講義内容詳細:国際NGO論Ⅱ

戻る
年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 国際NGO論Ⅱ
英文科目名/Course Title (English) International NGO's Ⅱ
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 山田 満
英文氏名/Instructor (English) YAMADA Mitsuru

講義概要/Course description
国際NGOⅠの基礎的な知識と理解を踏まえ、本講義では国際公共領域における国際NGOの活動に焦点を当てる。国際社会において、国家(政府)、市場(企業)とともに、NGOを含む市民社会が国際的諸課題解決に向けた重要なアクターとして認識されている。本講義では主として民主化・発展・平和を射程に入れた平和構築のトリロジーを踏まえて国際公共政策アクターとしての国際NGOの役割と課題を考える。
達成目標/Course objectives
国際社会が直面する喫緊の課題解決に向けて国際NGOがグローバル・ガバナンスの一翼を担っていることを理解する。次に、紛争後の平和構築や国家建設において、地球公共財(国際公共財)である平和、人権、開発、環境の各領域でどのような役割を担っているかを理解する。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
国際関係論、国際協力関係分野の科目を履修していることが望ましい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション:本講義内容、講義方針、成績評価などを説明する。なお、本講義は拙著『平和構築のトリロジー』(5月に正式に出版済み、購買会に指定してあります)をテキストに用いて講義を進める。ポスト・コロナ時代の世界で果たすべき国際NGOを様々な視点から考察していく。毎回の授業や資料をもとに「国際NGO」の役割を考えてみてください。重要:今年度も大学及び国際政治経済学部の方針により、コロナ感染拡大防止を踏まえ残念ながらオンデマンド動画での授業になります。昨年度作成のオンデマンド動画を随時利用しますが、毎回Course Powerの「お知らせ発信」で重要な視点を提示しますので確認してください。追加の参考動画も適宜アップする予定です。最後に、成績評価ですが、当初教場での講義を想定した配分でしたが、オンデマンド動画授業になりましたので、毎回の課題提出内容で50点、最後の期末レポートが50点に変更します。課題は毎回利用(アップ)する資料の最後に記載されています。

事前学習/Preparation シラバスの確認とテキストの「はじめに」を読み、国際NGOの役割とは何かを予め調べること(国際NGOⅠ履修者を含む)。
事後学習/Reviewing 平和、人権、開発、環境の各領域におけるNGOの展開を調べること。
2
授業計画/Class リベラル・デモクラシーとNGOの関係を考える。テキスト第1章、第2章を参照
事前学習/Preparation 民主主義とNGOの親和性とは何かを調べる。
事後学習/Reviewing 具体的に中国、米国、EUでのNGOの役割と課題を考えてみる。
3
授業計画/Class 国連とNGOの関係。テキスト第5章、第6章を参照。
事前学習/Preparation 国連組織とNGOのパートナーシップを調べること。
事後学習/Reviewing 安全保障理事会と経済社会理事会におけるNGOの位置付けを調べること。
4
授業計画/Class 平和学におけるNGOの位置付け。テキスト第8章を参照。
事前学習/Preparation 構造的暴力と積極的平和を調べること。
事後学習/Reviewing 米国発の平和学との相違を理解すること。
5
授業計画/Class 援助機関の紛争分析とNGOの役割。テキスト第8章(第3節中心)を参照すること。
事前学習/Preparation 援助を通じた平和創造を考えること。
事後学習/Reviewing JICA、USAIDなどの援助機関とNGOのパートナーシップの現状を調べること。
6
授業計画/Class 国連PKOとNGOの関連性。テキスト第6章を参照。
事前学習/Preparation 国連の平和活動としてPKOとは何かを調べること。
事後学習/Reviewing PKOの展開とNGOの活動の連携と齟齬。
7
授業計画/Class 紛争後の選挙とNGOの役割。テキスト第9章(第3節中心)を参照。
事前学習/Preparation 紛争後の選挙と通常の選挙の共通点と相違点を考えてみること。
事後学習/Reviewing 国際選挙監視NGOを調べ、どのような役割を担っているのかを調べること。
8
授業計画/Class 紛争後社会の制度構築におけるNGOの役割と限界。テキスト第9章(第1節、第2節中心)、第7章(第3節)を参照。
事前学習/Preparation DDR(武装解除・動員解除・社会復帰)とSSR(治安部門改革)とは何かを調べること。
事後学習/Reviewing NGOが特化可能なDDR領域とは何かを具体的に調べてみること。
9
授業計画/Class 国民和解におけるNGOの役割と限界。テキスト第9章(第1節、第2節)を参照。
事前学習/Preparation 国際刑事裁判と真実和解委員会方式の違いは何かを調べなさい。
事後学習/Reviewing 真実和解委員会方式が導入された地域の実情を調べること。
10
授業計画/Class 紛争後の復興・開発支援とNGO。テキスト第7章(第1節、第2節を中心)を参照。
事前学習/Preparation アフガニスタン、イラクなどではなぜ紛争が続くのかを考えてみること。
事後学習/Reviewing 紛争後の開発と一般的な開発におけるNGOの役割と相違は何かを考えてみること。
11
授業計画/Class 難民・国内避難民(IDP)に対応するNGO。テキスト第3章(第3節中心)、第10章の内容から同問題を考察すること。なお、参考文献に挙げた『新しい国際協力論(改訂版)』の第14章も参照。
事前学習/Preparation 難民と国内避難民の共通点と相違点を調べてみること。
事後学習/Reviewing 政治と人権の立場から政府とNGOの関係性を考えてみること。
12
授業計画/Class 人間の安全保障とNGOの役割。テキスト第4章(第1節、第2節中心)、第11章も参照。
事前学習/Preparation 人間の安全保障が1990年代に注目されるようになった理由を調べること。
事後学習/Reviewing 国家安全保障との相違点と共通点とは何かを考えてみること。
13
授業計画/Class 人道的介入から保護する責任の登場。テキスト第6章(第2節中心)、第11章(第3節)を参照。
事前学習/Preparation 国際社会がルワンダ大虐殺を防げなかった理由を調べてみること。
事後学習/Reviewing 「保護する責任」と内政不干渉原則との関係を考えてみること。
14
授業計画/Class 紛争後平和構築と自然災害後の復旧・復興におけるNGOの役割。テキスト第4章(第2節中心)、新型コロナ感染防止における国際協調の必要性(むすびにかえて)を参照。
事前学習/Preparation 自然災害後の緊急人道支援におけるNGOの役割と限界は何かを調べてみること。
事後学習/Reviewing 民軍関係の視点からNGOの役割と課題を考えてみること。非伝統的安全保障の観点から、近著(山田満・本多美樹編『「非伝統的安全保障」によるアジアの平和構築ー共通の危機・脅威に向けた国際協力は可能か』(明石書店、2021年10月)も参考文献として挙げておく。
15
授業計画/Class まとめ:「創る平和」(平和構築)の視点からNGOの役割を考えよう!テキスト第11章、「むすびにかえて」を参照。
事前学習/Preparation 14回までの問題意識を各自まとめること。
事後学習/Reviewing グローバル・ガバナンスの視点から国際NGOの役割と課題を考えてみること。
授業方法/Method of instruction
テキスト『平和構築のトリロジー』(仮題:4月頃出版)に基づき、講義を進める。また随時講義に関連するビデオ鑑賞も行い、講義の理解度を深める。

成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 30% ビデオ鑑賞にともなう小レポートの提出
2 試験 Exam 70% 学期末テスト
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
価格
Price
コメント
Comments
1 山田 満 平和構築のトリロジー(仮題) 明石書店 2021年5月予定 2500円程度 タイトルを含め編集中
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
コメント
Comments
 
1 山田満 新しい国際協力論(改訂版) 明石書店 2018年12月 9784750347615 2600 改訂版
2 多賀秀敏 平和学入門 勁草書房 2020 9784326302895 2500
3 大矢根聡編 戦後日本外交からみる国際関係 ミネルヴァ書房 2021年4月 3800
メッセージ/Message
本講義の理解をする上で、国内外のボランティア活動の経験が重要である。当然であるが、講義中の私語は厳禁、しかし積極的な質問を期待する。
キーワード/Keywords
国際関係、国際公共政策、国際協力、NGO