講義内容詳細:意思決定会計論

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 意思決定会計論
英文科目名/Course Title (English) Accounting in Business Decisions
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 菅本 栄造
英文氏名/Instructor (English) SUGAMOTO Eizo

講義概要/Course description
※以下に示す授業計画から大きく変わる可能性が十分ありうるので、履修希望者は、最初の授業に出て、授業計画を確認してください。
 
  現代の企業会計の重要な役割は、企業と利害関係のある人々の利用のために有用な会計情報を提供することにあります。会計情報の利用者は企業の外部にも内部にもいます。企業外部の利用者に対する情報提供問題を扱うのが財務会計で、企業内部の利用者に対する情報提供問題を扱うのが管理会計という領域です。本講義で学ぶのは管理会計系科目としての意思決定会計です。管理会計は英語でmanagerial accounting or management accountingと表記されます。これは、経営者または経営管理のための会計であることを意味しています。
 管理会計システムは、経営意思決定のための情報収集システムとしての機能と組織メンバーを望ましい行動へと誘導するための影響システムとしての機能を二重に有しています。本講義では、前期の「予算管理論」で学習した内容を踏まえつつ、より管理会計の専門性を高めて、実務的な内容を学習します。
達成目標/Course objectives
①経営意思決定会計の基本コンセプトを理解し、基本的な計算問題を身近な設例に基づいて習得すること
②学際的な観点から経営意思決定会計の理論を理解すること
③人間の非合理性を扱う行動経済学の研究知見の一部を理解すること
④戦略思考で財務諸表を解釈すること
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
管理会計論Ⅰ・Ⅱを履修済み、あるいは並行して履修していること
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オンライン授業(オンデマンド型)での実施
イントロダクション:経営者と管理会計、経営システムの中核としての管理会計
 講義内容を説明したのち、①管理会計の領域、②機会費用の概念、③管理会計システムの情報収集システムと影響システムとしての機能、について概説し、小リポートを授業内で作成し、最後に回収する。
事前学習/Preparation  講義内容をしっかり読んで、不明な点などを初回の授業で質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業内で説明した講義要項を踏まえて、履修登録を行うか否か、履修登録を行う場合、履修に際して理解していくべき事項を再確認する。
2
授業計画/Class 管理会計とコスト概念、コスト・ビヘイビア:
①管理会計と各種コスト概念を復習する。
②機会費用について映像資料に基づいて学ぶ。
③様々なタイプのコスト・ビヘイビアを理解する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
3
授業計画/Class CVP関係の基礎(1):
①CVP関係の分析をケースに基づいて学ぶ。
②貢献利益概念と貢献利益計算書の様式を学ぶ。
③損益分岐点と目標営業利益、感度分析と安全余裕度、原価計画とCVP、営業(経営)レバレッジの概念と計算方法を学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
4
授業計画/Class CVP関係の基礎(2):
①意思決定モデルと不確実性の問題をCVP分析に導入する。
②売上品構成(セールズ・ミックス)が利益に及ぼす影響を学ぶ。
③リスクと不確実性の経営意思決定原理を数値例によって理解する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
5
授業計画/Class 経営意思決定会計と関連情報(1):全体像の理解
①日常生活での例を用いて、経営意思決定会計の基本概念を理解する。
②設例を用いて、管理会計情報の2つの機能を理解する。
③サンクコストの概念とサンクコストの呪縛について映像資料を通じて学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
6
授業計画/Class 経営意思決定会計と行動経済学
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
7
授業計画/Class 経営意思決定会計と関連情報(2):管理会計情報の機能
①前回の復習を行ったうえで、別の身近な設例を用いて、手余り状態と手不足状態での経済性評価の原則と方法を学ぶ。
②同じ設例を用いて、経営意思決定のための情報提供およびコントロールのための情報提供という管理会計情報の2つの機能の存在を学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
8
授業計画/Class 経営意思決定会計と関連情報(3):関連性の概念と特別注文の引受諾否問題
①経営意思決定において関連する情報の2つの要件を理解する。
②経営意思決定プロセスと関連情報の特徴を設例を通じて学ぶ。
③今回学んだ内容がどのように産業組織の場面で結びついているのかを映像資料(三光マーケティングフーズや紳士服のオンリーのケース)を通じて学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
9
授業計画/Class 経営意思決定会計と関連情報(4):アウトソーシングと遊休設備
①関連性の概念を「構成部品を自製するかサプライヤーから購入するか」の意思決定問題に適用する。
②遊休設備の存在をまず仮定したうえでの経済性評価の方法を学ぶ。
③利用可能な生産能力の最適な利用方法の問題を学ぶ。ここでは機会原価の存在を確認する。
③関連ケースとして、四季リゾートのビジネスモデルを学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
10
授業計画/Class 経営意思決定会計と関連情報(5):線形計画法
①関連性の概念を製品ミックスの決定(どちらの製品をどれだけ製造販売するべきか)の問題に適用する。
②ボトルネックのマネジメントについて学ぶ。
③線形計画モデルの定式化について学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
11
授業計画/Class 経営意思決定会計と関連情報⑹:設備取替の意思決定問題
①サンクコストは意思決定には無関連であるという考え方を設備投資の意思決定問題に適用する。現有設備の帳簿価額は無関連な過去原価であるという考え方を理解する。ここでは、貨幣の時間価値と税金を無視する。
②経営意思決定モデルと業績評価モデルのコンフリクトが生じる場合があることを設例を通じて理解する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
12
授業計画/Class 資本予算とコスト分析(1):投資案の経済価値の評価方法
①投資案の経済価値の代表的な評価方法を学ぶ。
②貨幣の時間価値を考慮した計算方法の基本を学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
13
授業計画/Class 資本予算とコスト分析(2):関連キャッシュフローの分析
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した経営意思決定会計の概念の内容および計算問題を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
14
授業計画/Class 戦略思考で財務諸表を読む⑴
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した内容を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
15
授業計画/Class 戦略思考で財務諸表を読む⑵
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業で学習した内容を復習すること。そのプロセスで疑問が生じたところを次の授業やオフィスアワーで質問できるように準備すること。
授業方法/Method of instruction
すべての授業を対面で実施する。
→オンライン形式での授業に変更となります。(10/18)
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 50% 毎回の授業終了後に回収する小リポートの質
2 試験 Exam 50% 状況によっては、リポートに変更する可能性がある。
教科書/Textbooks
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1 配付資料に基づいて講義を行いますので、教科書を使用する予定はありません。
参考書/Reference books
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1 講義中に適宜紹介します。
メッセージ/Message
 
その他/Others
 毎回の授業終了後に小リポートを回収しますので、授業にしっかり参加できる学生の履修登録を期待しています。本講義では積み重ねの学習が必要であるため、すべての講義に出席することは当然ですし、病気その他のやむを得ない事情で欠席した場合も、各自で自主的にフォローアップすることが求められます。