講義内容詳細:映像メディア論

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 映像メディア論
英文科目名/Course Title (English) Study of Image Mediums
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 杉原 洋介
英文氏名/Instructor (English) SUGIHARA Yousuke

講義概要/Course description
映像メディアは従来、マスメディアと紐づいて考えられていましたが、近年ではインターネットおよびコンピューターの技術的発展に伴い、かならずしも大企業だけではなく個人がみずから発信することができる媒体となりました。またゲーム、CGやVR・AR技術は人のコミュニケーションの問題や、個人情報と連動した広告、デジタルコピーの著作権、ニコニコ動画などに見るCGM(Consumer Generated Media)や二次創作など従来は考えられなかった多くの可能性と混乱を生み出したと言えます。
そこで本講義では映像メディアを広義の「メディアとテクノロジー」と捉え、講師が自らの実務経験からビジネス、テクノロジー、社会環境など様々な観点からの映像メディアの現状を解説し、ディスカッションを交え、みなさんの今後達成していきたい分野での実践的応用を考えていく場にしたいと思います。
達成目標/Course objectives
影響力や技術など映像メディアの社会における役割と、潜在的なリスクに関する基礎知識を得ること。
また、映像メディアのみなさんの専門分野における積極的応用に必要な基礎を習得すること。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特になし
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロダクション:「スマートフォン」というメディア
※「オンライン授業(オンデマンド型)」での実施
事前学習/Preparation お知らせメールが配信されるように設定を確認しておく
事後学習/Reviewing スマートフォンを所持している学生は自分の保有しているスマートフォンにどのようなセンサーがあるか確認する
2
授業計画/Class 個人の映像配信と「ヘタウマ」
事前学習/Preparation Youtubeなど動画配信サイトで、会社法人ではなく個人が配信している「おもしろい」と思う動画を最低1つは見つけて、「なぜ面白いと思ったか」をコメントできるように考えておく
事後学習/Reviewing 事前学習で見つけた動画を再度閲覧し、配信者の意図に対して考えがどのように変わったか確認する。
3
授業計画/Class CGM(Consumer Generated Media)と二次創作
事前学習/Preparation 「集合天才」という言葉の意味について事前に調べておくこと
事後学習/Reviewing 講義で学んだCGMの考え方があなたの興味分野でどのような応用ができるか考えること
4
授業計画/Class 動画の創作過程と基礎知識
事前学習/Preparation スマートフォンを所持している学生は10秒程度の動画を5本撮影しておくこと。(ただしキャンパス内または公園などで撮影し、本人の居住地や他者の個人情報が明らかになるようなものを撮影しないよう留意する)この動画を授業内で他の学生にシェアすることはない
事後学習/Reviewing 動画編集に関してさらに興味を持っている場合は以下のサイトを参照し、動画の作成される過程を学んでも良いhttps://helpx.adobe.com/jp/premiere-pro/how-to/create-video-story.html
5
授業計画/Class フリーミアムと課金
事前学習/Preparation 無料で利用できるサイトやアプリをひとつ選び、その企業が「なぜそのサービスを提供するか」という意義を考える
事後学習/Reviewing 講義を受けて、事前学習で選んだサービスの収益構造を推測する。
6
授業計画/Class 演習1「動画配信を考えてみよう」
事前学習/Preparation グループまたは各個人で「動画配信をもし行うならどのような内容が”バズる”か」を考えるため、最低3つは配信内容のアイデアを考えてくること
事後学習/Reviewing 「法的・倫理的問題点」、または「継続性」の観点から演習で考えた「配信」をどのように改善すべきかを考える
7
授業計画/Class インターネット広告と「おすすめ」(オンライン授業)
事前学習/Preparation 動画サイトを閲覧し「どのような広告が表示されていたか」を確認。いくつかをメモしてくること
事後学習/Reviewing 講義で学んだ内容をもとに、どのような行動を行うと「広告内容」が変化するか観察すること
8
授業計画/Class ARとVR
事前学習/Preparation AR(Augmented Reality )およびVR(virtual reality)という用語の意味を調べておくこと。
もし可能であれば「Ready Player One」という映画を鑑賞しておくことが望ましい
事後学習/Reviewing ARやVRがこのまま発展して行った場合、社会構造や私たちの生活がどのように変化するか考察すること
9
授業計画/Class ゲームにおけるコミュニケーション
事前学習/Preparation 以下のサイトを閲覧し、このサイトで紹介されている「ゲーム」に関してどのように感じるかまとめておく

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cadetto/tuusin/201803/555096.html


事後学習/Reviewing 講義で学んだ「ゲーミフィケーション」を自分の関心分野でどのように応用できるか考察すること
10
授業計画/Class ジオロケーションとポケモンGO
事前学習/Preparation この1週間で「google map」などいわゆるナビゲーションアプリをどのようなシーンで使ったか列挙してまとめておくこと
事後学習/Reviewing スマートフォンの設定を確認し「自分の位置情報」がどれだけのアプリに提供されているか確認すること
11
授業計画/Class 「コンピュータグラフィックス(CG)概要」
事前学習/Preparation 「フレームレート(fps)」という⽤語の意味を調べておくこと
事後学習/Reviewing CGを活⽤して今後作り出すことができる「まだ誰もみたことのない映像コンテンツ」は、どのようなジャンルのものが考えられるか考察する
12
授業計画/Class 演習2「AR/VR を使った新しいサービスを考えよう」
事前学習/Preparation グループまたは個人でAR/VRを利用した新しいサービス案を考えるため、最低3つはアイデアを考えてくること。またAR/VRの講義に参加していない場合にはARとVRの概要に関してあらかじめ調べてくること
事後学習/Reviewing 演習で明らかになった問題点や、実現可能性をアイデアにフィードバックし改善する。さらに意欲があれば事業計画などを作成し、ビジネスプランコンテストなどに積極的に応募することが望まれる
13
授業計画/Class 個人情報と著作権または GDPR(EU一般データ保護規則)
事前学習/Preparation 「著作権保護期間の戦時加算」という用語の意味を調べてくること
事後学習/Reviewing google社またはapple社の「プライバシーポリシー」にどのような記述があるか確認する
14
授業計画/Class ロングテールとライフスタイル
事前学習/Preparation 「パレートの法則」とはどのような法則かを事前に調べておくこと
事後学習/Reviewing 出身地が首都圏以外の場合は「出身地にもし帰ったらどのような情報が発信できるか」を考え、首都圏出身の場合には「任意の海外の都市に移住した場合、日本に対してどのような情報配信ができるか」を考えること
15
授業計画/Class 映像配信のリスクと事例
事前学習/Preparation 「バイトテロ」という用語の意味を調べておくこと
事後学習/Reviewing もし映像配信をする場合にどのような点に留意すべきか、今までの講義を振り返りチェックリストを作成すること
授業方法/Method of instruction
本講義は対面授業(ハイブリッド型)で行います
オンライン授業(Zoom使用)を実施する場合はCourse Powerにて指示します
※第一回はオンライン授業(オンデマンド型)での実施
基本的にはパワーポイントの資料を投影して講義形式で行います。ただし、理解を深めるために授業時間の終了前30分程度を使って、フリーディスカッションまたは質疑応答を行いたいと思っています。より実践的な応用を行うため演習を二回程度予定しています。受講者の数によりグループまたは個人でのワークにするかを検討します
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 40% クラスや演習での積極性、課題に対する取り組み姿勢
2 レポート Report 60% 各回のレポート
教科書/Textbooks
 著者名
Author
1 特になし
参考書/Reference books
 著者名
Author
 
1 特になし
メッセージ/Message
映像メディアはテクノロジーの進歩により日進月歩の可能性に満ちた分野です。また、みなさんがどのような興味関心を持っていても、今後は広報、コミュニケーション、記録、分析と様々な側面で映像との関係は重要視されてきています。最新の状況も勘案しながら、一緒に映像メディアの可能性を考えていきたいと思っています。
その他/Others
講師はコンピュータグラフィックの制作経験を通じて、商業目的での映像作成の現場を経験し、より実践的な「企業やマスメディアが映像をどのように利用しているか」を伝えることができます。またIT企業のプロデューサーおよび最高技術責任者として、広く<視覚伝達手段>としての映像メディアの可能性と、同時に内包しているリスクがどのようなものであるかを指導し、各専門分野での事例を含め、みなさんの抱える問題解決に寄与することができると確信しています。
キーワード/Keywords
映像     メディア論     テクノロジー     動画     広告     IT