講義内容詳細:組織と人材の管理/組織論入門

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 組織と人材の管理/組織論入門
英文科目名/Course Title (English) Organization and Human Resource Management/Organization Theory
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 園田 洋一
英文氏名/Instructor (English) SONODA Youichi

講義概要/Course description
 企業をはじめ行政やNPO、学校や病院などは各々の目的を達成するために組み立てられた「組織」である。そして組織は個人の力だけでは解決できない様々な問題を各人の協働のもとに解決していくシステムだと言える。たとえば、ヒト、モノ、カネ、情報・技術などの経営資源を活用して事業を展開している企業は、社会が必要とする商品やサービスを提供するために会社組織を設け、経営に取り組んでいる。それは「組織」の目的に向けて「人材」を束ね、各々の能力の最大発揮を促す「管理活動」を通しての「利益追求活動」だと言えるだろう。そのなかでも重要な人材(従業員)という資源を活用する施策、いわゆる「人的資源管理」は、企業をはじめとする組織の経営管理にとって極めて重要な施策なのである。
 今日、わが国における様々な組織の管理運営の在り方、また人的資源管理の在り方は急激な環境変化を背景に改革が迫られている。主に急速な人口減少、少子高齢化の進展、経済のグローバル化、情報通信技術の進展と高度化、それらによる国際競争や企業間競争の激化などが要因であるが、こうした環境変化がいかに組織と人材の管理に影響を与え、その中で企業などがいかなる方法や条件で従業員を働かせ、いかに環境に適応していこうとしているのか。一方で従業員はいかにやりがいを求めて働いているのか。これらを学んでおくことは、諸君が社会に出て働く時に「組織の中でどう生きるか」を考える上で重要であり、意味があることだろう。
 本講義では「組織論」の入門という立ち位置から入り、さらに人的資源管理のシステムとその在り方、そして、組織の中で生きる個人の在り方といった側面に接近していきたい。主に「授業計画」にある個別テーマを順次取り上げながら、歴史的な経緯とともに新しい時代の流れをも理解する必要から、適宜、タイムリーな話題をも提供する。これらは「働くこと」や「働かせること」を深く考える契機ともなるが、企業には従業員のやりがい、働きがいを束ねる経営が求められている点についても理解してもらう機会になる。コロナ禍における困難な事情も生じるかもしれないが、講義では喫緊の課題にも注目する。
達成目標/Course objectives
テーマ 「組織論―働くこと・働かせることのシステムと展望」
 「組織」についての基本的理解、さらにその中で「働くこと・働かせること」のシステムを学び、従業員の成長と企業経営に求められている人的資源の活性化を二つながらに考察する視点がもてるようにすること。また「働く人間の主体性確立」と「企業経営の維持・発展」の相互作用から生じる課題、さらにそれを乗り越えていく対策への問題意識がもてるようにすることを授業の達成目標とする。 
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ①オリエンテーション【オンライン授業(オンデマンド型)での実施】
事前学習/Preparation 将来、どんな働き方をして社会人生活を過ごしていたいかを考えておくこと
事後学習/Reviewing オリエンテーションでの説明内容を再確認すること
2
授業計画/Class ②「組織」とは何か【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 自分にとって組織のメリットとは何かを考えておくこと
事後学習/Reviewing 「組織論」が学際的研究の上に成り立っていることを確認しておくこと
3
授業計画/Class ③「組織のなかで働く」とはどんなことか【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 「組織のなか」で働くことをイメージし、そこでどんなことが問題になるかを考えておくこと
事後学習/Reviewing アルバイト先での人間関係を改めて振り返り、そこでの課題や能率向上の要因を考えてみること
4
授業計画/Class ④「キャリア」について考える【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 職業人生を生きていく上で今の自分ならば何を大切にしておきたいかを考えておくこと
事後学習/Reviewing 組織のなかで働くこと、生きること、さらにキャリアを積み上げていくことを考えた上で、自分が人を働かせる立場に立った時のことを考えてみること
5
授業計画/Class ⑤「モチベーション」を考える【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 仕事をする上で自分を突き動かす動機づけの要因とは何かを考えておくこと
事後学習/Reviewing 仕事に対する欲求や動機づけについて、自分自身の経験から大切なこととは何かを整理してみること
6
授業計画/Class ⑥「リーダーシップ」と行動【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 自分が考える「リーダー像」とはどんなものかを考えておくこと
事後学習/Reviewing 職場をまとめるリーダーの役割や行動の在り方とはいかなる研究があり、その考え方や行動について整理すること
7
授業計画/Class ⑦「意志決定」とコンフリクト・マネジメント【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation リーダーが何かを決めていく過程、そこで大事にしておくこととは何かを考えておくこと
事後学習/Reviewing 部下のモチベーションの低下をもたらす問題を整理すること
8
授業計画/Class ⑧経営組織と人的資源管理【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 自分が入りたいと思う会社1社のホームページにある企業の「経営理念」を調べておくこと
事後学習/Reviewing 経営理念がもたらす人的資源管理効果とは何かを整理すること
9
授業計画/Class ⑨雇用管理とキャリア開発【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 1社でよいので関心を持っている企業の社員教育を調べておくこと
事後学習/Reviewing キャリア開発が重要になる理論を整理しておくこと
10
授業計画/Class ⑩労働時間管理と働き方改革【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 「働き方改革」の目的は何かを調べておくこと
事後学習/Reviewing 労働基準監督署の取り組みを整理すること
11
授業計画/Class ⑪人事考課と賃金【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 組織は「働く者」の何を評価するのか。それを何に反映させるのかを考えておくこと
事後学習/Reviewing 人事考課が賃金のみならず、さらにどんなことに反省させるのかを整理すること
12
授業計画/Class ⑫企業福祉管理とワークライフバランス【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 人生100年時代の「職場と家庭の両立(仕事と家事の両立)」をどう考えるか、自分なりの考え方を検討しておくこと
事後学習/Reviewing 企業福祉(福利厚生)がもたらす多様な効果と職業人生の在り方を考えてみること
13
授業計画/Class ⑬経済のグローバル化と組織の在り方・人的資源管理(1)【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 経済のグローバル化が進む背景を調べておくこと
事後学習/Reviewing 人的資源管理が受ける影響を整理すること
14
授業計画/Class ⑭経済のグローバル化と組織の在り方・人的資源管理(2)【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation 人口減少、少子高齢化が組織の在り方と人的資源管理に与える影響について検討すること(1つの制度について)
事後学習/Reviewing 影響についてのメカニズムを整理すること
15
授業計画/Class ⑮今後における組織管理と人的資源管理の課題と展望【対面授業(通常型)】
事前学習/Preparation これまで学んできた内容の中で関心を持った制度について、意見をまとめておくこと
事後学習/Reviewing 総まとめを行うこと
授業方法/Method of instruction
本講義は対面授業(通常型)で実施します。ただし、新型コロナウイルスの感染状況によって変更が求められる場合は、オンライン授業(オンデマンド型「資料提示型」)となることもあります。その場合は、随時連絡をいたします。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 30%

2 レポート Report 70%
教科書/Textbooks
 コメント
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1 テキストは使用しない。随時、レジュメおよび資料を配布する。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
 
1 桑田幸太郎・田尾雅夫著 『組織論』 有斐閣
2
メッセージ/Message
「組織のなかでどう生きるか」-人は仕事を通して成長していくことができます。組織は人材の有効活用を通して成長していくことができます。この2つの成長を可能とする仕組みについてしっかりと考えてみましょう。
キーワード/Keywords
組織のなかで働くこと、人を生かすこと、人生の羅針盤