II」をあわせて履修することを推奨する。
キーワード/Keywords
交通サービスの「公共性」         交通市場